10月19日(土)雨 三重県名張市《ジャズバー》NEW
大東北ツアーの行きがけに『ヤスムロコウイチ』さんに紹介してもらった『ジャズバー』でやることにした。
住所を見ると炉端味ふく内となっているのでいったいどんな作りになっているのだろうと不思議に思いながら向かった。
この日はあいにくの雨。せっかくのツアー気分が台無しだ。今回のツアーは全10本、15日間のロングツアーだ。
西名阪で2時間ほど。名張の町は久しぶりだった。
いただいた地図ですぐに炉端味ふくは解った。土蔵が並んでいるような作りになっていて、いい感じだ。
ちょうど店主の栗林さんも見えたところで中に案内してもらったが、ほんとに炉端焼きの店の中にジャズバーはあった。
ここの経営者である人がジャズが好きで道楽で作ったらしいのだが、炉端のイメージと違いこぢんまりしたお洒落な店だった。
店にはいるとステージになる正面が全部ガラス張りで、その外に木が植えてある。その木に照明があたっていて秋を感じさせてくれた。
栗林さんはこの店を受け継ぎ好きな音楽をやってがんばっている。
リハの後その味ふくで一杯をごちそうになった。おかみさんがおいしい焼酎を出してくれてそれが一層いい気分にさせてくれた。
ライブのほうもそこそこお客も入ってくれてなんと今日のオープニングアクトはアメリカ人。(ああ名前忘れた)
ポールサイモンのような声で爽やかなやつだった。こちらはさっきの焼酎のおかげで上機嫌。
いきなりの酔っぱらいライブになってしまった。でもそのアメリカ人も気に入ってくれたみたいだ。
さらにニュージーランド人の美しい女性も来て打ち上げは焼鳥屋。
ああ僕はどこに居るんだろう。インターナショナルな夜だった。
10月20日(日)雨
最近飲酒運転の罰金がすごいことになってしまい、とても運転して大阪に帰ることはできない。
僕らの仕事は飲み屋がほとんどなので飲まない訳にはいかない。名張で仮眠をしてからゆっくりと新潟に向かうことにした。
名阪国道から1号線を通り、8号線に出てそこからはひたすら8号線を走った。
なにせ休みは二日間もある。高速を使う必要は無かった。
富山県の高岡で国道沿いに町営かなんかの温泉があったのでつかったりしながら、親不知子不知を抜けると能生という町に着いた。
山に張り付くように港があった。ちょうど道の駅もあったのでここで宿泊。明日はこの港で釣りだ。
10月21日(月)雨
冷たい雨が降り続いていたがそこは釣りキチ。ひるまず能生の港で竿を出す。
外海は荒れていて港内で釣るしかなかった。サヨリが沸いていたのでそれを釣ることにした。
時々アイゴも混じった。近所の方だろう、見物にやってきて今まではこんな魚(アイゴ)は釣れなかったという。
アイゴはどっちかというと温かい海に住む魚でこの辺では今年から釣れだしたらしい。
こんなところにもひたひたと温暖化の波が押し寄せている。海は正直だった。
豆アジも混じるのでなにか釣れないかなと投げて居たらそのおじさんがわざわざイカの仕掛けを持ってきてくれて
「アオリイカが釣れるかもしれないからこれ使いな」とくれた。
アジを鼻がけにして釣るのだが、それにしても人情が温かい。結局はイカは釣れなかったのだが、そのおじさんは最後までいた。
10月22日(火)曇り 新潟市《ウッディ》
この日は朝から新潟港で釣り。気がつけば『豆っこ』の匠の家の近くだった。
彼は現在東京に出てデビューの機会をうかがっている。
しかし今日のためにまた新潟に帰ってきていた。彼は直ぐにやってきた。
半年ぶりなのだが、時々電話で話しているのでそんな気はしなかった。
今度劇団四季のミュージカルのギターを担当するという。
そしてもう一つの匠達のバンドが今度準メジャーでデビューするという。名前は忘れた。(もういい加減にしなさい。)
いつかゲストで呼んでほしいものだ。
今日はそのバンドの相棒渋谷君も一緒で豆っこブラザースも久しぶりのライブみたいだった。
お客の入りを心配したが、ほぼ満員になってくれた。
五十一と豆っこは今や新潟ではワンセットみたいになっていて、それを楽しみにしてくれているお客もかなりいるらしい。
ライブの方は匠達は練習不足と言いながらも今までで一番良かったのでないかい。
打ち上げは近所の飲み屋で。気孔をやっている女の子がいて、僕は肩こりがひどいので初めてやってもらったが
すごい体験をした。彼女が肩に手を当てているだけでその部分が熱くなり、
それは人間の手の温度とは明らかに違う温度で、すーっと肩こりが退いていった。
彼女に言わせるとなかなか入っていけない人もいるらしいが、僕の場合直ぐに入って行けたという。
みなさん、人間の体にはまだまだ開発されていないすごい部分があるというのを信じますか?
