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USJに行ってきました
A:立地がええよな。大阪駅から半時間もかからん。
H:駅からゲートまで軒並み飲食店なんかが埋め尽くしてるのも大阪らしい。
商魂逞しいね。
A:あたりまえや。大阪人がテーマパークのボッタクリ価格におとなしぃし
とるわけないやろ。
H:JRのみどりの窓口で入場券を買うと引き換えなしで入場できるってこ
とだったが、こっちの
窓口も空いてるじゃないか。
A:平日やし。まだ夏休みとちゃうから。ほら、火村、はよ行こ!
ヒロりんが取材を生かせというからさ。(笑)
続くかどうかわからないけど二人のUSJツアーをやってみる。(爆)
E.Tは絶対見たい!
A:あ、もう並んどる。火村、早う!
H:このくそ暑いのになんだって炎天下で並ばなきゃならねぇんだよ。
A:TDLに比べたら短いもんや。この待ち時間に耐えられるかどうかで
カップルの仲がわかるんやで。
H:だけどな、周りは女子大生みたいなのばかりで俺達ゃかなり目立つぞ!
新作…になるのかなあ。まとまりそうだったら書き直すってことで(笑)
青くない火村の休日1
朝起きて突然「USJに行こう!」とアリスが言った。
なんでも夢の中でお告げがあったとか。
普段自堕落な生活をしているくせに、こんな時だけ行動が迅速なのは
どういうことだ?くそっ。昨夜もうちょっと頑張っておけばよかったぜ。
夏休み前の平日ということもあって、思ったより人は少なかったが、
それでも人気のスポットには列ができている。アリスは嬉々として
その最後尾についた。
「お一人でお乗りになるお客様はいらっしゃいませんかぁ?
待ち時間が大幅に短縮されまぁす」声音も口調もマニュアル通り、
張り付いた笑顔まで作り物めいたスタッフの言葉に「はいは〜い」と
アリスが答える。おまえ、それはないだろう。俺が好き好んでこんな
所にいるとでも思ってるのか。
「火村、はよう。他にもいっぱい見たいとこあるんやから」
「俺は外で待つ!」
しかし次から次へと増えていく人の波に逆らう術もなく、一人乗り用の列に
つかざるを得なかった。
この野郎、今夜はイヤって程いたぶってやるからな!
「ほなお先に〜」
一列三人乗りのシートの空いたところに一人ずつ詰め込まれていくわけだが、
丁度アリスのところで一台分が満杯になった。俺はアリスと別れて次のカート
だ。全く馬鹿にしている。アリスが隣にいれば、なんのかんのとイタズラして
気晴らしもできるが、何が悲しくて幼稚園児のようなマネをしなきゃならない
んだ?情けなくて涙も出ようってもんだぜ。仏頂面で次のカートに乗り込もう
とした時だ。
「あっ、あっ、火村先生???」
ギョッとしたね実際。そこには見覚えのある女学生二人が…。
「いやぁ〜、ものすごいラッキー!」
「センセ、真中に座ってくださいよぉ」
「明日皆に自慢できるわぁ。こーんなに大接近や〜っっ!」
「センセ、センセ。ほら。ETの挨拶!」
−−−アリス。おまえの明日はないと思え!
