トム・ソーヤーの冒険

昭和55年1月6日〜12月28日放送

トップページへ戻る

 話         題        名          題       名
トムとハックとブタ騒動 26 子役のリゼット
ごきげんなペンキ塗り 27 お芝居の始まるまで
トム一目ぼれをする 28 リゼットを助けろ!
サムじいさんのおまじない 29 突然のさよなら
恋は異なもの味なもの 30 ハックの父親
ハックの家作り 31 数を数えろ
ライバル登場 32 黄金をみつけた!
あこがれの蒸気船 33 自由に向かって逃げろ
ポリーおばさんの子供たち 34 天から降ってきた男
10 村の嫌われ者 35 空を飛びたい
11 海賊の宝 36 気球を直そう
12 ベッキー・サッチャー怒る 37 空からの眺め
13 海賊になるんだ 38 おそろしい出来事
14 海賊に学校はない 39 良心の痛み
15 冒険、冒険また冒険 40 マフ・ポッターの裁判
16 トム・ソーヤーの葬式 41 インジャン・ジョーの行方
17 運の悪い日 42 楽しい船の旅
18 痛い仲直り 43 白い馬を見た
19 蛙の戦い 44 稲妻をつかまえろ
20 ドビンズ先生の秘密 45 さらば白馬よ
21 夏休みの始まり 46 化物屋敷で
22 病気にならない薬 47 マクドウガルの洞窟
23 ナマズ釣りの日 48 インジャン・ジョーの最後
24 ネクタイをしたハック 49 格好の悪い終わり方
25 意地っ張り野郎

セントピーターズバーグは実在の街か

セントピーターズバーグは架空の地名である。いくら地図帳を探し回ったけど見つからなかった。だがモデルとなった町は実在するようである。原作者マーク・トウェーンはミズーリ州ハンニバルで少年時代を過ごし、そのころを懐かしんで創られたのが「トム・ソーヤーの冒険」だと言われている。よってセントピーターズバーグはハンニバルがモデルだと言われる。

マーク・トウェーン(Mark Twain)1835〜1910
ミズーリ州フロリダ生まれ。4歳の時にハンニバル移ったが1861年父の死去により印刷工となり各州を転々、ミシシッピ川の蒸気船の水先案内人となるが、南北戦争勃発により職を失う。南軍に志願、しかし直ぐに退役し銀鉱採掘に参加。後に新聞記者となり「マーク・トウェーン」のペンネームで作家としてデビューする。

シッドは地理がお好き?

 第3話でセントルイスから帰ったメアリーがお土産にシッドに送った「WORLD GEOGRAPHIC(世界の地理)」という本。シッドがメアリーにわざわざ約束していたそうでその場で読み始める。シッドは地理がよほど好きな様子。もちろんトムは全く興味を示さず。ちなみにトムは飾り物の短剣をもらった。(もっとも最初は本物の短剣と思いこんでいた)

セントルイスとクインシー

セントルイス

トム・ソーヤーの冒険の中でもっともよく出てくる地名がセントルイスである。ハンニバルより約150キロ下流の同じミズーリ州の都市。現在は人口40万人。
第3話のベッキーの出身地。父のエドワード・サッチャーがセント・ピーターズバーグの村の裁判所で判事をする為にセントルイスから家族でやってきた。
第7話 アルフレッド・テンプルの出身地 セントルイスからやって来た転校生。父は村の製材所の主任技師。ウォルターという使用人を雇っているほどだからそこそこ金持ちなのだろう。
第41話 逃亡したインジャン・ジョーをつかまえるためにセントルイスから呼んだ探偵ピンカートン氏。比較的大きな町であるにも関わらず本当にこんなヘボ探偵しか居なかったのだろうか。
第42話でトムたちの乗った蒸気船が寄港する。そこでベッキーは降りる。