僕は一発で信じてしまいました。
10月23日(水)曇り 新発田市《ナイツブリッジ》
匠も今日は忙しいらしく、新潟に帰ってくるときはバンドの練習とかをまとめてしている。
僕は匠んちを後にして近所の風呂屋で良い機嫌になって新発田に向かおうとしたのだがふと携帯が無いのに気がついた。
あわてて風呂屋に戻ったがそこにはない。どこに忘れたのだろうと記憶をたどって「ここには無いだろうと」思いながら
昼飯を食ったそば屋に行ってみたらなんとそこに忘れていた。ほんとおおさわがせな午後でした。
『ナイツブリッジ』でやるのは今年4月にやって以来2度目だが、マスターの楠見君がえらい気に入ってくれて彼に会うのを楽しみにしていた。
新潟から新発田までは1時間ほど。新発田は学生の街で、大学がいくつもあるらしい。
今回はマスターの楠見君自らオープニングアクトをかって出てくれ、他にジャズのバンドも出てくれて多彩なメンバーでやることになった。
お客も満員で最初はジャズから。ウッドベースとピアノという二人だった。ウッドベースの人は左利きで言われるまで気がつかなかった。
スタンダードが主だったのでまるでホテルの最上階のバーで飲んでいるような気分になってしまった。
楠見君達もギター二人組で今度はボサノバ。すっかり僕はいい気分で飲んでしまった。
僕のライブはもう上機嫌でのりのり、後で聞いたら前回よりも良かったとのこと。でもほどほどにしないとね。
歯科技工士をやっている前回もおじゃました方が「ぜひ家に泊まりに来てほしい」と言ってくれたのだが
明日はあの鼠ヶ関で早く釣りをしたかったのでご辞退した。
10月24日(木)晴れのち雨
鼠ヶ関に着いたのは朝7時過ぎだった。この日は久しぶりに晴れていた。でも外海は相変わらずうねりが高く、釣ることは出来なかった。
でも、楽しみにしていた鼠ヶ関。早速アジでも釣ってそれをエサにしてハマチでもと意気込んでいた。
波止場には他に二組ほどしか釣っていなかった。早速竿を出す。いきなりアイゴ。でも他の人達は捨てている。
沖縄では嫁に食わすなと言うぐらい重宝されているアイゴもこの地では見知らぬ魚なのだ。
横で釣っていた人が「この魚なんて魚?」と手づかみで僕に聞くのには驚いた。
アイゴの背びれには毒があり、これに刺されると一日中痛みはとれない。
慌てて僕は大声で「直ぐに離してください、その魚には毒があるんです。」と言ったがその人はきょとんとしていた。
でもこの日の鼠ヶ関はアジとアイゴがぽつりぽつりと釣れるだけで期待のハマチは音沙汰なかった。
午後今日お世話になる予定のあの鶴岡の蕎麦屋、大松庵の漆山さんから電話が入り、3時頃には来てほしいと言うので納竿にした。
片付けていると雲行きがにわかに怪しくなり、またまた雨がぽつりぽつりときだした。
鶴岡に走り出した頃にはもう本格的に降り出していた。今回はほんと天気が悪い。
期待の鼠ヶ関もまた来年だ。
大松庵に着くともうストーブが入っていた。ここはもう東北なのだ。
なつかしい漆山さんご夫妻が迎えてくれた。奥さんのひとみさんは大阪出身。だから親しくほんと親戚の家に来た感じなのだ。
着くなり、「五十一さん、今日は予定が詰まってますからね」とひとみさんから今日の予定を聞かされる。
今日は漆山さん達が主宰するゴスペルグループ『ゴスペルクワイヤ』の練習の日。僕がゲストで参加することになっているらしい。
それではと早速アジの調理。大きいのはお造りにして他は南蛮漬けにしてもらおうと調理場で料理をした。
そして前にも行った湯田川温泉へ連れてってくれて帰るとあの野太い十割蕎麦。うまい!
