◆ 其の壱 ◆
Hommage To Jimmy Scott 1
耳から聞こえてくるのではなく
皮膚を通して直接心臓に飛び込んでくる。
初めてジミー・スコットを聞いた時の感じだった。
曲は「Sometimes I Feel Like A Motherless Child」、黒人霊歌だ。
町中をゆっくりと歩く細身の老人、それがジミー・スコットだった。
そのモノクロの映像のバックにこの曲が流れた。
聴き慣れた曲なのになんと新鮮に聞こえるのだろう。
第一声を聞いた途端、全身が釘付けとなってしまった。
その歌声にこめられた人生のひだ、何層にも重なった深い思い、
声を通して伝わってくる生命の熱い感情が血管を流れ、私の体全体を満たした。
魂にしみた
心が痺れた
脳に電流が走った。
めったにない実に得がたい体験だった。
まだ何も知らないのに、その歌声を少し聞いただけなのに、
もうジミー・スコットは私にとって忘れることのできない存在となった。
ジミー・スコットを描いた欧米共同制作のTVドキュメンタリーを見たのは偶然だった。1999年3月21日、夜遅く帰宅してテレビをつけNHKBS2にまわすと、
何やらドキュメンタリーがかかっていた。新聞の番組欄を見ると、『 リトル・ジミー・スコット "Why was I born" 』とだけある。これではジャズ歌手の生涯ものだとは分からない。
深夜に帰ってたまたま見なかったら、ジミー・スコットとの出会いはなかった。もしくはもっと遅れていただろう。
見たときは番組が始まって4〜5分経っていた。ちょうど「 Sometimes I Feel Like A Motherless Child 」が流れ始める直前だった。秀作というにふさわしいとても良くできたドキュメンタリーで、眠気も吹き飛んで見続けた。この僥倖に感謝したい。もっと飲めと、遅くまで引き止めた悪友にも感謝しなければいけないかもしれない。 |
ジミー・スコット讃
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