クインシー

実在の町ハンニバルをセントピーターズバーグとすればクインシーは北、上流へ約30キロの距離となる。
第8話での蒸気船の行き先。
第23話 ベン・ロジャースの親戚が居る。
第30話 ハックの家でハックとトムの会話中に噂話しとしてハックの父が滞在していたと推測される町。その後ハックの父は戻ってくることに。

ヒマシ油ってなんだろう

 第9話でヒマシ油と言う薬が出てきました。今はあまりなじみのない薬ですがどういう物か調べてみました。
 ヒマシ油(蓖麻子油)蓖麻子、別名 トウゴマともよばれるトウダイグサ科の一年草。原生地は熱帯アフリカ。種子からとれる油状の液体のこと。とてもまずいらしく、海外では子供が悪い事をした時に罰としても飲ませてたらしい。下剤としての効果が強く、また工業用としても化粧品・絶縁材・ブレーキオイル・防水ラッカー・塗料などにも使用される。たぶん日本では下剤として使われることはほとんどないと思います。(少なくとも私は飲んだことがありません)

「トム・ソーヤーの冒険」の印象に残った場面・台詞

第3話 決定的瞬間 黒人のメイドが白人に変身 

 セントルイスから引っ越してきたサッチャー家。ベッキーが部屋の整理をしているとき黒人のメイドが花の鉢を持って部屋に入ってくるが、その瞬間白人になっていた。ほんの2秒程度。瞬きしていると見逃してしまうのでビデオを持っている人はよーく見てみましょう。

第9話 「ハック・フィン」シッドが告げ口、メアリーの表情

 風邪で帰宅したポリーおばさんはトムのことをメアリーにたずねる。「お友達が病気になった」と言い、ポリーは誰が病気にと聞き返す。「誰だったかしら?」とメアリーとぼけるが、シッドが「ハック・フィン」とはっきり答える。そのときのメアリーの表情が面白い。メアリーがトムとハックがつき合っていることに理解をしていることを示す場面でもある。

第33話 モーリスの逃亡 奴隷社会の現実

 明るいトム・ソーヤーの冒険の話の中でひときわ暗く重苦しく緊張感のあった33話「自由に向かって逃げろ」。奴隷制度が残る当時の現実を見せられる話しでした。モーリスやジムたちが自由を手にするにはエイブラハム・リンカン大統領の奴隷解放宣言1863年(布告1862年)待たねばならなかった。ただその後も人種差別政策は続けられ完全に黒人に白人と同等の権利が認められるのは1964年の新公民権法の成立後となる。

第34話 「この化け物が来たとき保安官を辞めたくなったよ」意外と頼りにならない?保安官コリンズ

 気球に乗ってきたアーサー・オコーナーに対し銃で威嚇し世間知らずぶりを見せる結果に。40話では裁判所からインジャン・ジョーを逃がすし48話ではマクドウガルの洞窟でインジャン・ジョーを生け捕りはおろか射殺もできなかった。もちろんそれなりに勇敢でもあるのだが。

「トム・ソーヤーの冒険」の年代はいつ

 奴隷制度が残っているためリンカーンの奴隷解放(1863)以前だということは容易に想像がつく。原作者マーク・トウェーンの少年時代の思い出を懐かしんで書かれた言われる。マーク・トウェーンは1835年生まれで少年時代すなわちトムと同じ年頃となると1846年頃と推測できる。

  ◇そのころの世界の出来事 フランス2月革命(1848)・アメリカ、カリフォルニアでゴールドラッシュ(1848)
  ◇主人公と同年代の有名人  アルフレド・ノーベル(1833〜96)・福沢諭吉(1834〜1901)

「トム・ソーヤーの冒険」地名辞典

アメリカ中部拡大図

左図上部、ミシシッピ川流域のハンニバルがセントピーターズバーグのモデルとされた街です。ミズーリ州に属するが直ぐ対岸はイリノイ州である。
ちなみにハンニバル〜セントルイスまで直線で約150q。
43〜45話で訪れたヘルプス農場があるのはアーカンソー州のリトルロックとミシシッピ川の中間点と思われる。
←ミズーリ州の位置
人口511万、面積18.545km2(日本の約半分)、州都ジェファーソンシティ