そしてゴスペルの練習のためにゴルフ練習場の会議室へ。今日は指導をされている田中さんという早稲田のグリークラブ出身の方が来ていた。
ブルーストーンの山口君もこのクラブのメンバーですっかり僕もうち解けてしまうのだった。
最後に僕の演奏となったがゴスペルに近い曲ばかり選んで5曲ほどやった。
その中で僕が訳したアメージンググレイスがみんな喜んでくれたみたいで後でその訳を写したいと漆山さんが言ってくれた。
その後は田中さんを交えて鶴岡のタイ料理の店へ。こんなところにもタイ料理の本格的な店があったのかと驚いた。
なんか鶴岡にいるのに外に出ると大阪の街とちゃうかと思えるような夜だった。
10月25日(金)晴れ 遊佐町《渋谷酒店別館》NEW
朝、一昨日開きにしておいたアイゴの干物をみんなで食べたが自分で言うのもなんだけど実にうまかった。
漆山さんも「これはうまい」とあっというまになくなった。ほんとみんな捨てるのはもったいないのだ。
今日は快晴。以前からひとみさんが勧めてくれていた鶴岡から酒田に続く海岸に行こうと11時頃大松庵を出た。
途中、来年のコンサートはここでやれたらととある蔵に連れてってくれたのだが、そこが想像以上に素晴らしかった。
なんでも高名な小説家の実家にあった蔵を建築家が移築したらしく、適度に改築されていて実にお洒落であった。
ステージもちゃんと用意されていて、グランドピアノがどんと置いてあり、そのピアノはあの『雪の降る街』を作曲した方が使っていた物らしい。
もしかしてこのピアノからあの名曲がうまれたのかもしれない。
100人は楽に入れる大きさでこんな物が大阪にでもあったらきっと話題になったろうと思えた。
きっと来年はこの素晴らしい蔵ホールでやることになるだろう。
海岸に出るともちろんそこは日本海。秋の日差しなのに北の海が荒涼とした感じを与えてくれてさらにこの海岸には建物が一つもない。
どこまでも続く砂浜。もっとゆっくりしたかったが時間もないので酒田市に向かった。
酒田で有名なラーメン屋満天にもいった。鰹だしのきいたあっさりしたラーメンだった。


蔵の内部&外観。中央に見えるのが「雪の降る町」を作曲したと言われるピアノ。とにかく使っている木がすごい。

鶴岡の海岸。
ここで漆山さんご夫婦と別れて今日一緒にやってくれる元J−Warkのベーシスト長島君の家に向かった。
彼は東京出身だが奥さんがこの地の生まれでここに引っ越してきた。アジアの雑貨を売っている。
酒田市の新興住宅街の一角といっても家はほとんど建っておらず、長島君の家だけがぽつんとあるので解りやすい。冬は寒そうだ。
彼の家に寄って一緒に遊佐町に向かった。目の前には鳥海山。遊佐町はほんと鳥海山の麓にある小さな町だった。
待ち合わせの遊佐駅に着くと今日の主催者の一人今野さんが迎えに来てくれていた。
もうすっかり顔なじみの今野さんは僕が酒田のブルースヒロでやるときは必ず来てくれて、いつも最後は酔っぱらっていい感じだった。
「一度遊佐にもきてけれ」というお言葉に甘えて今回のライブの実現となった。
小さな川の畔に渋谷酒店はあり、その向かいが今日のライブ会場となっていた。
別館と言うから古い酒蔵みたいなところかなと思っていたら、綺麗な建物で最近建てたような感じだった。
中に入ると古民家を思わせるような大きな梁が何本も屋根を支えていて、床はフローリング。
床がもし畳だったら昔の柔道の道場のような感じがした。
ここの店主の渋谷さんが道楽で建てたらしい。みんなの集会とかカラオケに使っているらしかった。
広さも十分にあり、設備も申し分なかった。しかしいざリハを初めて見るとこの床が音を反射してなかなか手こずった。
でもそんなことはあまり関係ない。この遊佐町に来れたことがうれしかった。
ライブは遊佐町の雄志のみなさんを始め、漆山さんも来てくれたし、山口君も来てくれた。
