2003奥の細道ツアー日記秋編

10月18日(土)晴れ 名古屋市《Sunny Side》NEW
さあ、今回は全11箇所19日間の長いツアーの始まりに心はたかまる。
いい天気でドライブも楽しい。西名阪から東名阪で守山区まで。以外に早く着いた。
いつも名古屋でライブをするときに来てくれる山口さんの経営する楽器店が今回のライブ場所だ。
彼の五十一歳の誕生日を記念して僕を呼んでくれた。
『サニーサイド』は池と山に囲まれた閑静な住宅地の一角にあった。
福井さん(山口さんがやってるバンド、八竜リバティバンドのメンバー)宅の一階が(斜面なのでどこが一階だろう)
店になっていた。目の前には池と小さな森があり、芝生の庭と相まっていい感じのところだ。
国産の中古ギターがメインでその他にもマーチンやらギブソンも置いてあった。
手作りのライブという感じでみんなでセッティングして椅子を並べ準備は整った。
初めて僕を聞いてくれるお客がほとんどで、こちらも一発目という事もあり良いライブになった。
並べて置いたニューアルバムは完売。さい先がよい。
打ち上げは2階のリビングで。音楽の好きな人ばかりなので話が弾んだ。
大森八竜の夜のしじまに唄が響いていた。
Sunny Sideの入り口を指す看板。ここからスロープを下に行くと店があります。
店の入り口。ここで靴を脱いで入ります。
10月19日(日)晴れ 国立市《かけこみ亭》NEW
朝、福井さん宅でゆっくり朝ご飯をいただいて東京に向かった。
いつもは高速など利用しないのだが今回はさすがに使うことにした。
サニーサイドからはすぐに高速に乗れていったん東名に入り、行き先が国立なので中央道に入る。
まずまずの天気で富士山が綺麗だった。時間もあるようなので甲府で降りて20号線を走る。
これがいけなかった。相模湖に着く手前から大渋滞。結局また中央道に乗るはめになってしまった。
国立に着いたのは5時を少し回っていた。
中央道のパーキングから見た富士山。
『かけこみ亭』は谷保という駅前を少し東京よりに行ったところにあった。
谷保は「野暮なこと」の由来にもなった地名だそうだ。
ビルの奥まった地下を降りてゆくと壁一面にイラストが描いてあり、なんだか懐かしいアンダーグラウンドの臭いがした。
マスターの溝田さんは僕より二つ上だったと思うが僕より若若しかった。
初めての場所は緊張感がある。リハでは周りもどんな音を出すのか興味津々で聞いているし、
こちらもええ加減なリハは出来ない。でも音も思った以上に良くて安心した。
マスターの同居人『ふみさん』などはリハの一発目の音で気に入ってくれたみたいだ。
本番は理都や健太郎君も友達を連れて来てくれたし、そこそこ集まってくれて良いライブになった。
打ち上げでは「ぽけまるさん」(マスターのニックネーム)特製の野菜カレーで盛り上がった。
武蔵野の夜はからーいが暖かい味だった。
かけこみ亭の店内
マスターのぽけまるさん
ふみさん、彼女は和歌山出身
10月20日(月)晴れ 東京西早稲田《ジェリージェフ》
前の晩は溝田さん宅でお世話になった。
彼は朝から近くのお弁当やさんで働いている。ちょうど会えたのでお礼を言って
11時頃国立を出て都心に向かった。谷保は20号線の側なので解りやすい。
20号線で新宿に入り高層ビルを横目にお茶の水に向かった。
以前お茶の水に来たときに谷口楽器の左専門コーナーにナショナルのスティールギターが置いてあって
どうしてもそれをもう一度弾きたかった。
ところがあの楽器屋街を見つけられない。車なので止めるところもなく、うろうろして結局諦めてしまった。
後で聞いたら山手線を越えなければいけなかったみたいだ。
