(和服姿が映える美人おかみが一人で切り盛りしているなじみの居酒屋「弥生」で、熊さんと
八っつぁんがほろ酔い気分で話をしている。)
熊 : 八、今月最終の土日は空いてるか? どうだ、富士山に登ってスキーってぇのは。
八 : そうかあ、シーズン最後の山スキーか。行きてぇな。けど、用事が入ってんだ。
熊 : 山スキーの誘いに乗らないとは珍しいじゃねえか。何用だい。
八 : 唄を聴きに行くんだ、山梨へ。
熊 : わざわざ唄を聴きに山梨へか。
八 : 山梨というより、清里といえばはっきりするな。知ってるだろ?
熊 : そりゃあ知ってるさ清里くらい、昔登った八ヶ岳の麓だろうが。
八 : そこの清泉寮に泊って、翌日の日曜にクミコってぇ歌手を聴こうかと考えてる。
熊 : キヨサトのセイセン寮? どこかで聞いたような... そうだ、清泉寮っていえばな、古い話だが、
俺の娘が女学生の時分に、泊まりに行ってた。1週間ほどぶっ続けで行ってたな。それで名前だけは
覚えてらぁ。
八 : 泉ちゃんがねぇ。ちょっとイメージが合わないが、そんなことあったんだ。
熊 : バーロー。誰がどこに泊まったっていいだろうが。
八 : 清泉寮にも「泉」ってぇ文字が入ってるが、「清い泉」だからなあ。それと熊んとこのあのオキャンで
酒豪の泉ちゃんじゃあな。
熊 : うるせえ、減らず口たたいてんじゃねえ。
八 : アハ、怒ってら、やっぱり親だね。まあまあ、トクトクトク...(と言いつつ酒を注ぐ)
熊 : それでなんてったか、その歌手の名。
八 : クミコさん。
熊 : そんなに熱上げてわざわざ遠くまで聴きに行くほど、若くて美人なのか、そのクミコさんとやらは。
八 : 今、ちょうど50だ。
熊 : なにぃ〜?! 50才で、ただ「クミコ」かよ。まぎらわしいじゃねえか。あややだか、およよだか、そん
な若いアイドル歌手かと思っちまったぜ。
八 : いやね、最初はそうじぁなっかったんだ。高橋久美子、久しいに美しい子と書いてね。久美子は本名
だそうで、親御さんはいい名前付けたね。その久美子が次にカタカナに変わって、高橋クミコ。それ
から別れた旦那の名前はいかんだろうという人がいて、高橋を取っちまって、ただクミコてぇことに。
熊 : おめえ、随分と詳しいんだな。
八 : まあ、長く聴いてるからな、年数だけは。
熊 : もう一度お聞きしますがね、その人はかなりの別嬪さんなんですかい?
八 : えっ?! ウーン、何だな、ホレ、ソレ、そうそう、ソレナリニ...。
熊 : 顔を赤くしやがって、おめえ、ひょっとしてホの字かあ?
八 : バ、バカ、言っちゃいけねえ。そ、そんなんじゃなくって、ナンだな、ホラ、アレ。
熊 : 分かんねえなぁ、はっきりしろい。
八 : うっ、うん、まあ、唄い手としちゃあ、確かに惚れてるんだろうな。
熊 : それだったら顔を赤くするこたぁねぇだろ。
八 : それは、酒がまわってきただけだって。
熊 : へえ、そうかねぇ。アヤシイ、アヤシイ。
八 : もういいだろ、そのことは。ところでと、さっき言った清泉寮だが、前日泊まるかどうかは思案中な
んだ。
熊 : どういうことだ?
八 : その方がゆっくりできるのは確かだが、日曜だけでトンボ帰りもできそうなんだ。そうすりゃあ、味気
なくても宿代節約できるしな。どっちにしようかなぁ。そうだ、チラシがあったんだ。ホラヨ。
熊 : おお、顔写真がでっかく載ってんじゃねえか。これがクミコさんか。50才より若く見えるな。実物通り
か? それともカメラマンの腕か?
