まめ蔵のつぶやき
| 最近のサンゴ事情について 98年の以上高水温によって世界のほとんどの造礁サンゴ類が打撃を受け深刻な 状態に陥っている。ここのところテレビなどでも取り沙汰されて目にされることも多い かと思われるが実際に海に潜ってみるとその変貌ぶりには驚かされる。一面に死珊 瑚が広がり、ところどころに生き残ったあるいはかけらが再生したミドリイシが点在し ているのを私は沖縄で確認した。明らかに10年前とは違った景色であった。 最近の輸入珊瑚や国内ルートでの珊瑚類は一時ほどではなく物自体はまずまず 回復してきている様子である。しかし採集できる量は極端に減ってきていることは確実 でこれから徐々に入荷が厳しくなってくるのは必至であろう。 国内ルートでは養殖による珊瑚供給がこれから期待されるところである。 |
沖縄の海 実際に潜って珊瑚の生息状況を確かめてきた状況についてコメントする。観察したの は沖縄本島北部東シナ海側、水深2〜3m前後の場所であった。スギノキミドリイシ などの骨格に藻類がからみ砂ぼこりが覆い尽くしている。珊瑚の骨格を棲み家にした スズメダイ等の魚はまずまずの魚影だったがこの骨格が台風などでやがて風化すれ ば少なくなるのはまちがいない。 |
浅い海と深い海 浅い海(ここではリーフの内側あたりのこととする)に生息している生物と深い海(リーフの外側)の生物では同じ地域であっても生息条件がまったく異なる場合が多い。 ミドリイシを例にとってみよう。浅い海にいるミドリイシに関して言えば温度変化はかなりあり紫外線の強くあたる状況にある。実際、ぬるま湯に近い場所にいるものも大潮の干潮では干上がってしまうところにいるものもある。一方深い海で15m前後の場所にいるミドリイシでは25度以上けっして上昇することのない水温の中におり光についても青みが強くまともな日照時間が少ない場合が多いと考えられる。 水槽で飼育する場合、もとの生息条件に出来るだけ近づけてやる必要がありそのためにはその個体のしっかりしたデータがないと難しい。ただ単に沖縄産だから10000Kがいいとか四国産だからもっとケルビン数が高く弱い光が良いとかいわれることがあるがそれはあくまで目安であり実際の環境を考えないと意味がない。 |
| 続.沖縄の海 台風8号の吹き荒れる中、私は沖縄本島にいた。まあ、数年前に列島を揺るがした台風19号が3日停滞したと考えてもらったらいいであろう。内地では遅くとも半日もあれば通り過ぎてしまう台風が沖縄ではこの調子が普通なのだ。台風が近づいたら1週間近く潜れなくなってしまう。ある意味貴重な体験だった。(写真) しかし沖縄の海にとって台風は必要なものである。海水を適度に攪拌し水温の異常な上昇を防ぐ役割もある。今回の台風では普段は波のほとんどこないリーフ内側で重さ3〜4トンは楽にあるであろう岩が3Mも移動していた。リーフ内の岩組みも結構変わっていたりして相当な荒れ模様だったようだ。おかげで台風の後の海ではいろいろな生物が見受けられた。ヒョウモンダコ、オウゴンニジギンポ等。。 |
| 海人(うみんちゅ)の苦労 沖縄では漁師のことを海人(うみんちゅ)という。想像もつかれるとはおもうが大変ハードな業種である。タモで魚を捕獲する海人は殊更ハードで難しい。我々がたまに海にいって漁りをしたり潜って魚を採ったりすることとは根本的に異なる。彼らにとってそれが職業であり海の状況が許せば毎日でも漁に出かけなければならないのである。 私は海が大好きで昔から海に出かけては生体を採集していた。だからまんざらズブの素人ではないと自負していた。 その私が今回漁に同行させていただいたが思うよりも大変な作業だ。魚も捕まえればいいというものでもなく、いかに傷つかず捕獲しよいコンディションをたもって輸送するか。。そのためには捕獲方法も原始的に見えるかもしれないがタモに追い込む方法を採っている。しかしただ単に追い込むのではなく経験から培われたノウハウもそこにはある。要領が必要なのである。魚とのかけひき、頭を使った戦略が見受けられる。先ずもって気楽な仕事ではない。工夫して努力し結果を出すことが収入につながる、というのは都会で働く人々と何ら変わりはない。仕事であるという厳しさ、結果を出したときの喜び、自然とふれあう感動といったことの連続が彼らの仕事のスタイルである。 |
