ごあいさつ 謝辞と寸感
フォーラム現代短歌 代表 八城水明
「短歌の文学的価値の復活」、即ち「短歌の復権」を意図して創設された『フォーラム現代短歌』の初年度の
行事の一つとして呼びかけました「日本短歌大会」に多数のご応募を頂き有りがとうございました。大会開催
地の愛知県下の各方面からの御支援をいただき、全国的視野から選ばれた三十数名の選者によって秀れた作品
を選定いただき、ここにめでたく発表できることを深く感謝いたします。
作品の講評として担当者から詳しく述べられる筈ですから私は寸感を記すに止めます。
名古屋市長賞(一位)の松原作品は事実を淡々と詠み、戦後が終わっていないことと、人間の老いるかなし
みを併せ訴えた佳品。名古屋市市議会議長賞(ニ位)の細谷作品は逆境にあっても秩序を保つ魚群に着目し、
それに比べて人間我等は…との暗示。フォーラム現代短歌賞(三位)田中作品は戦後六十年の今も米軍支配下
の日本の状況を象徴的に詠み得た。中日新聞社賞(六位)の神田作品は老いを感じ始めた寂寥感をしずかに詠
み、表現力も秀れている。日本短歌大賞(七位)の奥村作品は妻への真正直な感謝の念が充分に心を打つ。
これらの最優秀作と選者賞や優秀賞の作品との間に目立つ差違は無く殆ど同列と言える。
ジュニアの部の新宅桃香さんは小学二年生。見たまま、感じたままをを自分らしいことばで調子よく歌った。
渡辺春菜さんは高校二年生。「夕焼け」の歌は気取らぬ詠風で四句見事。
次回は更に多数の一層上質の応募作品が寄せられることを心あつく期待いたします。