八 : 実物に近いと思うけどな。
熊 : そうかい?それでと、何々、「北杜市高根町ふれあい交流ホール」でコンサートがあるってわけだ。
でも清里じゃねえじゃねえか。ここにある地図見ると、寮とホールは結構離れてるんじゃないのか?
八 : 清泉寮を運営しているキープ協会ってぇのが主催者で、清泉寮も同じ北杜市高根町なんだよ。だか
らそのホールもまあ清里の一角のようなもんだ。
熊 : なんだ、こりゃ。
八 : 何?
熊 : ほら、チラシの裏側のいっとう下に書いてあるこれ。ちいせえ文字だな。これじゃ、見過ごしかねな
いぜ。「前日のご宿泊は清泉寮をご利用ください。」とまずある。まあゆっくりするにはそれがいいだ
ろうな。ところでその次だ。え〜と、「お泊りの方だけにとっておきの”時間”をプレゼントします。」
こりゃなんの意味だ?
八 : そこんとこな、俺も気にはなってたんだが、何だろうな。
熊 : 「だけに」とか「とっておきの」とか、やけにもったいぶった言い方だろうが。クミコさんとやらと一緒
に食事できるとか、酒が飲めるってぇことか?
八 : いや、待てよ...? ひょっ、ひょっ、ひょっ、ひょっ、ひょっ...
熊 : 落ち着け、八。急にどうしたってぇんだ。
八 : ひょっ、ひょっとこ、じゃねぇ。ひょっとして、そりゃあ、唄ってくれるてぇことじゃないかな。
熊 : そうだとしても、そんなあわてるこたぁないだろ。
八 : 宿で唄うとしたら、身近で聴けるっていうことだろ。そう思ったら、期待でからだがプーッと風船の
ようによ、ふくらんじまってな、アゴの骨がはずれそうになっちまったんだ。
熊 : そら一杯飲め。どうだ落ち着いたか。
八 : ふーっ。
熊 : ここに電話番号が書いてあるから、聞いてみりゃいいじゃねぇか。子供じゃねえんだから。
八 : そりゃそうだ。合点承知の助。 0551-48-2169、寮は2111か。でも、こんな時間にいるかな。
熊 : 宿なんだから、誰かいるだろ。分かる人がいなけりゃ、あした掛けなおしゃあいい。
(時代遅れの二人は携帯電話を持っていないので、八は店の電話の所へ行ってかける。)
熊 : どうだった?
八 : えっへっへっへ。大当たりぃー!! 宿のホールでチャリティ・ライブっていうかな、何曲か唄ってく
れるそうだ。曲数が少なくったって、ヒッヒッヒッ、嬉しいね。間近で聴けるんだぞ、でっけえホール
じゃなくてよ。今、宿もふれあい交流ホールのチケットも予約した。清泉寮は一人でも泊めてくれ
るそうだ。それに、泊まった人には日曜は寮からホールへ、さらに終わった後は小淵沢駅まで連絡
バスが出るようで、それなら新宿行きの特急に乗れるかもな。調べといた方がいいか。
おかみさん、ここに時刻表ありますかね。
弥生 : あいにくとここにはねぇ。
客の青年 : 列車の時間ですか。私が調べて差し上げましょうか?カバンにパソコンがありますから、
インターネットで調べられますよ。
(と言って、モバイルパソコンを取り出し、インターネット画面を出す。)
熊 : ずいぶん小さいんだね。それにどこにつながなくても、インターネットが見られるのかい?
客の青年 : ええ、でも携帯電話でつながっているんですよ。
熊 : 携帯でねえ、便利な世の中になったもんだ。
客の青年 : 私がよく使うのは「駅探」つまり、「駅前探検倶楽部」というサイトなんですが、駅名や時間
を入れれば該当のものを出してくれます。いつ、どこからどこへですか?