ジュリージェフに着くと玉井君(元優歌団のマネージャー)が表で待っていた。
「懐かしいなあ、なんでこんなところにいるの」と訊ねると須藤もんさんという
彼が力を入れているシンガーの打ち合わせで来たみたいだった。
ええときに来てくれたとばかり彼に機材の搬入を手伝ってもらいしばらく話をした。
玉井君とは遠い昔からの知り合いだった。
時間が無いというので彼は僕のリハだけ聞いて帰っていった。
今回は前回に引き続き岡君がオープニングアクトをやってくれた。
ヤマハの岡田君や北海道の前坂さんなども東京出張のついでに来てくれた。
お客の中にどこかで見たことがある顔だなと思っていたら、『からまつ楽団』の竹下君だった。
彼の奥さん、『わたりべふみ』さんも昔大阪でよく一緒に飲んだ仲だった。
「今度東京でやるときには力になるよ」と言ってくれた。
なにかこの日は懐かしい顔のオンパレードで話はつきなかった。
早稲田の街に青春が甦る夜だった。

10月21日(火)晴れ
前の晩は『浪速のテツ』こと藤縄君の家におじゃましたのだが、彼はサラリーマンなので朝が早い。
一緒に家を出て巣鴨商店街の『ときわ食堂』で朝飯。いつもここで食べるのが楽しみだ。
サービス定食450円。東京では信じられない値段だ。
てっちゃんに別れを告げて一路東北路へ。
白山通りから6号線にはいるともう一直線だ。
今日は小名浜まで移動。
10月22日(水)雨のち曇り
ずっと街と山の中ばかりだったのでやっとこの日から釣りが出来る。
朝飯をいつもの『あさひ屋食堂』でめいっぱい食べてさあ釣りだ。
7号埠頭で竿を出すがいまいち釣果は良くなかった。
釣果が良くないので夜釣りをしていたら話しかけてきた男の人がいたので話をしていると
釣り人ではなく漁船に乗っている人だった。それも巻き網漁船のコックさんだった。
話をしているうちに「サバ食べます」というので「はあ、大好きです」というと
「それじゃ、持ってきます」と船に帰り段ボールの中にいっぱいのサバの干物を持ってきてくれた。
「こんなに食べれません」といっても「まあ、持っていきな」と渡してくれた。
でかいそれも国産のサバの干物。最近ではスーパーで売っているほとんどのサバがノルウエー産なので
貴重な国産サバの干物だった。
しかし大阪までは保たないだろう。各地のお土産にしようと思った。
10月23日(木)雨
この日も7号埠頭で釣り。隣の人がサヨリを釣っていたのでそれに切り替えると結構釣れた。
午後から小名浜を出て『道の駅ならは』で温泉にはいる。
釣ったサヨリをここで干物にした。仙台のお土産だ。
この日はさらに移動して『道の駅相馬』で泊。
10月24日(金)晴れ 仙台市《Satin Doll》
朝、大阪ナンバーのバイクが泊まっていたので話をする。
3ヶ月も旅をしている若者だった。北海道から降りてきたらしい。
300円で入れる相馬の温泉の話をすると残念がっていた。
相馬港でも竿を出したが小さなメバルばかりでみんな海に帰して仙台に向かう。
6号線から4号線に入り、またもや有名な『はんだ屋』で昼食。
はんだ屋は食堂ではたぶん全国屈指の安さだろう。

ゆっくり時間つぶしをしながら仙台に入る。
『サテンドール』でやるのはこれで2回目になる。
もともとジャズのライブハウスだっただけに席も落ち着いたソファで大人のライブハウスというイメージだ。
マスターの岡崎さんは僕と同年代で音楽の指向もよく似ている。
今回は前回お客で来てくれた人達がオープニングアクトをやってくれる予定だったが
メンバーの都合がつかず結局僕一人になった。
このライブハウスの音はほんとにいい。アコースティック音楽をよく解ってくれている。