つづく…かもしれない。(笑)
青くない火村の休日・2
アトラクションが終わってカートを降りた俺は、当然ながら非常に不機嫌
だった。女子大生がベタベタと纏わりつくのも煩かった。おまけに昇降口で
待っているだろうと思われたアリスの姿も見えない。ますます不機嫌になって
いく。
人の流れにそって出口まで進んで行く途中に、土産物屋がデンと客を
待ち構えていて、案の定アリスの奴はその中でにこにことキャラクター
グッズを検分していた。
「火村、君ちゃんと名前呼んでもろたか?」
嬉しそうに振り向くアリスの顔は、だが途中で微妙に引きつった。
「ET可愛かったですよね〜」
「うちらもちゃんと呼んでもらいましたよ」
「けどセンセ、申告しはらへんのやもん」
「聞きたかったよね〜、ヒデオってETに呼ばれるのん」
女三人寄ればかしましいというが、女子大生なんてものは二人そろえば
充分に喧しい。これが大学なら一括して蹴散らしているところだ。
「あ、あの…君らは?」
「あー、火村先生親衛隊会員のマキコで〜す!」
「同じくファンクラブ会員のナミエで〜す!」
「…有栖川です」
アリスがちらっと俺を見た。俺は少々肩をすくめただけ。
「有栖川さん、推理作家の有栖川さんですよね。お噂はかねがね」
「こんなところで会えるなんて思いませんでしたけど、せっかくやから
先生と四人で回りませんか?」
何を寝ぼけたことをぬかしやがる!
「俺は君らのお守りをするつもりはないぞ」
「いや〜ん。センセ、そんなこと言わんとぉ」
「ねねね、有栖川さん、女の子いた方が楽しいですよね?」
「え…そうやねぇ」
てめぇ、アリス!
「だったら三人で行ってくるんだな。俺はそこいらで休んでる」
「えーっっ。それやったらうちらも!センセと一緒に行くぅぅ」
「そやそや。ここへはいつでも来れるけど、センセと一緒の機会は滅多にない
もん」
バカどもが!おまえらと離れたいんだよ、俺は!
「ごめん。悪いけど、ここへは取材に来てるんや。火村は俺のアドバイザー
やねん。今日はそっとしといてくれへんかな」
アリスの静かな微笑みに勝てる奴などそうはいない。
俺達は無事、二匹のエイリアンの元から脱出した。
そして、どうやらアリスが嫉妬しているらしいと知って、
俺の機嫌は少しばかりよくなった。
うちらを舐めたらあかんで
『もしもし?あたしや。マキコ。今何しとるん?暇やったらUSJまで
けぇへん?なんでって火村センセが来とるんよ!それも有栖川さんと!せや。
あの二人のツーショット、ばっちり目撃したで。あれは完璧デートやわ。
うちら一緒さしてて言うたらセンセに凄い目で睨まれたし。うん。せやから
動けるモン全員召集かけておいでよ。望遠レンズつきのカメラ持ってきて。
大丈夫や。あの調子やったら閉園までおるから。うんうん。ほな待っとるで』
携帯を切ったマキコとナミエは会心の笑みを浮かべた。
そのとおりや
「そんで、先生たち何処におるん? あんたが早うて急かすから、化粧も
ろくにでけへんかったわ。−−あ? 急かした覚えはない? 火村センセが
おるて言うたら、充分急かしとるやんか。 は? そんだけ厚化粧してよう
言うわ? あんたな、そんなこというて後悔しても知らんで。この、箸より
重いものもったことがないか弱い腕で、ス●ミナハン●ィカム持ってきたった
のにさ」
青くない火村の休日・3
「君がモテるの、忘れとったわ」
ETのアトラクションを出て、今度はターミネーターの列に並んでいた時、
突然アリスが呟いた。
「ここはTDLなんかと違うて京都に近いってことも」
「あ?」
「英都の女学生がわんさかおっても不思議やないもんな」
「なんだよ嫉妬か?」
「うん」
からかってやるつもりだったのに、アリスは俺の眼を真っ直ぐに見てそう
答えた。アリス。可愛い奴!
