【Unicorn】
一角獣ユニコーンの知名度は非常に高い。さまざまな逸話や絵画に姿を見る事が出来る上に、王家の紋章などによく使用されているからである。ユニコーンは乙女と一緒に描かれる事が非常に多い。それはユニコーンが処女にだけは心を許すと言う伝説ゆえである。

額の角を粉にした物は、解毒剤となると言われ。事実、中世ヨーロッパでもユニコーンの角と称した薬や杯が多く出回っていて、毒味に使われていた。ただ残念ながら、それは一角鯨の角だったりサイなどの角を加工した物が多かった。

ユニコーンの姿を始めて紹介したのは紀元前五世紀のギリシャの歴史家クテシアスだろう。『ペルシア史』の中で額に五十センチの角を付けたロバを紹介している。

ユニコーンの文献を調べて意外な事が分かった。『旧約聖書』の中に【二角獣】の意味を持つレームと言う生物が描かれている。ところが、紀元前二世紀頃に成立した『ギリシャ語訳旧約聖書』に【一角獣】と言う意味に誤訳されている!?さらに『ラテン語訳聖書』『欽定聖書』でも誤訳されていて【一角獣】を示す“unicornis”や“unicorn”と言う記述が見られる。

ユニコーンが誤訳から生まれたと言うのは拍子抜けしてしまうかもしれないが。誤訳と言う失敗が、このような素晴らしい生物を提供してくれたのであれば、誤訳にも感謝したい。
Unicorn