お客の入りはいまいちだったがいい音で出来るので気持ちよかった。
僕が終わるとそのやる予定だったメンバーのバンドでセッション大会。
お土産のサヨリの干物はみんな「うまい、うまい」とあっというまに売り切れた。
マスターの岡崎さんまでギターを弾き出し、最後は僕も参加して楽しい夜になった。セッションなんて何年ぶりだろう。
終わった後、お客の一人がめちゃめちゃ僕の音楽を気に入ってくれたらしく、
次回は必ず満席にしてみせますというありがたい言葉をいただいた。
次回が楽しみだ。
10月25日(土)曇り 仙台市《ハムジョイント》
前の晩はT.Y.君の家におじゃましたのだが、僕が今回サテンドールでやるのを電話で知らせたとき
「五十一さん、まかせてください」なんて返事をもらっていたので期待していたら
彼が呼んでくれたお客は一人もこず、さらに本人まで来なかった。
電話もなくやっと終わってから連絡が付き、説教のひとつもしてやりたくなり彼の家に泊まることにした。
まあ、彼をあてにした僕もバカだったが「プロをなめるな」と久しぶりに怒ってしまった。

仙台港で時間を潰してからハムジョイントにはいる。
もう何度もやっている店なので気心も知れている。
お馴染みのメンバーも来てくれてリラックスしたライブになった。
打ち上げは小名浜でもらったサバの干物。
「これ五十一さんが釣ったのですか」と聞くもんだから「あっ、ああそうですよ」とそういう事にしてしまった。
あんな大きなサバは埠頭からは絶対に釣れないのだけれど。
10月26日(日)晴れ 大曲市《時代屋》NEW
48号線(作並街道)を走るとちょうど紅葉のまっただ中で素晴らしい景色だった。
この東北の紅葉は関西では見ることの出来ない感動的なものだ。
この紅葉を見るために10月に東北ツアーをセッティングしているくらいなのだ。
13号線に入り、北に向かう。天童から新庄を越え、秋田県にはいる。
途中の道際の紅葉も素晴らしかった。道の駅できりたんぽ鍋を食べる。けっこううまかった。
道の駅で地図を見ていると名水の湧き出る場所が何カ所か有り、
その中の一つ、湯沢(この地名は各地にある)の『力水』(日本名水100選の一つ)を汲んで帰ることにした。
力水は湯沢のひなびた商店街を抜けるとすぐにあった。
何人かの人が並んでいてみんなおもいっきり汲んでいた。ちょろちょろとしか水が出ていないので
僕の順番が来るまで時間がかかった。
この水がいつも大阪へのお土産になる。大阪の水はまずくて飲めるものではない。
だから珈琲やらお茶を各地で汲んできた水でまかなう。いろいろと特徴があっておもしろい。
今回も20Pのタンクに目一杯入れた。
湯沢の名水、力水

やがて4時半頃大曲の駅前に着いた。大曲市は秋田県の南部の山間部にあるひなびた街だった。
『時代屋』は大曲のすぐ駅前にあった。店主の佐藤さんが迎えてくれた。
喫茶店のような居酒屋だった。ゆったりとした椅子の店内はそこそこ広かった。
この店をチョイスしてくれたのは僕の唄を聴いて歌い出したという『菅さん』と
去年やった鷹巣町『レストランむぎの唄の小笠原さん』だった。
やがてその菅さんも来て、再会を喜んだ。
この店で菅さんは初めて歌い出したという。今まではアマチュアばかりがやっている店だった。
今回プロとしてはじめて僕がやることになった。ありがたいことだ。
しかしPAのほうは若干不安が残った。でも贅沢は言えない。
まず地元の方が一人唄い、僕がやって、間に菅さんがやり、最後にまた僕がやるというプログラムになっていた。
お客のほうは、菅さんが精一杯努力してくれたおかげでそこそこ入ってくれた。
ほとんどの方が秋田市から来てくれた。秋田市から大曲市までは1時間もかかるのに。