| 瀬戸内海 四方を陸地に囲まれた瀬戸内海は他の海域に比べて河川の影響が大きく塩分濃度も若干低めの場所が多い。その河川によって陸地から大量の栄養塩が運び込まれプランクトンが多く発生しよい漁場となっている。 瀬戸の海を高台から眺めるとなんともいえない趣きがある。静かな水面に浮かぶ小さな漁船、数多く点在する島々の芸術的な入り組み具合など、見ていて飽きないものである。 その海岸線に下りると熱帯域や亜熱帯域とはまた異なった生態系を見ることができる。そして四季を海中でもっとも反映しているのも瀬戸内海だろう。 磯を歩いてみるとこれが結構面白い。食用になるものでいえばアワビ、サザエ、うになどが豊富に採れ、冬にはナマコなどもおいしい。水槽に入れて面白いものというとケヤリ、ウミウシ類、タツノオトシゴ、ヨウジウオ、ハナオコゼなんかも採れることがある。美しいものではキヌバリ、チャガラといったハゼ類、カエルウオ、ナベカ等のギンポ類等がある。これらについての詳細は多分後々触れていくことになるだろう。 |
| 瀬戸内の底曳網 先日瀬戸内海での底曳網漁船に乗る機会があり、酒を飲みながら一日を過ごした。シーズンとしては4〜5月ぐらいがいいらしいが10月でもそれなりの魚を楽しむことができた。アカカマス、タチウオ、コウイカ等が大漁で特にタチウオの数が多く刺身や塩焼き等で賞味できた。 |
| 最近の出来事 ほら貝編 写真 沖縄から妙な貝が送られてきた。南西諸島ではその大きな貝殻を利用してなべとして使ったり、かざりものや笛などに加工されるあのほら貝である。全長約30センチ強、ほら貝としては小さな固体で何とか水槽で飼える大きさである。しかし水槽で見ればりっぱなものだ。阪神タイガース模様の2本の触角、美しい貝殻といいすっかり魅了されてしまった。しかし、飾りとしてみるのはよくあるが生きたのを見たのはさすがに経験がない。肉食の貝であることは見ればわかるしオニヒトデの数少ない天敵であることも知られている。たぶん普通のヒトデでも食べるだろうと思い直径26センチのコブヒトデを与えてみた。するとすぐに行動し始めコブヒトデの上にまたがったほら貝はそれから3時間ほど動かなかった。なんだ乗っかってるだけかと思っているとほら貝はゆっくり移動し始めコブヒトデの上を立ち去った。なんと!ほら貝はコブヒトデの背中に2センチほどの穴を開け中身を吸い取っていたのだ。写真 吸い取られたコブヒトデはふやけた状態となり何とも無残な姿になった。このコブヒトデ、かなり分厚い皮膚をしている。人間が包丁で切ろうとしても歯が立たない。のこぎりで何とか切れるほどの硬さがあり、これをいとも簡単に破ってしまうほら貝は相当強い歯を持っているのであろうか。溶かして食っているような気もするが。 |
| またしても沖縄 今年も沖縄の海に早速潜ってきた。去年と同じポイントにも行ったのだが珊瑚の状況はけっしてよいとはいえなかった。時期もすこし早かったせいもあり魚の数も少なかったように思う。本島沿岸部は道路の整備などの影響か荒れてきており、回復してくれるのか心配になってしまう。海人の苦労もますます大変になったようだ。 今回は夜の海に潜る機会がありまた違った風景を見ることができた。夜の潜りを経験されたことのある方にとってはごく当たり前の光景かと思われるが、私の見た範囲内でのレポートを書きたいと思う。 場所はとある沖縄本島沿岸東シナ海側。静まり返った内湾に懐中電灯片手にゆっくりと潜ってみた。ライトは水平に照らすのは禁忌ということだ。これはダツが光に突進してきて人間に突き刺さるのを避けるためである。信用しない人のために少々過激な画像をUPしておこう。(写真)実に怖いのである。 さておき、海中の様子は昼間は見ることの少ない生き物でいっぱいだった。ミノカサゴ類があっちにもこっちにも。ガンガゼも嫌になるぐらいいる。コブシメ、タコ類、トコブシによく似たミミガイ、イシモチ類、やはり昼間に較べるといささか地味な光景だ。スズメダイの仲間など昼間はすばしこくて採りにくい種類でも夜は割に簡単に網に入る。瀬戸内で経験のあるイサリみたいだった。しかし、突然視界に現れた1メートル近くあるアオヤガラには驚いた。ダツに見えたのである。 夜はフィッシュイーターにとっては格好の捕食タイムだ。沖縄ではミーバイと呼ばれるハタの仲間も見える。砂地ではモンダルマガレイもペイズリ―のような柄を光らせて這いつくばっている。よく似たミナミウシノシタというのがいるが、こいつは水槽に入れるとあとでとんでもないことになる。死んだら水槽内の生物はみな道連れ!こいつもいた。 静かに見えて実は結構活動的な夜の海だが4月はまだ少し寒い。もう2ヶ月くらい後の海もまた見てみたいものである。 |