30人は来てくれたろう。十分であった。いい天気だったはずがいつの間にか雨が降り出していた。
遊佐町ライブはお客が良かったのかいい感じでやれた。そして何よりもノリがいい。なんか関西ののりに近いのだ。
昔北前船が酒田から京都に行っていた。その名残があるような気がした。
別に打ち合わせした訳ではないが、僕のソロが終わるとトイレ休憩になって2部は長島君に入ってもらった。
みんないい気分みたいだった。なにせよく飲む。「第三部」なんて声が飛び出して、山口君、長島君と僕のセッション大会が始まってしまった。
もちろん山形名物、芋煮ををはさんで。
今日の泊まりは今野さんところ。酔っていたのでよく解らなかったが車で山の方に向かったのだけは憶えている。
鳥海山の麓に広がる遊佐町の全景。


渋谷酒店別館の玄関と内部。中は古民家みたいだった。

この方が今野さん。鳥海山をバックに。
長島君と僕の演奏風景。
10月26日(土)晴れ 秋田県鷹巣町《レストラン麦のうた》NEW
朝、外に出てみてびっくりした。今野さんの家は鳥海山の中腹にあり、目の前には日本海が見渡せ、後ろには鳥海山。
素晴らしい眺めだった。でも昨日カメラはあの会場に忘れたままだった。
ボリューム満点の朝ご飯をいただき胴腹の水という名水を汲みに行った。そこも素晴らしい場所だった。
胴腹というのは鳥海山の中腹から、すなわち胴から湧き出ることからこの名前がついたらしい。
この近所には東京からアーティストが何人か移り住んでるという。解る気がした。
帰りに新米までいただき、さらに昨日のせんちゃんところに寄ると庄内ガキまでいただいた。
みんな誇り高き農民だった。特に今野さんの奥さんを見ているとすごく思ってしまった。
毎日雄大な鳥海山を眺めて野良仕事をしていれば、きっとこんなお母さんが出来上がるのだろう。
そうそう今野さんの奥さんは出かけに僕に弁当まで作ってくれたのだ。
道が解りやすいところまで今野さんが送ってくれて鳥海山を眺めながら秋田に向かった。
国道7号線をひたすら北に。日本海を左に見ながらのドライブ。釣りをしないこの日は快晴であった。
285号線に入り秋田の内陸部に向かう。夕刻、前方に白神山地と思われる山並みがかすんで見えてきた。
この辺にくるのは初めてだった。鷹巣町は以外ににぎやかな町だった。
昨日の遊佐町のことがあるだけにもっと寂れた感じの町かなと思っていた。
『レストラン麦のうた』はその鷹巣町の駅前商店街の一角にあった。
迎えてくれたのは店主の小笠原さんと、ホームページ担当の平さんだった。
2階にある店に案内されるとグランドピアノが置いてあり、五十一ライブの看板まで作ってくれていて、マイクのセットもしてくれていた。
この店でやることになったきっかけは4月に秋田市に来たとき、お客さんで菅さんという方が居て、
その方に相談したところここを紹介というより方々探し回ってくれたみたいだった。
そしてこの店にたどり着きほとんど飛び込みで僕のCDを聞いてもらったという。
そして、小笠原さんからOKの返事をいただき今日の実現となった。菅さんの情熱に感謝したい。
実はこの麦のうたは北東北アコースティッククラブの事務局になっていて、会員も120名もいるらしい。
そんな事で今日のライブは僕も楽しみと言うより、少し力が入っていた。
ホテルも取ってくれていて、しばらく休憩してから店に入りコーヒーをいただいてリハを始めた。
でもやはり、初めての町では最初に出す音は緊張する。聞き入ってくれていた。後でおいしいハヤシライスもいただいた。
菅さん達も駆けつけてくれてなつかしい対面だった。お客もそこそこ入ってくれた。
オープニングアクトを弘前から来た人が努めてくれた。素朴でなにかコミカルな人だった。
そして僕の番。みんなの中に緊張が走るような気がした。精一杯やったつもりだがお客の反応が解らない。
後で解ったことだがこの辺の人はみなさんシャイなのだ。