女性客が多いのもよかった。菅さんの唄を初めて聞いたが年がきっちり感じられて説得力があった。
僕は彼がこんなにうまいとは思っていなかった。本人は僕の前でめちゃくちゃ緊張したらしいのだが
歌心をちゃんと解っている唄だった。
僕の最後のステージが終わると女性客はハンカチを手にしている人が多く、ちゃんと伝わったんだなと実感した。
アンコールでウイスキーのリクエスト。もちろんやった。
またまたお土産の例のサバが打ち上げに出てきて女性陣が「これ五十一さんが釣ったのですか」
と喜んでくれるのを見ていると本当のことは言えなかった。
CDも沢山売れて大曲の夜はいい気分で更けてゆくのであった。
この方が僕の唄を聞いて唄いだした菅さん
時代屋のマスター佐藤さん
お客さんも含めて記念撮影。
10月27日(月)晴れ後曇り
三連ちゃんのライブの後は一休み。
秋田市へ向かう途中銀行に寄ったのだがアイフルのCMに出てくるようなかわいい窓口の女性が
思いっきりの秋田なまりで僕にしゃべってくれたのはおかしかったけれど秋田に来たんだなと実感させてくれた。
秋田港で竿を出す。昨日ライブに来てくれた女性の一人から電話で連絡があり、秋田港までお土産を持ってきてくれるという。
列子さんといった彼女は本当に来てくれて、秋田の新米に稲庭うどん、地酒にナシまで持ってきてくれた。
ほんとにありがとう。おかげで車はおみやげでいっぱいになりつつあった。
秋田港ではたいしたものも釣れず、男鹿半島に向かうことにした。
夕日シリーズ、秋田港の夕日
10月28日(火)曇り 能代市《Bar バラード》NEW
道の駅昭和で一泊し、男鹿半島の入り口の漁港で竿を出したが強風で釣りにならなかった。
こんな時は昼寝に限る。毎日ツアーに出ると4時間半くらいしか眠れない。
どこかで睡眠を取り戻さないと疲れが貯まる。
八郎潟の干拓地を走るとまっすぐに道が延々と走っていてなんだか北海道に来たような気分だった。
スーパーの駐車場で昼寝をする。しかし時間が限られているとやはり眠れない。

能代市は八郎潟の真上に位置している。もう少し走れば青森だ。この時点で大阪を出てから走行距離は1600kmに達していた。
ずいぶん遠くへきたもんだとひしひし思う。
能代の街はジャスコもありそこそこの大きさの街だった。
『バー・バラード』は綺麗なビルの2階にあった。マスターの信田さんは僕よりかなり上だった。
東京の人らしく、言葉は東京弁だった。奥さんが地元の人だという。
信田さんは東京でいるときは『ケーシー高峯』のマネージャーみたいなことをやっていたらしい。
だからいわゆる芸能界っぽい臭いがする人だった。
店はラウンジみたいな作りで30人くらい入れそうだった。
やはりここでもプロのライブをするのは初めてみたいで、思いっきり気を遣ってくれた。
お客もそこそこ入ってくれたのだが、かなり年輩の方が多かった。
麦のうたの小笠原さんや平さんも駆けつけてくれた。この店をチョイスしてくれたのは小笠原さんなのだ。
奈良さんという秋田では有名なシンガーソングライターの方も来てくれて、
話をするとシバさんや高田渡さんとも親しい人だった。
ライブの方はそのおばさん達に合わせようとして大失敗。やはり自分なりのやり方にすべきだったと反省。
お客の中にはブルースが好きな人もいたのに。
まあ、とにかくしっくりこないまま能代の夜は更けてゆくのであった。
バラードのマスター信田さん
左手前が奈良さん、薄い水色のシャツのかたが小笠原さん
10月29日(水)雨
旅館で朝風呂に入り、雨だったので能代港で釣りをするのは諦め、南に向かった。
大東北ツアーもここでUターンだ。
