高橋クミコ / 世紀末の円舞曲(ワルツ)

CD ★ 1996/4/24 発売
東芝EMI ★ TOCT-9425

プロデュース ★ 仙波知司、平栗敬史
ライナー・ノーツ ★ 久世光彦、長田暁二
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最后のダンス・ステップ
異人娼婦の唄
私の猛獣狩り
煙草屋の娘
乙女のワルツ
お定のモリタート
茶目子の一日
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満州娘
UNO−誰が悲しみのバンドネオン
アカシアの雨がやむとき
世紀末の円舞曲
支那の町の支那の子
ラストダンスは私に

 高橋クミコと名乗っていた時代に東芝EMIから最初に出したもので、私の偏愛するクミコのアルバムである。昭和の名曲や快・怪作が満載である。
 「最后のダンス・ステップ」はあがた森魚作詞・作曲の戦前昭和の怪しい香りが漂う名曲。「異人娼婦の唄」は軍歌「討匪行」の替え歌。
 「私の猛獣狩り」は笠置シヅ子の賑やかな唄だが、こういう唄もクミコはうまい。
 「煙草屋の娘」は語りも入る唄で、娘と客の二役を巧みに唄い分ける。オリジナルは平井英子と岸井明による1937年の曲。
 「乙女のワルツ」は伊藤咲子の1975年のヒット曲。まったく違う味わいだ。
 「お定のモリタート」の原曲はベルトルト・ブレヒト作詞・クルト・ワイル作曲『三文オペラ』の劇中歌「メッキー・メッサーのモリタート(大道歌)」で、英語名「マック・ザ・ナイフ」としても知られる。このお定版は劇団・黒テント公演『阿部定の犬』(1975)劇中歌として佐藤信が作詞した。男の局所を切り取った「阿部定事件」(1936)に材を取っているが、このきわどい歌詞をいやらしさを感じさせずに唄うクミコの伎倆は大したものだ。
 「茶目子の一日」は1919年に出た木村時子ほか版がオリジナル。1929年の平井英子ほか版が大ヒットした。朝起きたところから始まる茶目子の一日を活写していて、唄と語りが交互に入る朗読歌である。クミコは一人で茶目子、母親、先生、役人、活動弁士の5役を演じ分けていて見事である。
 「満州娘」は服部富子(作曲家・服部良一の妹)の1938年のヒット曲。明るい曲で、今でもライヴで時々唄っている。
 「UNO−誰が悲しみのバンドネオン」はアルゼンチン・タンゴ曲がオリジナルで、あがた森魚が日本語詞を付けて唄った。「パリ 大博覧会 大観覧車〜」と歌い始める所から、20世紀初頭の世界が鮮やかに浮かび上がる。
 「アカシアの雨がやむとき」はご存知、西田佐知子1960年のヒット曲。この名曲をクミコは実にしみじみと唄っている。
 「世紀末の円舞曲」はルイス・フューレイの「The Waltz」(1975)が原曲で、クミコ自身が訳詞を付けた。世紀末のつかの間の舞踏会を描いている。
 「支那の町の支那の子」は中国の曲「太湖船」のメロディに、作者不詳詞に久世光彦が補作したもの。小さいときにさらわれて曲馬団にいる子供を唄った悲しい唄。人々の遠いさざめきをバックにアカペラで静かに唄う。
 「ラストダンスは私に」はアンコールの定番曲。越路吹雪版と異なって、嫉妬心にかられた唄い方になっている。

 すでに廃盤になっており、最近、ヤフー・オークションに高価な値で出品されるという現象が生じているが、このCDはまだ2006年12月現在、HMV のネット通販で購入できる。 → ついに売り切れ
 <追記> 2007年7月2日発売の「コンプリート・クミコ・ボックス〜二十五年〜」に復刻収録された。ぜひ、まだ聴いたことのない多くのクミコ・ファンに聴いてもらいたい。

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クミコ音楽酔星
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