休憩の時に地元の女の子二人がピアノの弾き語りをしてくれたのだが、ベッドミドラーやキャロルキングまで飛び出したのには驚いた。
みんな僕の青春時代、大好きな曲だったからだ。
そして第二部も無事終わり、打ち上げとなった。今までの緊張とはうらはらにCDをみなさん買ってくれた。
ちゃんと聞いていてくれたのだ。例の女の子達も買ってくれた。秋田人は素朴でシャイで、でもどこか芯の強いところを感じさせてくれた。
そして「また来てください」と小笠原さんが言ってくれた。能代から来ていたお客さんも居て、うちの方でも出来ますよと。
なにか秋田に新たな広がりを感じさせてくれた夜だった。
ホテルに帰り着いたとき、ああこんなに遠くまで来たんだなとしみじみ思った。

オーナーの小笠原さんと

左二人が菅さんご夫妻。右は千田君と綺麗な彼女

最後まで残った方達と記念撮影。
10月27日(日)曇り時々雨 仙台市《ハムジョイント》
仙台までどれくらい時間がかかるか解らなかったので、早めにホテルを出た。
少し走ればそこはもう青森県。十和田湖の側のインターから高速に乗った。
今回天気が悪く楽しみにしていた紅葉は見れずじまいだったが、やっとここで見ることが出来た。
あいにくの雨交じりの天気だったが山が燃えるように染まっていた。夢中でシャッターを切った。
紅葉の十和田湖近辺
仙台に着くと久しぶりに都会に来たという感じがした。
ハムジョイントには昔大阪にいてハープを吹いていた阿部君が来てくれていた。
彼は元々仙台出身で単身シカゴに渡り、数々のプロのミュージシャンと競演をした筋金入りのブルースハーピストなのだが
なぜか優歌団の歌を聴いて大阪に来て木村君や有山君と親交を持ちそのつながりで僕とも知り合った。
2年ぶりで会う彼は大阪に居るときよりいきいきした感じがした。
前に働いていたともちゃんは昨日ここで結婚パーティをしたばかりなのに今日のライブに旦那と来てくれた。
少しずつだが仙台に五十一の痕跡が残りつつある気がした。
しかしこの店のライブは打ち上げが延々と続く。店を出たのは3時をまわっていた。
10月28日(月)晴れ
夕べ、スタッフの加藤君と話していたのだが、彼も釣りが好きで「相馬の方に行ってみようと思うんだけど」と僕が言うと
彼も「良いところに目をつけますねえ。あそこは良く釣れますよ」とのことで相馬に向かった。
ツアーで3日間も釣りをしないでいるのはつらい。やっと晴れてくれて釣りが出来そうだ。
相馬港はけっこう広く、埠頭の先端には何人も釣り人が居た。
この日はでもあんまり釣れなかった。夜釣りでカジカを初めて釣ったくらいだ。
地元の人はカニカゴでワタリガニをたくさん捕まえていた。僕もカニカゴ買おうかなと思ったほどだ。
10月29日(火)晴れ
この日は朝から釣りだ。前日に地元の人に聞いていた波止場でいきなり型の良いアイナメをゲット。
続けて4匹ほど。いい調子だ。結局この日は15匹くらい釣った。みんなアイナメ。カレイもと期待したのだがだめだった。
夜釣りにもと埠頭に行ってみたら、カニカゴを揚げていたおじさんが
「きのう向こうの埠頭で親子3人が車で飛び込んで、まだ子供だけが上がってないから気持ち悪いしもう帰ろうかなと思ってるんだべさ」
なんて言うもんだから僕は当然のように夜釣りをあきらめて帰った。
相馬港二日間の釣果
10月30日(水)晴れ 郡山市《オールドシェップ》
午前中釣りをして郡山に向かった。福島に出る途中で吾妻山に雪がかぶっているのが見えた。
その横には智恵子抄で有名な安達太良山。美しい風景だった。
間接の吾妻山。左に少し見えるのが安達太良山
この日はホテルを取ってくれていたので早めにホテルに入り昼寝をした。久しぶりの昼寝だった。
5時頃オールドシェップの伊藤さんが迎えに来てくれて彼の車で店に向かった。
オールドシェップは小さな店で20人も入れば超満員。でも地元の音楽発信源としては貴重な存在なのだ。
