小公女セーラ

昭和60年1月6日〜12月29日放送

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 話     題        名 題       名
ミンチン女子学院 24 エミリーの運命
エミリー人形 25 一日だけのシンデレラ
はじめての授業 26 年少組の小さな先生
親友アーメンガード 27 デュワルジュ先生の帰国
泣き虫ロッティ 28 夏休みの大騒動
灰かぶりベッキー 29 ベッキーの里帰り
代表生徒 30 インドから来た紳士
親切なお嬢様 31 屋根裏にきた怪物
インドからの手紙 32 壁の向こう側の秘密
10 二つのプレゼント 33 新学期のいじわる
11 プリンセスの誕生日 34 嵐の中のつぐない
12 屋根裏の暗い部屋 35 消えそうな命
13 つらい仕事の日 36 魔法のはじまり
14 深夜のお客様 37 屋根裏は大混乱
15 街の子ピーター 38 こわされた魔法
16 ロッティの冒険 39 馬小屋の寒い夜
17 小さな友メルの家族 40 アメリア先生の涙
18 悲しいメイポール祭 41 妖精たちのパーティ
19 インドからの叫び声 42 雪の日の追放
20 謎の特別室生徒 43 幸せの素敵な小包
21 涙の中の悲しみ 44 おお、この子だ!
22 屋根裏のパーティ 45 ミンチン院長の後悔
23 親切なパン屋さん 46 また逢う日まで

ロンドンの気候

 セーラたちが生活していたロンドンの気候を調べてみました。温帯に属し西岸海洋性気候(Cfb)のため比較的穏やかな気候である。夏は日本より涼しいのですが、冬はやはり寒そうです。冬の夜、冷たい水での洗濯・食器洗いの仕事はつらいに違いない。

ロンドンの気温 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 11 13 17 21 23 22 19 14
平均最低気温 11 13 12 11

セーラのはじめての授業 3話 

セーラのはじめての授業。ミンチン院長がセーラを紹介する場面で。

ミンチン「セーラさんは遠いインドからはるばる喜望峰を回ってこのロンドンに来たのです」
セーラ「あのー・・・私スエズ運河から地中海を通って来たのですけど・・・」
ミンチン「そんなことどうでもよろしい!」

この後、だめ押しにフランス語事件?が起きます。(セーラのフランス語力に、フランス語の苦手なミンチン院長は侮辱されたと激怒)
想像力と勘の鋭いセーラはこのとき既にミンチン先生に不安を感じている。
ちなみに、ラビニアの地理の知識はまずまずです。ボンベイの位置を正しくこたえました。

ダイヤモンド鉱山はどこにあるのか 10話 

 10話のはじめで、教室の黒板にたまたまインドの地図が描かれている。(たぶん地理の授業でもしたのだろう)このときセーラはロッティたちにせがまれ、インドのダイヤモンド鉱山のことを説明する。このダイヤモンド鉱山とはどこにあるのか。
 セーラの話しからハイデラバード近郊のゴールコンダという地名がでてくる。いろんな地理関係の資料を調べた結果、やはりゴールコンダにはかなり有名なダイヤモンド鉱山がある。バロー弁護士の話の中でも出た、イギリスの王冠をかざる有名なダイヤモンド「コーイヌール」は、この鉱山で産出された。20世紀になって南アフリカや南米・シベリアで産出されるまでは、インドが世界のダイヤモンドの大部分を産出していた。

インド南部拡大図イギリスとインド

インド南部拡大図 英国とインド

PTOLEMYにて制作

英国の通貨単位は変だ 18話

 18話で買い物帰りのセーラにドナルドがお金を恵んでもらう場面がある。ドナルドは親切のつもりであったが、セーラには自分が落ちぶれたことを痛感させる出来事であった。このとき貰ったのが6ペンス銀貨だった。コイン1枚で6ペンスとはずいぶん半端だなあ、と思い少し調べてみました。

 英国の通貨単位はポンド(正式にはポンド・スターリング)。補助通貨単位(日本で言う「銭」)はペニー(複数形はペンス)。1971年2月の通貨改革で10進法を採用。それ以前は古代ローマ時代から使われていた12進法を使っていた。
◇現在(1971年2月以降) 1ポンド=100ペンス
◇以前(セーラの時代) 1ポンド=20シリング=240ペンス(1シリング=12ペンス)
 つまり6ペンス銀貨とは1シリングの半分と言う意味なのであろう。