7号線をひた走り、酒田に着く。火力発電所の向かいで竿を出したが強風と雨で釣りにならない。
ちょうど鶴岡の大松庵の漆山さんから電話が入り、家へ来ないかと誘ってくれたので渡りに船と鶴岡に向かった。
漆山家に着くとほっとする。冷えた体に床暖房が心地よかった。
ここでもお土産に例のサバを渡す。さすがに僕が釣ったのとは言えなかった。
この日はゴスペルの練習日。夜いっしょに国際会館にある練習場に行った。
お馴染みの人達の他に数人知らない人がいた。
みんなこの日曜日にある『小坂忠さん』のコンサートで一緒に唄うらしい。
僕も忠さんの代わりに参加した。最後にギターを持ってきていたので2曲ほど唄った。
10月30日(木)曇り
この日は釣り日と決めていたので漆山家の人々に晩飯はまかせなさいと大見得をはって酒田港に向かった。
強風ではあったが釣り人もそこそこいた。
アジの大きいのを最初狙って沖を流していたが、みんな釣っているのは鰯だった。
イワシは今や高級魚になりつつある。やはりおかずを釣るのがメインなのでイワシ釣りに切り替えたとたん
入れ食いモード。25cmくらいもある大イワシも混じり、結果大漁だった。
すぐに漆山家に電話で大漁を知らせる。
その日の夕食はイワシずくし。お造りに天ぷらに煮付け。子供達も大喜びだった。
10月31日(金)晴れ 鶴岡市《Bar ChiC》NEW
午前中、漆山さんに連れられて近くにある加茂港に行く。今日は大松庵は休みだ。
こぢんまりした港だったがこの日は久しぶりに快晴で風もなく気持ちよかった。
みんなサヨリを釣っている。小型だったが入れ食いで2時間ほどで結構な釣果になった。
側で釣っていたおじさんが「おめえが一番うめえな」と言ってくれたのはうれしかった。
漆山家に帰り、お昼を有名なラーメン屋に行く。
テレビに良く出ている東京のラーメン屋の大将の弟子らしく、うまかった。

『Bar ChiC』は鶴岡のメインストリートの一角にあり、
4月に来たときに漆山さんに打ち上げで連れてきてもらったことがある。
今回、漆山さんを通じて頼んでもらうと二つ返事でOKをもらった。
広い細長いバーでかなり流行っているみたいだった。シックという名前通りシンプルでお洒落なバーだ。
マスターの鈴木さんは40前後といったところか。
PAの方もちゃんとプロの方に頼んでくれて音も申し分無かった。
お客の方も満員になり、若い方も多かった。40人以上は入っていただろう。
こちらも気合いが入る。目の前でいつもの斉藤君が騒いでいたのにはちょっとイエローカードだったが。
ライブはいい緊張感で良いライブができた。
終わった後、CDもよく売れた。このツアーで45枚のニューアルバムと合わせて100枚のCDを持ってきていたのだが
このライブでニューアルバムの方はほとんど完売。他のCDもよく売れた。
一度に4枚のCDを買ってくれた美しい若い女性などもいて思わず電話番号を聞きたくなるほどだった。
打ち上げでは『月山炎の祭り』の仕掛け人でもある亀井さんも駆けつけてくれた。
マスターの鈴木さんも喜んでくれて「また来年やりましょう」と言ってくれ
寒い鶴岡の夜はホットに過ぎてゆくのであった。
シックでのライブの様子(撮影、坂口功さん)
暗くて何にも解らないね。
シックのマスター鈴木さんと。
出ました、鶴岡名物斉藤君(右)と大松庵の漆山さん
11月1日(土)晴れ 酒田市《アングラーズ・カフェ》NEW
三日間もお世話になった漆山家&大松庵で10割蕎麦をいただき名残惜しいが昼過ぎに鶴岡を後にした。
少し時間があったのでまた酒田港で釣り。今日はサヨリ釣り。
少し釣ったところで『アングラーズカフェ』に向かった。