抱きしめてやろうとしたところで列が動き出した。ちっ。まあいい。
中に入ってしまえばどうせ暗闇だ。
人目を気にせずやりたい放題・し放題ってもんだぜ。
「あー、おもしろかったなぁ」
アリスの奴は機嫌を直したようだが、俺はちょっと欲求不満だ。
確かに、アトラクションそのものはおもしろかった。さすがは金をかけまくり
のアメリカ資本、楽しませ方ってものを心得ている。やたらテンションの高い
ガイドも、実はアトラクションの一部で、エントランス以前から客を異世界に
引き込んでいたのだから芸が細かい。
「あのガイドさん、頭のてっぺんから声だすのと、早口な標準語ってのが
ちょっと気にいらんけど。ここは大阪やねんから、あのノリでは皆、ちょぃ、
ついていけんわなぁ。もっと関西風なシャベリやったらあれ以上にノれるのに。
リサーチ足りんわ」
…そんなことはどうでもいい。
俺がここぞとアリスにタッチしようとしたその時、いきなり座席がガクンと
なって思いっきり頭打っちまった!おまけに志半ばで挫折しなきゃならな
かった俺の煩悩の後始末をどうしてくれよう。
「火村、ちょっとトイレ」
「!」
そうか。その手があったな。ふ、ふふふふふ。
コードネームは@
『もしもし、こちら猫の鈴。二人はまだトイレから出てきません。どうぞ』
『こちらキャメル。現場周辺に人員を派遣して出てきたところをフォーカス
しちゃおう!』
青くない火村の休日・4
ボートから降り立った俺は頭の先からつま先まで、まさに水浸しだった。
何がどうなったかって?
すっきり煩悩を解消させてもらった後、ジュラシックパークへ行った。
運良くだか悪くだか知らないが、ボートの一番前に乗り込んだ俺とアリスは
アトラクション最後の急流すべりに突っ込んだわけだ。
「かなり濡れます」という注意事項の通り、想像以上の水が跳ね返ってきた。
それだけならまだいい。
「おい」
「ん?」
「なんでおまえだけカッパ着てるんだよ?」
いつのまにか隣にいたアリスは頭からすっぽりとビニール袋のような
カッパを着ているではないか。
「ああ、前に来た人から譲ってもろたんや。君の分もあったんやけど渡すの
忘れとったわ」
…忘れるか?普通
「どうせコレ着てても濡れたんや。風圧でフードなんか何の役にもたたなんだ
」
確かにアリスの髪も濡れている。だがそんなものは俺の比ではない。
「そういう問題かよ!」
くってかかる俺をアリスは冷ややかな目で見返した。
「ちょっとは頭冷やしてもらわんとな」
やっぱり。確信犯じゃねえか!
コードネームはA
『もしもし、こちらベンツ。今、先生と有栖川さんがジュラシックパークから
出てきました。二人とも、特に先生がズブ濡れです。水も滴る好い男状態です。
濡れ髪の有栖川さんも、なんや凶悪的に色っぽいです』
『こちらカルカン。濡れたままでいるとは思えません。2人がどこへ向かうか
追跡せよ!』
青くない火村の休日・5
アリスが着ていたカッパをたたみはじめる。
「どうするんだ、それ」
「持って帰るに決まっとる。次に来る人に回すんや」
…さすが大阪人だぜ。
「あ、その前にジョーズでも使うかも」
まだあるのかよ、水遊びが…。まあ暑いからいいけどな。こんなの真冬に
やったら風邪ひいちまうんじゃないか?