「小公女セーラ」の年代はいつ

 第1話の冒頭、字幕でご丁寧に「1885年」と表示してくれる。物語は1885年の初冬から始まり、翌年(1886年)?セーラの11歳の誕生日に父が亡くなったことを知り、同年冬にダイヤモンドプリンセスとして復活?します。クリスマスの後(翌年1887年?)、まもなくインドに向け出発します。このように年代のはっきりしている作品は世界名作劇場の中では意外に少ないものです。ちなみにセーラの生まれた年は逆算すれば1875年になります。

 ◇そのころの世界の出来事 ベンツ・ダイムラー両氏同時期にガソリン自動車を発明(1885)・日本内閣制度成立初代首相に伊藤博文(1885)
  ◇主人公と同年代の有名人 ウィンストン・チャーチル(英国の元首相 1874〜1965)  

「小公女セーラ」地名辞典

ロンドン この物語の舞台。イギリスの首都、金融・保険・海運中心地。人口700万人。ビッグベンという時計塔が有名。
インド 当時は英国の植民地。現在は世界で2番目に人口の多い国になっている。約10億人。
ボンベイ インド西部アラビア海に面した都市。人口約1300万、現在はムンバイとよばれる。 英国植民地時代に交易都市として発展、スエズ運河開通後は更に重要度を増す。
ハイデラバード インド南部デガン高原中央の都市、人口約300万。かつてハイデラバード藩王国の主都。この付近にゴールコンダの街がある。10話
喜望峰 南アフリカ共和国のケープタウンの近くの岬。かつてのインド航路はすべてここを経由していた。
ゴールコンダ ハイデラバードの近郊、ダイヤモンド鉱山があるところ。
スエズ運河 エジプト、当時英国の植民地。地中海と紅海を結ぶ運河。これによりイギリス・インド間への航海が大幅に短縮される。1869年完成。
カシミール セーラがインドで生活していた頃、別荘があったところ。当時は英領インド。現在はインド・パキスタン両国に属する地域。印パ両国による国境紛争の舞台となっている。
アッシュフィールド ベッキーの出身地。田舎。どこにあるのか確認できませんでした。

「小公女セーラ」の動物たち

いろんな動物が登場する世界名作劇場シリーズ。
一説にはキャラクターグッズの売上をのばすためとも言われる。

ボナパルト 「セーラ、セーラ」と鳴くオウム。セーラがインドから連れてきた。
シーザー ミンチン学院で飼われている猫。ドジなうえミンチンやジェームスに蹴られたり踏まれたりと皆のうっぷん晴らしに存在していたような気の毒なキャラクター。
メ ル 屋根裏部屋のネズミ。家庭を持つ。
ジャンプ セーラ専属の馬。ピーターが御者を努める。
エミリー 人形(動物じゃないけど)親切な洋服屋の主人から譲り受けた。セーラ曰く見ていないときは動き回っているらしい。
スーリャ ラムダスが飼っているイタズラ好きの猿。

小公女セーラ」の登場人物にちょっと一言

小公女セーラの登場人物にちょっと一言。おおっ!こんな人もいたのか。
普通にみていたら見落としてしまいそうな脇役なども紹介、今度ビデオか再放送で見る機会があれば彼らに注目してみましょう。