アングラーズカフェはダイエーの真向かいにあり、直ぐに解った。
店の名前の通りマスターの今井さんはフライフィッシャーでかなりの腕前のようだ。
横浜生まれの今井さんは釣り好きがこうじてとうとう酒田の側の遊佐まで引っ越してきた筋金入りのフィッシュマンだった。
店に着くと懐かしい遊佐の今野さんが出迎えてくれて再会を喜び合った。
機材をセッティングしてリハ。狭い店なのでたいしたPAはいらない。
長島君も来てくれてリラックスしたライブになった。
酒田はノリがいい。関西と同じようになってしまう。これには古い歴史があるようだ。
打ち上げはマスターの釣ったニジマスの薫製やらが出て、ちょっと今までとは違う食材の打ち上げになった。
ニジマスの薫製はうまかったなあ。
アングラーズカフェのマスター今井さん
打ち上げ風景。左が今野さん
11月2日(日)晴れ 新発田市《ナイツ・ブリッジ》
前夜は今野さんのお宅にお世話になり、奥さんとも会うことが出来た。
朝風呂に入れてもらい、今井さんのところに行くことにしたがその前に去年も行った『胴腹の滝』に水を汲みにいった。
力水をタンクにいっぱい積んでいたので今回は2.5Pのペットボトル2本だけにした。
今井さん宅はログハウス風のお洒落な家で胴腹の滝の直ぐ側の山の中にあった。
元はインテリアデザイナーだからお洒落なのはあたりまえか。
珈琲をごちそうになり話をしたが僕の音楽を気に入ってくれて今度はもっとでかいところでやろうという。
まあぼちぼちお客が増えてくれればいいと思っている僕にとってありがたい話ではあったが。
ところで遊佐は都会から来た人にとっては素晴らしい場所で、地元の人達よりもいいところが見えるのかも知れない。
僕も遊佐は大好きな場所の一つだ。終の棲家の候補地にあげたい場所なのだ。今井さんの生活を見てうらやましいと思った。
帰りに今野さんは柿を一ケースお土産にくれてこれで僕の車はいっぱいになってしまった。
途中あの有名な『青山家別館』というところに寄った。今野さんの奥さんはここで受付をしている。
青山家は小樽のニシン漁で一財産を築き、小樽には青山家本邸が観光名所の一つになっている。
東京の青山通りはこの青山家から付いた名前らしい。すごい豪商だったんだなあ。
ダイエーの駐車場で今野さんに別れを告げて新発田に向かった。
途中、大松庵に寄り、昨日釣ったサヨリを渡して鶴岡を後にした。この町も好きな町のひとつだ。
ああ後ろ髪が惹かれる。
今野さんの自宅近所で見事に見えた鳥海山
胴腹の滝。山の中腹から滝のように湧き出ている。
今井さん宅で奥さん、子供達を交えて

7号線を南に下る。あの鼠ヶ関で一服。新発田に着く頃には日は沈んでいた。この日の夕焼けはとても美しかった。
『ナイツブリッジ』ももうお馴染みの場所である。和歌山出身の楠見君ともすっかり親しくなった。
お客の方も熱烈なファンになってくれた人がそこそこいて楽しい。
店の作りもライブが出来るようにステージが一段低くなっているのも面白い。
この日はお客が少なかったが、お馴染みの安藤家のみなさんや知っている顔ばかり。
しかし、ツアーも終盤で3連ちゃん目。かなり疲れていたことは否めない。
歯科技工士の岩村さんが家に泊まりなと誘ってくれたがこの日は疲れもピークに来ていてありがたいけどお断りした。
とてもこれ以上はみなさんにつきあえなかった。
右からマブちゃん、アン君、桃子さん
11月3日(月)曇り後雨
ナイツブリッジの駐車場でゆっくり寝ることが出来ておかげで疲れは少し取れた。
きのう安藤家のアン君に聞いた新潟東港に釣りに行くことにした。
ここでもサヨリが釣れていた。型は酒田港より大振りだった。
