南の虹のルーシー

昭和57年1月10日〜12月26日放送

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 話     題        名 題       名
新しい土地へ 26 病気になった!
可愛いヤツ 27 凧に乗って
かわり者 28 川の向こう岸
はじめての探検 29 リトルの訓練
雨のち晴 30 誕生日のおくりもの
アデレードという町 31 リトルと黒い犬
ベンの災難 32 虹の橋のたもと
出発の前夜 33 失われた夢
アデレードへの道 34 リトルと学校
10 緑の町 35 対決
11 小さなわが家 36 巣の中の5シリング
12 アデレードの夜 37 草原の強盗団
13 ベンがやって来た! 38 ルーシーは名探偵
14 たくましい男 39 二つの別れ
15 二つの家 40 わたしは誰?
16 ずぶぬれのお医者さん 41 見知らぬ町・見知らぬ人
17 不幸な出来事 42 エミリーと呼ばれる子
18 木登り 43 すれ違い
19 今日は買い物 44 リトル!リトル!
20 井戸の水 45 トブが消えた
21 アデレードの設計者 46 穴の中のウォンバット
22 レンガとディンゴの子 47 とうさんの決意
23 お前の名前はリトル 48 大金持ちの子に・・・
24 夏の終わりの日 49 クララの結婚
25 ついてない時は・・・ 50 虹に向かって

オーストラリア地図

オーストラリアについて

オーストラリアの基本データ(1997年) オーストラリアの主な歴史
4〜3万年前 先住民族アボリジニ定住。
17世紀前半 オランダ人オーストラリア大陸に到達。
1770年 イギリス領有を宣言
1788年 イギリス流刑を開始 このころから先住民族は白人が持ち込んだ病気や虐殺行為により減少する
1836年 アデレードで囚人なしでの初の入植始まる
1851年 金鉱脈発見、大量移民始まり人口急増
1855年 移民制限法制定 白豪主義のはじまり(白人以外の移民制限)
1901年 オーストラリア連邦成立、事実上独立
1914年 第1次大戦に参戦、このことがオーストラリアの国際的地位を高める
1939年 第2次大戦に参戦 41〜45年日本とも交戦(オーストラリアが他国から攻撃されたのはこれが最初で最後)
1960年頃 移民制限の緩和・先住民族に対して完全な市民権が与えられる
2000年 シドニーオリンピック開催
面 積 768万2292Km
(日本の約20倍・世界で6番目の大きさ)
(うち大陸部分761万4500Km
人 口 1853.2万人(人口密度2人)
  大部分が大都市部に集中
首 都 キャンベラ(人口33万・1927年より首都)
民 族
言 語
英国系など白人(94%)・先住民アボリジニ・中国系など
英語(但しオーストラリア訛りらしい)先住民言語
宗 教 カトリック26%・英国国教会24%
プロテスタント20%・東方正教会4%など
政 体 立憲君主制(英国国王を元首とするイギリス連邦加盟)
1901年事実上独立

ディンゴについて

 ルーシーが飼っていたディンゴのリトルについて少し調べてみました。
 3000年以上前にオーストラリア大陸に渡ってきた犬の子孫。オーストラリア大陸に多い有袋類(フクロオオカミなど)の仲間ではない。基本的には肉食性であるが昆虫や植物などなんでも食べるようである。普通の犬科の動物との違いは群れをなさないところである。狩りは単独あるいはせいぜい家族程度で行う。アボリジニは子供の頃から飼い慣らして狩りに連れて行くこともある。

パーカー山とバーカー山

 パーカー山にはプリンストンさんが所有している鉱山があるが、地図で調べた限りではパーカー山は存在しなかった。が、しかしバーカー山(Mt.Barker)はアデレード中心部から南東に約30キロのところに存在した。本当のところはどうなのか分かりません。 