伊藤さんに僕もいろいろと最近のブルース系ミュージシャンを教えてもらった。
お客は少なかったがラストワルツの泉君も来てくれた。
打ち上げはラストワルツでアイナメのお造りをあてに盛り上がった。
僕は厨房に入ってスタッフのまりちゃんに魚の下ろし方の講義。
まりちゃんはとても喜んで後は自分でやりますと張り切ってお造りを作っていた。
伊藤さんに泉君、この二人が居るおかげで郡山でみんなライブが出来る。ありがたいことだ。
10月31日(木)晴れ時々曇り
この日は休みなので小名浜に向かうことにした。郡山から小名浜までは2時間ほどで行けた。
小名浜は前回にも行っており、あの大アナゴの釣れたところだ。
まず真っ先に向かったのは小名浜漁協の前にあるあさひや食堂。
市場の人達を相手にしているだけに安くてボリューム満点の定食が580円。
朝はやくから開いており、昼の2時には閉まってしまう。
ちょうど昼頃あさひや食堂にすべりこんだ。迷わず、煮魚定食。
その隣の観光客相手の店の煮魚定食が1500円だからほんとうれしくなる。
今日は鯖のみそ煮。腹一杯になった。すかさずその前にある埠頭で竿を出す。
しかしこの日はカレイが1枚釣れただけだった。
隣で釣っていた人が「7号埠頭では鯖が入れ食いらしいよ」と耳寄りな情報をくれたので7号埠頭に向かった。
もう夕方のなっていたが竿を出すとすぐさま鯖が食いついてきた。
鯖はよく引くので面白い。あっという間に5、6匹釣り上げた。明日は鯖釣りだと早めに切り上げた。
小名浜港の夕日
11月1日(金)曇り後雨 東京高円寺《稲生座》
朝から張り切って鯖釣りをして午前中にクーラーボックスが一杯になった。
十分土産が出来たので12時頃切り上げてゆっくりと東京に向かった。
国道6号線の表示をみると東京まで156kmと書いてあった。
稲生座へは7時に入ればいいと聞いていたので7時間もまさかかからないだろうと下道をゆくことにした。
ところがこの日は東京へ向かう道は大渋滞で水戸に着いたのが4時頃。少しやばいと思い、高速に入った。
ところが高速も渋滞の表示が出ていて、柏で高速を降りることにした。この時点で5時過ぎだった。
降りるとそこからは東京まで20kmくらい。十分だと思っていたらまたまた大渋滞で、結局稲生座に滑り込んだのは7時半だった。
「すんません、遅くなりました」とドアを開けてみたら、どこかで見たことのある男がリハをやっていた。
「なんや、テツか」と思わず言ってしまった。そう彼は大阪の人間で大阪に居るときから何度も一緒にやったことがある。
某お菓子メーカーに勤めているのだが転勤で東京勤務になり、今は大塚まさじさんのバックやらDJまでやってる。
芸達者で彼の持ち歌で有名?なのが環状線ブルース。大阪の人間にしか解らない。
こちらは息せき切って到着し、頭の整理も出来ないままのスタート。よく憶えていない。
でも小名浜港から直送した新鮮な鯖はみんなに大受けであった。
11月2日(土)晴れ時々曇り 東京西早稲田《ジェリージェフ》
テツの家に泊まったおかげであの有名な巣鴨のとげ抜き地蔵通りを見ることが出来た。
ここは老人の原宿というだけあって朝早くから人通りが多い。
テツの提案で彼が担当している有線番組のゲストで午後から出演することになってしまった。
収録はFM TOKYO。久しぶりに千代田区に来た。相棒は鬼頭さん。彼も全国を唄ってまわっている。
2本取りなので良い時間つぶしになった。僕の唄もかけてくれて、まあ聞いている人はわずかだろうけど。
4時前に終わり、ジェリージェフに向かった。
ジェリージェフは早稲田大学の近所にあり、あのテキーラサーキットの本拠地らしい。
懐かしいロック喫茶という感じだ。早めに着いたらまだ開いて無く、小腹が空いたので近所のラーメン屋に入ったが安かった。
さすが学生の街だ。おなかがふくれると少し疲れが出てきた。ツアーも後一日がんばらなくては。