やはり南に行くほどこの時期のサヨリは大きくなっているみたいだ。
釣っているとアン君、マブちゃん夫婦が来てくれた。
丁度雨が降り出してどうしようかと思ってアン君に「安藤家におじゃまさせてくれない」と頼むと彼らは大歓迎だという。
それじゃあということになり、いきなり安藤家におじゃますることになった。
安藤家は新発田市の町中にあった。古い家で親子3代が暮らしている。
アン君のお母さんも僕の大ファンであった。サヨリをお土産に渡し、お母さんはそれを天ぷらにしてくれた。
わざわざ焼酎も買ってきてくれてちょっと心苦しかった。
でもサヨリの天ぷらはみんなうまいうまいと大好評であった。
おじいちゃんおばあちゃんも「うめえなっし」といっぱい食べてくれた。
おじいちゃんとも話がいっぱい出来て良かった。普段は無口なのだそうだ。
最近では少なくなった親子3代家族。父も母もいない僕にとって安藤家の夜は心洗われる一夜だった。
11月4日(火)晴れ 新潟市《WOODY》
朝ごはんもごちそうになり、出かけ際におばあちゃんが「おおきになし」とお母さんと見送ってくれた。
まぶちゃんは風邪で僕にうつしては悪いからと遠慮していた。
仕事に行くアン君に先導してもらってバイパスで別れた。
また東港でサヨリを釣りながら時間つぶし。この日は今までで一番サヨリが釣れた。

『WOODY』もすっかりお馴染みの場所である。
白山神社の参道であった古町にひっそりとある。
今回は先代のウッディの経営者であった『かんぺいさん』とフォークシンガーの『そうだみつおさん』
がオープニングをやってくれた。どちらも個性的な人で楽しませてもらった。
前回やったときに来てくれたお客さんもいて最後の力を振り絞ってやった。
この日は一滴も飲まず、新潟市を後にして出来る限り走った。
1時頃、柏崎の辺だったろうかトイレのあるパーキングで眠ることにした。
ところが朝の4時頃ドアをノックする音で目が覚めた。
見るとお巡りさん。「最近、車上荒らしが多いのでちょっと免許証見せてもらえますか」だと。
たしかにこんなところになにわナンバーの車が止まっていれば怪しいだろう。
「仕事は何ですか」「ミュージシャンです」「どこで仕事をしてきたのですか」
「新潟市の古町にあるライブハウスです。」というと、隣にいた若目の警官が「確かに古町にはライブハウスがあるよ」と
そのおかげで少しは中年の警官も納得したみたいだったがこちらはたまらない。
疲れ切って寝ていたのに起こされて腹の虫が治まらない。寝ようとしたがすっかり目が覚めてしまった。
人の迷惑かえりみず、こんな時間に起こされて後で思えばその警官に
「お宅は何署の名前は何というのですか」くらいきいとけば良かったと思った。
苦情の電話でもしたくなる気持ちだった。
仕方なしに早朝走ることにした。8号線をひたすら。居眠り運転で事故したら誰が責任とってくれるんや。

あとがき
今回のツアーは今までで一番多い全11箇所。東北でやれる場所が少しずつ広がりありがたい限りです。
20日間近く旅をしているとその土地土地の人情にも深く触れることが出来て愛着も湧き、離れがたい気持ちになります。
特に今回はそんな気持ちが多かった。名古屋を出たのが10月の18日で大阪に帰り着いたのが11月5日。
名古屋や東京でのライブが遠い昔のように感じてしまいます。それだけ日々の印象が強かったのでしょう。
お土産もいっぱいいただき、CDも過去最高の売り上げを記録し、感謝でいっぱいです。
この日記をご覧になった方で「うちの町にも来てくれないか」と思った人は下記の方までメールください。
どこでも行きます。次回の東北ツアーは来年の4月の予定。
またみなさん元気で会いましょう。