PTOLEMYで作成

ミシシッピ川 北米大陸を南北に流れる世界で3番目に長い大河。上流まで外輪船で航行可能。
セントルイス ベッキーとアルフレッドの出身地。ハンニバルより約150キロ下流の都市。現在は人口40万人。42話でトムたちの乗った蒸気船がセントルイスに寄港。
イリノイ州 トムたちの村からはミシシッピ川を挟んで対岸。15話でトムが泳いでいく。
クインシー クインシー(Quincy)イリノイ州 ミシシッピ河畔に位置し対岸はミズーリ州。
アーカンソー州 トムの親切のペルプス農場があるところ
ミズーリ州 セントピーターズバーグ(ハンニバル)のある州。イリノイ州とはミシシッピ川をはさんで対岸。
シカゴ アーサー・オコーナーはシカゴの陸軍兵器研究所からトムの村にやってきた。(流されてきた)
ニューオーリンズ ミシシッピ川の河口に位置する町。蒸気船の終着点。リゼットの出身地
リトルロック アーカンソー州の州都。ヘルプス農場はリトルロックとミシシッピ川の中間点にたぶん位置するのだろう。
ケアロ ミズーリ・イリノイ・ケンタッキー3州の境界にある町。33話で黒人奴隷が自由を得られると言うところ

「トム・ソーヤーの冒険」のあまり知られていない人物

普通にみていたら見落としてしまいそうなサブキャラクターたち。
主なキャラは他のホームページで紹介していると思うのでそちらの方でご参照してください。

いかだのおじさん 名前は出てこず。トム・ソーヤーの冒険で最初に登場した人物。いかだで川下り。実は第8話でも登場、トムとハックを助ける。
マイク 通称べそかきマイク。蒸気船パイロットの見習い。村から出ていったきり所在不明であったがトムたちと再会。泣きべそかきにしたのはトムの仕業との説も。8話
ハックの父 飲んだくれで怠け者、それだけならマフと変わらないが嘘、暴力に盗みなどはたらきハックや村人にも嫌われている。それでもハックの母が死ぬまではややまともだったようだ。
ファーガソン夫妻 ファーガソン牧場主。トムは芝居を見るためにポリーおばさんから古家具を届ける仕事を任される。27話 ちなみにファーガソン牧場はトムの入れ知恵でハックの隠れ家ともなる。30話
マスターソン博士 シカゴの陸軍兵器研究所の博士、気球を研究中。もっとも自分の開発した気球には乗ろうとしない。(命がおしいので) 37話
フィッシャー弁護士 マフ・ポッターの裁判でのマフの弁護人。トムに襲いかかるインジャン・ジョーを阻止する勇気をも持つ。40話
ピンカートン インジャンジョー追跡のために保安官が雇った探偵。見てそのままのヘボ探偵。41話
ロビンソン 新しく村にやってきた医者。研究熱心も度が過ぎ死体の解剖などもす。実際に登場したのはインジャン・ジョーに殺されるときのみ。
マコーミック インジャンに殺されたロビンソン先生の死体発見者。
ダグラス夫人 最終回でハックを養子にする。名前だけなら以前にも登場、第34話でトムとポリーおばさんらとの会話で。
マーガレット・サッチャー ベッキーの母。たまたま英国の元首相と同じ名前。