先住民族アボリジニについて

「アボリジニ」という言葉は本来、「先住民族」という意味だそうだ。日本では専らオーストラリア先住民のこととして用いられる。ここでも「アボリジニ」はオーストラリア先住民のこととして表記します。
 まず、オーストラリア・アボリジニの人種区分については、いわゆる黒人(コンゴロイドまたはネグロイド)ではなく、オーストラロイドと呼ばれる人種集団に属する。オーストラロイドはアボリジニ以外にはマレー半島(マレーシア)ニューギニア島・ニューカレドニア島・インドの一部に居住している。ちなみに人種とは皮膚色・毛髪型など生物学的・遺伝的な特徴によって区分され、民族とは全く違う概念である。(民族は文化・国家・言語・風俗・宗教などにより区分)
 オーストラリア大陸に太古から生活を営んでいるアボリジニは、アボリジニは長い間、大陸全域を占有し、利用していた。アボリジニは狩猟採取民で、狩りには槍や投槍器を使うが特にブーメランが有名である。人口は当時30万〜100万人だったと推測され、200以上の言語が話されていた。(現在はほとんど英語と思われる)
 18世紀後半のヨーロッパ人の到来でアボリジニは大きな災厄にみまわれた。アボリジニはもともと肥沃な沿岸地帯に居住していたが徐々に乾燥した内陸地域へとおいやられた。14話などで登場したヘラクレスさん(ルーシーによる仮名)との交流はある意味ホッとさせられたが、やはりアデレードの発展と伴に姿を見せなくなってしまった。このころからヨーロッパ人が持ち込んだ病気や虐殺行為により激減し、1920年頃には推計6万人までになった。生きのこったアボリジニは、宣教師などによる「文明化」の名のもと服従を余儀なくされ、生まれた土地に住むことを法律で禁じられ、居住区におしこめられた。
 1960年代になると、多くのアボリジニが都市部にうつり、特に大都市に集中した。このころからアボリジニ共同体に政治意識が生まれ、社会的、政治的地位の向上を要求した。1967年の国民投票で、アボリジニにも市民権が保障され、のちに土地権にかかわるものへとうつった。
 現在ではオーストラリア全域で、それぞれの先住民土地評議会が代表権をもっており、またほとんどの地域がアボリジニ文化を対象とする施設と祭りをもうけている。アボリジニ共同体は近年土地権など、法律上重要ないくつかの権利を勝ち取り大きく地位が向上した。シドニーオリンピックでのキャシー・フリーマン選手の活躍が記憶に新しい。しかし現在も依然として、社会的、経済的に不利な状況におかれていることに変わりない。
 「コロンブスの新大陸発見」この言葉にほとんどの人が何の違和感も感じないだろう。しかしこの言葉にはある潜在的な前提がある。それは欧米人の立場で、あるいは先住民族の存在を無視して(かつての白人は有色人種を人間と思っていなかったらしい)使われてきた言葉である。いまだマスコミ等ですら使われているのでやめていただきたい。

 ◇「南の虹のルーシー」の中では原住民と言う言葉が使われていたが、現在では先住民族という言葉が一般的。

 ◇世界各地の先住民族の例  北米大陸のインディアン(ネイティブアメリカン)・インディオ・イヌイットなど ニュージーランド(マオリ族 現在では社会的地位は向上し、マオリ族出身の政府閣僚もいる) 日本(アイヌ民族 北海道、かつては東北地方や樺太(サハリン)・千島などにも居住)

「南の虹のルーシー」の年代はいつ

   このことについてははっきりとした答えがある。第1話はクララの手紙で始まる。その手紙の最後の日付が1837年11月7日とある。19世紀前半で世界名作劇場の中ではもっとも年代の古い作品である。(日本ではまだ江戸時代)32話までで1年経過、33話で一気に2年の歳月が過ぎ最終回時点では1842年秋(南半球の秋は3〜5月)になる。

  ◇そのころの世界の出来事 モールス(米)電信機発明(1837)・大塩平八郎の乱(1837)
  ◇主人公と同年代の有名人 トルストイ(1828〜1910)

「南の虹のルーシー」地名辞典

南オーストラリア州 サウスオーストラリア州。州都アデレード。
アデレード セントビンセント湾に面したサウスオーストラリア州最大の都市。この物語の舞台。当時は300人程度のようである。現在は人口109万
セントビンセント湾 アデレード港がある湾。アデレードの中心は約10キロ内陸になる。
ゴーラー アデレードから北へ約40キロはなれた町。
マレー川 オーストラリア最長の河川。水源はオーストラリア・アルプス山脈。流域では灌漑農業が行われている。アデレードの給水源となっている。河口のアレグサンドリーナにアデレードの町を作ろうと主張する者もいるそうだ。(21話ライト大佐との会話)
ヨークシャー イングランド北東部の地方。ペナイン山脈の東側。ポップル家の出身地。
バーカー山 父アーサーが働こうとしていた鉱山。南の虹のルーシーではパーカーとなっていたが、地図でバーカー山になっていた。??
マウントロフティ山脈 父アーサーが働いていた石切場のある山。アデレード東部に南北に走る山脈。標高は400メートル程度。