八 : 6月26日、小渕沢から新宿。えぇ〜と、開演が4時だから、それから2時間として6時、何やかや
あってバスで小渕沢へ行くとすれば、乗るのは7時以降とみればいいかな。
客の青年 : 小渕沢発午後7時以降、26日の日曜ですね?
八 : ウン。
客の青年 : はい、出ましたよ。2本特急がありますね。小渕沢発19時18分のスーパーあずさ34号
と、20時43分の36号。新宿着が21時6分と22時37分です。
熊 : どれどれ、ホントだ。大丈夫じゃあねえか、八。
八 : メモしとかなくっちゃ。
客の青年 : ふれあいホールでしたか、それも調べてみましょう。ほぉ、木造りのホールですって。ほら
ここに写真が載っていますよ。音が柔らかく響くんでしょうね。
八 : あれまあ、そいつは知らなかったな。何度も聴いてきたが、クミコさんを木造りのホールで聴くな
んざあ、お初だね。興味津々、楽しみが増えたってぇもんだ。でも、ようく考えてみりゃあ、こりゃあ
すげえことだぞ。木造りホールで聴くクミコさんの唄か、心がとろけちまうだろうな。
熊 : 勝手にほざいてろ。ところで、お客さん、お名前は?
客の青年 : 森山といいます。
熊 : 森山さんね。こんなちっちゃなパソコンをどこにでも持ち歩いてて、ポンポンと調べ上げちまう。
さしずめ、電脳忍者ってえところだ。オイ、八! お注ぎしたらどうだ。
八 : あっ、そうだな。まあ、おひとつどうぞ。ありがとうござんした、どうもどうも。
客の青年 : これはどうも。お役に立ててなによりです。
(二人席に戻る。)
八 : さあ、これですべてオッケーだ。ようし行くぞォ、二日連続で聴くぞっ。ウッシッシッシッシ、ヒヒッ!
熊 : 気味わリぃ笑いしやがって。おめえ、頭いかれちまったんじゃねえのか?
八 : アッハッハ。自分でもおかしいと思うときあるけどな。なんたってクミコという唄い手には、人を
トリコにする魅力というか、そうだな、魔力すらあるんだ。
熊 : フーン。
八 : ともかくスゲエ歌手なんだ。日本語がなんたって素ん晴らしい。ホントだぜ。唄い出したとたん、
言葉がこちとらのからだにスゥーっと入ってきてな。そして、ビンビン響き渡るんだ。こんな歌手は
めったにいないぜ。一度ナマを耳にしたら、もう忘れられない、離れられなくなっちまうんだわ。
そういうこと。その唄でどれだけ多くの人が元気づけられ、癒されてきたことか。それに、おしゃ
べりがこれまた傑作でおもしれぇときてらぁ。どうだい、熊さんも一度聴いてみたら。
熊 : フン、結構だね。まあ、人の趣味のことだからな、文句言ったて始まらねぇが、やっぱどこかおか
しいぜ、お前さん。
八 : えっへっへ。俺だけじゃなくて、クミコ病にかかっちまった人がこの世にはいっぱいいてね。おか
しいっちゃあ、まあおかしくなってるかもな。そういった老若男女が、それこそ星の数ほど無数に。
同病相哀れむ、じゃなくて、相喜ぶってえ次第だ。
熊 : しょうがねぇな、いい年こいて、そんな風に喜んでちゃ。そらもう一杯。まあ、存分楽しんでくるん
だな、清里で。
八 : ありがとよっ! 土曜は清泉寮に泊まってチャリティ・ミニミニ・ライブ。日曜は木造りのふれあい
交流ホールでのコンサート。最終の特急には絶対乗れるし問題なしと。二日連続でクミコ漬け
かあ、う〜れしいな、嬉しいな。心配なのはクミコさんが雨女ってぇことだが、まっいいや。雨の
高原も風情があるかもしんないしな。えへっ、ウッキウッキ、ワックワック、ランランラ〜ンっと。
(「雨雨降れ降れかぁさんが〜蛇の目でお迎えうれしいな〜♪」の「ぴっちぴっち、ちゃっぷちゃ
っぷ、らんらんらん♪」のメロディに乗せて唄う。北原白秋作詞、中山晋平作曲の「アメフリ」より)
熊 : な〜にが、ランランランっだ、アホ。これ以上、付き合っちゃいられねえ。俺は先に帰るぞ、眠くな
ってきた。おかみ〜、お勘定ヨロシク!