「さ、行こ行こ!」
次のアトラクションに心を奪われて機嫌を直したらしい。いつもながら単純な
奴。 しかし、やられっぱなしで黙っている俺ではない。
「うわっ、何するんや!」
「おまえのせいで濡れ鼠だ。おまえに乾かしてもらうんだよ」
「はっはなせっ!アホっっっ!」
「いやだね。ほれほれ」
後ろから抱き付いて濡れた身体をこすりつけてやる。
「やややや、やめろや〜、人が見る〜っっっ!」
ふふん。そんなもの気にする俺だと思うのか。
「ぎゃあぁぁぁ〜」
「大声出すとよけいに目立つぜ」
「…・…」
「アメリカ式の挨拶だと思えばいいんだよ」
「ここは日本じゃ!」
USJ…思ったより面白い所かもしれない。
アリスと一緒だった時のみ限定だが…。
青くない火村の休日・6
ジョーズもそうだがウォーター・ワールドもそう。水攻めがここの趣味らしい。
そうかと思えばバックドラフトなんてのもあって、こっちは本物の炎がウリ
らしく、やたら熱い!出てきた時は汗まみれだった。
水攻め・火攻めって、なんだかよけいなことを考えさせる趣向だな。
アリスは単純に喜んでいるけれど。
「スヌーピーも見る」と言い出した時には殴ってやろうかと思った。
「おまえ幾つだ?」
「君とおんなじ」
「だったら羞恥心ってもの、あるはずだよな」
さすがのアリスもこの俺がスヌーピーに囲まれた図には耐えられなかったのか
、おとなしく引き下がった。といってもあきらめたわけではない。一人で
行ったのだ。俺はその間、欠乏していたニコチンをカフェで補充する。
俺達が二手に分かれたことでヘタクソな探偵もどきはやや慌てたようだが、
知ったことじゃない。 あとでちょいと脅してベストショットを巻き上げて
やろうか。
それにしても、このくそ暑いのにご苦労なことだ。
あーあ。早く戻って(アリスと)ちゃんとしたシャワーが浴びたいぜ。
青くない火村の休日・7
俺が一服くゆらせているところに、探偵もどきの暇人の一人が血相変えて
駆け寄ってきた。
「センセ、有栖川さん、スヌーピーのところで女子高生ファンに揉みくちゃに
されてますよ」
貴重な情報を頂いた。…って、ポスペじゃねえんだから。
おお。俺の脳みそも暑さでやられちまったようだ。
(今までポスペのおやつ仕入れてたの・笑)
無言で席を立つ俺に、擦り寄った情報屋は手に何かを握らせようとする。
逆だろう、普通。いや普通じゃないからいいのか。
「夏のイベントには間に合わんけど、取材料ってことで」
はあ?なんのこった?
「叔父がこのホテルのマネージャーなんです。スペシャル・スィートって
わけにはいきませんけど、デラックス・ツインの無料宿泊券です」
手の中の物を確かめてみると、誰もが知ってる高級ホテルの名前が書いてある。
情報屋はにやりと意味深い笑いを残し、去っていった。
なんなんだ?この暑さは能天気な奴らの細胞まで破壊したのか?
だが。俺はさっそく携帯でフロントを呼び出した。
おっと、ぐずぐずしてはいられない。
アリスを救出に行かねば。
青くない火村の休日・8
「いや〜、ほんまに助かったわ。君が来てくれなんだらあの子らから逃げら
れんかったとこや」
ガングロ(今時どうかと思うが)のケバイ女子高生に集られて、心底辟易した
アリスは俺の腕にしがみつく。
「白馬の王子に見えたか?」
「ちょっとフケてるけどな」
「お姫さんも同い年なんだからこんなもんだろ」
その後も隅から隅まで、どこにそんな体力があったんだと思いたくなるほど
精力的に付き合わされたが、その間ずっと俺の側から離れようとしなかった。
よほど怖かったのだろう。まあ、わかるけどな。一般常識が通じるオトナの
女ならまだしも、時折何語を喋っているのかさえわからないガキでは疲れる
のも当然だぜ。
アリスがいつも側にいるので、ふと人が途切れる町並みなどで適当に悪さを
しながらブラブラするのもオツなものだ。それに今夜は…
崩れかかる相好を抑えつつ、さりげにアリスに切り出す。
「帰るのも面倒だから、泊まっていこうぜ」
「おかしなホテルは嫌やぞ」
「ふふん。これでどうだ?」
案の定、アリスはそのホテルの名前を知って驚き、そしてブンブン頷いた。
俺の休暇はこれからが本番だぜっ!
アリスの心
なんや火村、めっちゃご機嫌やなぁ。
ここ来れて、そないに嬉しかったんやろか。
火村が嬉しいと俺も嬉しい。
それやったら、今度もまた一緒に連れてきたろ。
今日1日じゃ、回れんとこ、ようさんあったしな。
うん、そうしよそうしよvvv
翌日の英都大学
「センセ、今日も休講やったね〜」
「妄想してまうな〜。うふっ。うふふふふ〜っ」
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