「南の虹のルーシー」の動物たち

いろんな動物が登場する世界名作劇場シリーズ。
一説にはキャラクターグッズの売上をのばすためとも言われる。

モッシュ ルーシーが可愛がっているハムスター。物語の最初から登場しているにも関わらず、その存在感はあまりにも薄い。
リトル 野生のディンゴの子供。飼い主に忠実。ケイトに言わせればルーシーよりも賢い。
ハッピー ペティウェルさんの家で飼われている犬。飼い主に似て憎い存在。リトルの正当防衛によりかみ殺される。ざまーみろ。
スノーフレイク ルーシーが飼っているロングさんから貰った子羊。経済的理由により競りで売られたがそのことがルーシーに悲劇をもたらした。
シルバー ペティウェルさんが次に飼い始めたブルドッグ。イギリスからわざわざ取り寄せたらしい。
ステッキー ポップル家の山羊、ステッキーの子はパンジー、その子はソッピー。
ファニー パーカー山の廃坑で見つけたウォンバット。飼ってつかの間ペティウェルさんの馬車に轢かれあえなくご臨終。野生動物は野生にしておきましょうルーシー。
モロクル ロングさんの飼っている牧羊犬。
プロスペロ プリンストン邸で飼われている、やたら呼びにくい名前の猫。シェークスピアのテンペスト(なんだそりゃ?)からとった名前。41話
ワライカワセミ カカカカカカカと笑い声のように鳴く。は虫類などを捕食する。16話で毒蛇に襲われそうになったルーシーは助けられる。

南の虹のルーシー」の登場人物にちょっと一言

南の虹のルーシーの登場人物にちょっと一言。おおっ!こんな人もいたのか。
普通にみていたら見落としてしまいそうな脇役なども紹介、今度ビデオか再放送で見る機会があれば彼らに注目してみましょう。

ルーシー・メイ ポップル家の3女、天真爛漫で動物好きだが勉強は苦手、特に算数はどうしようもない。ケイトとのコンビではボケ役。
ケイト ポップル家の次女。頭は良く、ルーシーのボケには容赦なくつっこむ。ナレーションもしており主人公なみの存在感。
ヘラクレス オーストラリア先住民アボリジニの男。ヘラクレスの様な体格なのでルーシーが勝手に名付けた。アデレードの発展後姿を見せなくなった。
アニー・ポップル 優しさだけではなく厳しさも兼ね備える2男3女の母。ルーシーたちを厳しく叱る場面も。
デイトン 移民船の医者であったがオーストラリアに取り残される。悪い人ではないが酔っぱらいで医者としてもやや頼りない。アニー・ポップルに水をぶっかけられる。
ペティウェル ポップル家にあらゆる悪事を働く。恐妻家。
マック ポップル家に隣に住む測量技師。奥地へ測量に行った時に病気に冒され死亡。享年37歳。
ライト大佐 海軍大佐でアデレードの測量総監督。アデレードを立派な町にするための強い志を持っていた。奥地を測量時に肺を患う。1839年死去。
アダム ペティウェル家の召使い。37話では強盗団と共謀する。
ロング アデレード郊外で羊を放牧しているおじいさん。30話で病気で寝込んでいるところをリトルに発見される。
ウィリアム アデレードで農場を所有していたがイギリスへ帰国することとなってポップル家に売却するはずがペティウェルさんに売ってしまう。糠喜びとはまさにこのこと。
ジョン オーストラリアへの移民船の水夫。一時帰国するが弟を連れて再びアデレードへ来る。後にクララと結婚しマスオさん状態か。