セーラ 世界名作劇場史上最高の金持ちでもあり、惨めな生活も体験した主人公。高貴な印象があるが、メイド服姿も妙に似合うような気がする。
ラルフ・クルー セーラの父。ダイヤモンド鉱山に投資するが、成功を見ずして熱病に倒れる。優しく思いやりがあるが、やや過保護気味で親ばか。
バロー弁護士 ラルフ・クルー氏の顧問弁護士。ミンチン学院を推薦したりセーラの資産を没収したりと諸悪の根元。その後はどうなったのだろう。
ベッキー ミンチン学院のメイド。一説には「小公女セーラ」人気No.1キャラとも言われる。(そう、この私も)英国人なのになぜか東北か北関東?訛り、話し方がGood!
ラビニア 世界名作劇場史上最強最悪の悪役。強いことは正義である。これがアメリカンスタン・・いやグローバルスタンダードだ。結局ラビニアには天罰は落ちなかった。もちろん大統領夫人にはなってません。
ミンチン院長 この物語の悪役の一人。「はい、院長先生」この言葉を何度聞いたことか。40話の回想場面では苦労した少女時代のおちゃめな三つ編みで登場。この回想話しでこの人の評価はいくらかマシになった。
デュワルジュ先生 27話でセーラとの別れの場面が印象的です。キダ・タローにそっくり。
マリエット セーラの専属メイド。ベテランで落ち着いているが昔はベッキー同様、相当苦労したようである。セーラがメイドになって以降、リストラされる。
ドナルド カーマイケル弁護士の息子。声がそのまんまポリアンナ(堀江美都子)。
ラビニアのおやじ あのラビニアのおやじとは思えぬまともな人格の持ち主。ラビニアを頬をたたく。
モーリー 厨房で働く魔女の様な鼻の人。ジェームスよりもあらっぽい。もし中世の時代に生まれていたら、魔女裁判にかけられて処刑にされていたであろう。得意技は飯抜き攻撃。
ワイルド先生(医師) セーラが高熱を出したときに来た医師。酔っぱらった上に誤診する始末。しかしどうして世界名作劇場に登場する医者は酔っぱらいが多いのか?(例 トム・ソーヤーの冒険・ミッチェル 南の虹のルーシー・デイトンなど)
衛 兵 セーラがじゃがいもを落としたときに拾ってくれた。無表情であるがかっこいいぞ!
ジョージ 市場の肉屋。セーラが買いに行ったときおまけをしてくれた。但しそのおまけしてくれた肉はセーラたちの口には入らない。
パスカル夫人 デュワルジュ先生の代わりに来たフランス語の先生。やはりセーラを少し気の毒そうな目で見ていた。
洋服屋の主人 セーラが人形(エミリー)を譲り受けた洋服屋の主人。最終回で再会するの場面が見たかった。
シンデレラ 6話でのセーラのおとぎ話で登場。シンデレラはドイツ語で灰かぶり娘と言う意味だそうです。(いい勉強になった)まさかこの後にセーラが同じ様な身分になるとは・・・

「小公女セーラ」について

久しぶりに見た!

 今回ビデオで「小公女セーラ」を見ました。本放送以来実に16年ぶりである。この「小公女セーラ」は私にとって世界名作劇場で本放送を全て見た最後の作品となった。当時私は小学校を卒業し中学生になった頃である。中学生になると大抵の人は世界名作劇場を見なくなるが、私も例外ではなかった。とても暗い印象の作品で正直、最初はあまりビデオを借りる気がすすまなかった。試しに最初の1巻だけを見てから、すっかりはまってしまいました。わずか半月の間に10巻(全46話)すべて見てしまった。

小公女セーラの感想

 世界名作劇場史上最高の大富豪と極貧生活を体験する数奇な運命を辿るセーラ。極貧生活期間は全体の2/3の31話(12話〜42話)ですが、強烈に記憶に残っていたせいか、もっと長かったような気がします。(31話とは意外に短く感じます) ついにはミンチン学院を追放され、ピーターたちの貧民街で生活しマッチ売りの少女まで演じてしまったが、貧しくても奴隷ではありませんでした。まだこの方がマシでホッとさせられました。セーラはいかに精神的・肉体的に苦しくても、自分から逃げることはしませんでした。(冬の冷たい水で食器洗いをしてみろ、辛いぞー)プリンセスとしての誇りが決してそうはさせなかったのでしょう。
 この物語の悪役はミンチン院長とラビニアですが、どちらがより極悪かと言えば、やはりラビニアに軍配が上がるでしょう。セーラが貧乏になる以前からあの手この手で嫌がらせをし、貧乏になってからは目を覆うものがありました。アーメンガードからいじめる理由を問われる場面がありました。そこでラビニアはセーラが貧乏になってもめげない、誇りを失わない(極端な言い方をすれば貧乏人らしくしない)のが腹が立つようなことを言っていましたが、ラビニアの性格からすれば、どういう理由があってもいじめていたでしょう。なぜならセーラがいじめられるまではアーメンガードがいじめの標的だったようです。しかもラビニア派の連中と同じ部屋で寝泊まりしてたくらいですから、精神的苦痛はかなりあったと思います。
 いじめられたりバカにされたり差別されたりして、屈辱的体験をしても、それをバネにして反骨精神に代えて人を見返してやる。このような生き方や物語が私は好きである。(自分はそこまで立派な人間ではありませんけど)この「小公女セーラ」は、それとは少し違いますけど見る側にとっては、見返してやった、という快感はありました。本当にセーラが死んだり自殺なんかしなくてよかったです。 