テツも後からやってきた。今日は彼に少し手伝ってもらうことにした。
今日のオープニングアクトはROIKIさん。全く知らなかったが素晴らしいカントリーブルースだった。
お客は少なかったがほんとにお得なライブだと来たお客はみんな言っていた。
ROIKIさんは高知出身で東京に住んでいる。彼も全国いろんなところをまわっているらしいが、大変みたいだ。
でも楽しいライブだった。ROIKIさんは高知出身なのでよく飲む。でも僕はこの日は飲むのを自重するしかなかった。
友人のT君の家に行くのに少し遠かったからだ。


roikiさんとてっちゃん
11月3日(日)晴れ 鎌倉市大船《パラダイス》
朝早くT君の家を出て第三京浜で鎌倉方面に向かった。
葉山あたりだろうか海に出たとたん、飛び込んできたのは江ノ島と雪をかぶった富士山の姿。
富士山はいつ見てもいい。海岸にはサーファーがもう波を切っていた。
稲村ヶ崎とか茅ヶ崎とかお洒落な名前ばかり。もう僕は完全にお上りさん状態。
ほんとこの辺には縁がない。僕の目当てはもちろん釣り。しかしなかなかポイントが見つからない。
葉山港などは人が一杯でやむなく海岸沿いに横須賀方面に移動していたら防波堤沿いに釣りをしている何人かの人が居た。
車も止めやすそうだったのでここで釣ることにした。後で聞いた話だがここはこの辺では絶好のポイントらしかった。
しかし風が強い。このツアー全般に風が強いか雨が降っていた。天気には逆らえない。
でもめげずに竿を出した。富士山や江ノ島を眺めながら釣り。いいじゃあ〜りませんか。
ウミタナゴやベラが釣れた後結構良い型のメバルが釣れた。20cmオーバーだ。浮き釣りをやっているのは僕一人だった。
みんな駆け寄ってきて「こりゃ良い型だ」なんて言ってくれた。さらに石鯛の子供サンバソウ。これも20cmオーバー。
結構釣れるのだがどんどん風が強くなるばかりで防波堤を波しぶきが越えるようになってとうとう納竿。
朝早く起きたのでコンビニの駐車場で昼寝でもと思って鎌倉方面に移動しようとしたが、またまた渋滞。
この辺ではこの渋滞は名物になっている。昔テレビで見たことがあった。
七里ヶ浜から江ノ島&富士山を望む。絵はがきみたいだ。
葉山での釣果。ウミタナゴ、ベラ、メバル、サンバソウ
由比ヶ浜沿いのコンビニで昼寝をした後、鎌倉見物でもと地図を見て鶴ヶ丘八幡宮に向かったのだが今度はもう車が動かないほどの渋滞。
もうあたりは暗くなってきていて仕方なしに大船へ向かうことにしたが、たかだか4、5km進むのに1時間以上もかかってしまう。
名物とはいえこの辺の住人は大変だろうなと思った。阿部さんが迎えに来てくれてやっとの事で店に着いた。
パラダイスは小さな店だがやる気と陽気さがいっぱいで疲れた僕に元気をくれた。
阿部さんはなんと秋田県南部の出身で僕がずっと東北をまわってきた話がよく通じた。
リハを済ませていよいよツアー最後のライブだ。
お客も楽しんでくれたみたいでまた来たくなる店になった。
サーファーのスタッフの人が「また旅をしたくなる気にさせてくれました」とCDを買ってくれたり、
今度はもっと集めますからとお客が言ってくれたのはうれしかった。
打ち上げは近所の居酒屋。牛タンがとてもうまい店で焼酎もマニアックなものが置いてある。
しかし僕の疲れはもうピークに達していた。阿部さんの家に着いたのはたぶん3時頃だった。
パラダイスの店内。解りにくいが中央が阿部さん。
あとがき
今回のツアーは全15日間でした。今までで最長のツアーでした。玉突きのように五十一は東北に広がっていっております。
遊佐町や鷹巣町は今回特に心に残りました。街にない人間の温かさや大きさを心にしっかりと受け止めています。
出発した日が遠い過去のような気がしております。今度は4月にまた東北に行く予定でおります。
みなさんまたどこかの町で会いましょう。それまでお元気で。