「南の虹のルーシー」について

「南の虹のルーシー」と「フローネ」の比較

 放送当時は2年連続のオーストラリアネタで少しとまどいもありました。その為か前年放送のフローネとごっちゃになっている人が結構いるようです。しかし物語はフローネとは大部違っています。家族が協力しあって困難に立ち向かう姿は共通してますが、物語の始まりもオーストラリアからですし、入植当初とはいえヨーロッパ文明社会が舞台となっています。フローネはオーストラリアネタと言っても物語のほとんどは無人島、オーストラリアは最終回のみ。違いは顕著なのですが・・
 ただ、知名度・人気はフローネのほうに軍配があがるのが事実です。(世界名作劇場ファンの間ではルーシーも決して負けていない)無人島を探検するという話しが男の子にも受けたからでしょうか。でもルーシーも違った意味での魅力があります。

南の虹のルーシーの感想

 この物語を見てまず最初に思ったことは「主人公は誰だ?」と言う疑問です。番組タイトルから考えれば当然ルーシーだが、ナレーションがケイトの声のためか(ナレーションはケイトの心情で語られていた)ケイトの存在感も大きく、たいていはこの二人一組で行動し物語をリードしていました。不幸な出来事が多い中、天真爛漫なルーシーとケイトの名コンビが物語を明るくしてくれますし、家族が困難な場面ではケイトが「希望を失ってはダメ」と言う場面もありました。あと姉クララなどの家族の生活や心情も描かれていたりします。
 もう一つこの作品の特徴としてあげられるのがポップル家の家族構成でしょう。母アニーは世界名作劇場ではめずらしく厳しく強い一面もありますが、父アーサーはたのもしい大黒柱である反面、後半酒に溺れるなど弱い部分を見せたりします。(世界名作劇場の父親は顎髭に頼もしさは定番) しかし家族が協力しあって困難に立ち向かう姿が、この作品の魅力だと思います。世界名作劇場の中でこれほど多くの家族、兄弟がいるのはポップル家だけでしょう。他の名作作品では肉親が他界しているケースが圧倒的に多いだけに、ポップル家の家族構成は異例です。もっとも世界名作劇場の時代は欧米でも大家族で子だくさんが多く、これが当時の自然な姿なのかもしれません。
 もう一つの見どころはポップル家の発展の様子です。前年放送のフローネのロビンソン家に負けないほど、父アーサーを中心に何でもこなします。家を増築したり、畑を作ったり、ろうそくを作ったり、煉瓦まで製作しました。ものづくりをする場面は世界名作劇場ならではです。
 最終回で農場を手に入れポップル家の人々は再び一つになり希望を取り戻しました。(ペティウェルの呪縛からも解き放たれた)オープニングの開拓民の姿は、その後のポップル家の姿かもしれません。その後の発展の様子も少し見たかったです。最終回は急展開でちょっと忙しすぎました。

「南の虹のルーシー」の印象に残った話し

ずぶぬれのお医者さん(16話) 酔っぱらったデイトン先生にアニーが水をぶっかける場面にはたまげた。
アデレードの設計者(21話) ライト大佐のアデレード建設の理想は現在ほぼ実現している。
虹の橋のたもと(32話) 物語の中で最もペティウェルさんに腹が立った話。ポップル家の悲しみと励まし。
草原の強盗団(37話)
ルーシーは名探偵(38話)
強盗事件にはハラハラ。ルーシーの名探偵ぶりもいい。事件には伏線があり(アダムの存在や36話でのルーシーの木登り)芸が細かく面白い。でもペティウェルさんは5万ポンド取られてざまーみろ。どうせならそのままでも・・・
リトル!リトル!(44話) リトルと再会し記憶が戻った場面がこの物語の中で一番感動的。

「南の虹のルーシー」総合評価

5段階評価です

不幸度 ☆☆☆☆ 大人の視点で見ると不幸な話しが多いです。でも雰囲気的にはルーシーたちに救われて暗くはない。
ハラハラ度 ☆☆ ハラハラと言えばリトルとハッピーとの決闘でしょうか。
地理お勉強度 ☆☆☆ ほとんどアデレード周囲に限られます。
野生動物度 ☆☆☆☆☆ とにかく多い。世界名作劇場の中でペットが最も多かった作品でしょう。
おすすめ度 ☆☆☆ 見れば満足。はまるかどうかは個人差あり。

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