小公女セーラの時代背景について

 「小公女セーラ」に限ったことではないが、世界名作劇場の時代(主に19世紀末)の世界は、裕福な上流階級と貧困にあえぐ下層階級にはっきり分かれている。(セーラを見ると痛いほどよく分かる)現在の英国も階級社会といわれているが、セーラの時代に比べ、少なくとも先進国では、はるかに改善されている。
 ラルフ・クルー氏はインドでダイヤモンド鉱山を開発し莫大な富を得たが、これはインドから資源を収奪した、すなわち、インド人か見れば悪人である。私はどうしても、支配された側のインド人の悲劇も考えてしまう。この当時の英国など西欧諸国の繁栄は植民地からの資源の収奪と奴隷に近い安価な労働力によって支えられたと言うことを忘れてはならない。(戦後、日本と違い植民地を手放した英国が、没落したのは至極当然の結果である。)

実写映画版小公女セーラ「リトルプリンセス」(米国)について

 本ホームページにリンクしているHIRAO氏のページで、小公女セーラの実写版の存在を知った私は直ぐにレンタル店でビデオを借りてきた。以下の文章はアニメ版(日本版)との比較を中心に書いています。
 舞台はアメリカ、ニューヨーク。時代も第1次大戦中と異なっており、セーラの父は第1次世界大戦に従軍し目を負傷した上、記憶喪失になってセーラは一文無しになってしまいます。エンディングはやや強引にハッピーエンドになります。(くわしくはビデオ又はあらすじならHIRAO氏のページをごらんになって下さい。)
 主人公のセーラは、アメリカ人らしくやや自己主張の強い感じで、ミンチン先生を「鬼のミンチン」と呼んだり、ベッキーと一緒に煙突からの灰攻撃をしたり、アメリア先生に駆け落ちをそそのかしたり?、特にラビニアに対する呪いの踊りには大爆笑でした。空想好きやお話好きはアニメ版と変わりませんが、アニメ版のセーラとは性格がかなり異なっており、違った印象を受けます。それに引き替えラビニアはずいぶんおとなしく描かれている印象で、イジメもアニメ版に比べれば屁みたいな?ものです。(わずか100分程度ですから・・)ミンチン院長は怖いおばさんという点でアニメ版と全く同じ印象ですがハープを弾く姿はちょっと意外でした。
 あとアニメにはなかったセーラのインドでの生活が描かれており、物語全体でのインドに対するイメージがラムダスさんも含め、やや神秘的に描かれ過ぎているような気がしました。(西洋人の好きな東洋の神秘てやつか・・・)

なぜセーラはベッキーをメイドにしたか

 この物語の最後でセーラは親友だったベッキーを自分の専属メイドにします。このセーラの行動に疑問や違和感を感じた人は少なからず居たはずである。私も何か釈然としない思いを感じました。確かにミンチン学院に雇われるのに比べたら、はるかに待遇は良くベッキー自身も満足しており、当時の英国の階級社会においては慈悲深く褒め称えられる素晴らしい行為だったに違いない。すなわちこの行動に対する違和感は、現代の価値観・尺度で考えるために感じるのではないか、歴史や過去の物語は現代の価値観では考えない方が良いのかもしれない。当時を生きた人々の価値観やその時代・地域の文化、社会制度を前提において考えることが世界名作劇場を見る上で、あるいは歴史を知る上でも必要ではないかと思いました。

「小公女セーラ」の好きな話し

謎の特別室生徒(20話) ラビニアの企みが父にばれ、ぶたれる。ざまー見ろ。この話しがなければセーラ派の視聴者はとても1年間、耐えられなかっただろう。
一日だけのシンデレラ(25話) ミンチン院長の苦肉の策で一日だけでも教室に戻れた。少しだけホッとした。
デュワルジュ先生の帰国(27話) あのデュワルジュ先生宅への走っていく姿が感動的。でもなぜデュワルジュ先生宅を知っていたのでしょうか?
ミンチン院長の後悔(45話) ミンチン院長が徹底的に打ちのめさせられた場面。これでミンチン院長対する視聴者のうっぷんは幾分晴れた。
また逢う日まで(46話) 今までお世話になった人々との再会が、また感動的。ラビニアは最後までラビニアらしい。

「小公女セーラ」総合評価

5段階評価です

不幸度 ☆☆☆☆☆ 5段階評価だが☆10個でも足りないくらいです。
恐怖度 ☆☆☆☆ むかついた時のラビニアと怒ったときのミンチン院長の顔が怖すぎる。そんな表情で鏡を見ると割れるよ、きっと。
地理お勉強度 ☆☆ インドでの話しがあればですが、面白くないか・・・
いじめ度 ☆☆☆☆☆ いじめがすご過ぎる。「よい子はマネしないように」のテロップを出すべきです。(^_^;)
おすすめ度 ☆☆☆☆☆ 絶対おすすめ、一度見たらはまります。ただ幼児には精神衛生上刺激的過ぎますのでご注意を。

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