弥生 : ハ〜イ。
熊 : いつもながら、おかみのその「ハ〜イ」ってぇ素敵な声、たまんないね。
弥生 : ありがとうございました。今日は珍しくお客さんが一杯で忙しくてね。ですから、お二人の会話、
黙って小耳にはさんでいただけでしたが、実はねぇ... 私もつい最近聴いて、クミコさんの
大ファンになったのよ。
熊と八 : ええっ〜〜〜??!!
弥生 : クミコさんって、いいわねぇ。
熊 : そうですかい? おかみが好きとあっちゃあ、俺も今度聴いてみようっと。じゃ、お休みぃ〜。
弥生 : お休みなさ〜い。
八 : なんだ、ありゃあ。さっき俺が勧めたときは「フン、結構だ」と言ってたくせによっ。
(大方の客が帰ったあと、今度はおかみと八っつぁんのクミコ談義が閉店まで続いた。元々日曜は休み
だから、おかみは土曜も臨時休業にして清里へ行こうかなどと思い始めたとさ。 おしまい)
熊 : 読んだ感想を掲示板に書いてくれると嬉しいんだけどなぁ。
八 : 一言だけでもいいんだぜ、よろしくな!
「クミコ音楽酔星」掲示板
「クミコ清里ライブ」 <クミココンサート2005>
★ 2005年6月26日(日)
★ 開場 午後3時30分 開演 午後4時 ★ S席 6,000円 A席 5,000円
★ 北杜市高根町ふれあい交流ホール (写真あり)
素敵な木造りのホールで聴くクミコさんはまた格別ですぞ、きっと。
山梨県北杜市高根町村山北割3315 TEL 0551-46-1013
★ 主催/チケット申し込み・問い合わせ
キープ協会企画部 TEL 0551−48−2169(9−18時)
★ 八ヶ岳山麓「清泉寮」に泊まって清里にクミコを聴きに行こう!
前日清泉寮に泊まった方には、寮からホールへ、さらに終演後小淵沢駅への
連絡バスが出ます。
★ 前日の宿泊申し込み 清泉寮 TEL 0551-48-2111(フロント 7−22時)
チェックイン 午後2時 チェックアウト 午前10時
山梨県北杜市高根町清里3545
「お泊りの方だけにとっておきの”時間”をプレゼントします。」
もう答えは上の「ほろ酔い談義」でお分かりですな。
★ 「クミコ清里ライブ」キープ協会案内ページ
★ キープ協会 ★ 清泉寮 ★ 清泉寮へのアクセス
6月25日(土)の清里への往路便(新宿発)
時刻表を作りました。
6月26日(日)の新宿への帰路便
小淵沢発 19:18 → 新宿着 21:06 スーパーあずさ34号
小淵沢発 19:47 → 甲府着 20:26
(乗り換え) 甲府発 20:30 → 新宿着 22:07 かいじ124号
小淵沢発 20:43 → 新宿着 22:37 スーパーあずさ36号
駅前探検倶楽部でも調べられるよ。
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「白籏史朗の世界」展
★ 2005年5月21日(土)〜6月26日(日) 9:00〜17:00 ★ 大人500円 小中学生200円
★ 山梨県立八ヶ岳自然ふれあいセンター/ポール・ラッシュ記念センター
★ 〒407-0311 山梨県北杜市高根町清里3545 財団法人キープ協会内
ちょうどいい時に、山男でもある当管理人の大好きな世界的山岳写真家・白籏史朗さんの写真 展が、清泉寮と同じ敷地内の「ポール・ラッシュ記念センター」で開催中。 興味のある方も初めての方も、雄大で繊細な写真の数々をとくとお楽しみあれ。
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