「トム・ソーヤーの冒険」の動物たち

いろんな動物が登場する世界名作劇場シリーズ。一説にはキャラクターグッズの売上をのばすためとも言われる。

ピーター トムの家で飼われているペットの猫。赤く太った猫で、ハックが猫の鳴きまねをすると出てくる。
シーザー ベッキーの家で飼われている犬。トムと非常に相性が悪く、トムを見ると訳もなく噛みつきにくる。
天 才 カエルのジャンプ競争のためにトムがつかまえてきたカエル。腹に石を入れられる。
ハッピー カエルのジャンプ競争で天才のライバルとなったカエル。飼い主のチャーリーに顔が似ているらしい。
1話で登場。ハックがつかまえた野生の豚。蒸気船の中で大暴れ。
稲 妻 アーカンソーのペルプス牧場付近にいる野生の白馬。稲妻のように走り、人間に絶対従わない。

「トム・ソーヤーの冒険」について

世界名作劇場にはまる!

 平成12年1月、レンタルビデオ店で偶然昔懐かしいこの「トム・ソーヤーの冒険」のビデオを発見した。早速ビデオを借り見ると、放送当時から憶えている場面、忘れかけていた場面があり、当時のワクワクした気持ちを思い出しながら、わずか半月で全ての話しを見終えた。このことをきっかけに「世界名作劇場」と言う番組を思い起こし、インターネット等で情報収集をしているうちに、他の作品にも興味が湧いてきた。レンタルビデオ店の同じコーナーには「ペリーヌ物語」や「アンネット」など昔懐かしい作品の他、「ロミオの青い空」など全く知らない作品もあって、以来半年間毎週のようにレンタルビデオ店に通った。私における世界名作劇場ブームはこの「トム・ソーヤーの冒険」からはじまったのである。

「トム・ソーヤーの冒険」の感想

 「トム・ソーヤーの冒険」は当時小学校1・2年生だった私の冒険心を充分満足させてくれました。また笑いが取れることもこの作品の特徴です。家出をし自分の葬式の日に帰ってきたり、ドビンズ先生のかつらを取ったり、「笑わす」という意味でこれほど面白い作品は世界名作劇場の中では「トム・ソーヤーの冒険」以外にありません。
 トムは大変なイタズラ坊主ですが、別な言い方話すればあれだけいろんなイタズラが思いつくことから、頭の回転が良く本当は頭がいいのかもしれません。更にトムはマフ・ポッターの無実を告白するためには勇気を見せたり、逆にマクドウガルの洞窟では弱みを見せたりし、(番組ナレーションもトムの声で心情が語られていた。)私にとっては世界名作劇場の中でもっとも親近感の持てた主人公です。
 また相棒のハックも魅力的なキャラです。主人公トムと相棒のハックが繰り広げるドタバタ劇は、「未来少年コナン」のコナン・ジムシィを彷彿させる絶妙のコンビです。また木の上にあるハックの家には当時強いあこがれを感じました。このような感想を持った人はきっと私だけではないでしょう。あとこの作品にになくてはならないキャラにはインジャンジョーがあげられます。彼が登場しただけで醸し出される威圧感と恐怖感(インジャンジョー用のBGMあり)、今見ても放送当時と同じくらいゾクゾクさせられます。事実彼はセントピーターズバーグに於いていろんな事件を起こします。その中でも墓地での殺害事件(38話)とマクドウガルの洞窟でのインジャンジョーの最後(48話)の場面は強烈に印象に残っています。登場回数は意外に少ないのですが、居なくてはならないキャラです。彼がいなければこの「トム・ソーヤーの冒険」は気の抜けた物になっていたかもしれません。
 でもこういう作品はもう制作されないのでは、と思ったりする。なぜなら「宿無し」といった表現や奴隷制度、学校での体罰、家出など度が過ぎたいたずらなど教育熱心な親やお偉い評論家から抗議がきそうだ。そういった意味で今は息苦しい世の中になってしまったのかな、と思うと少し残念な気がする。

 「トム・ソーヤーの冒険」の印象に残った話

あこがれの蒸気船(8話) この話しを見て自分まで蒸気船に乗ってみたいと本気で思った。(放送当時)
トム・ソーヤーの葬式(16話) 世界名作劇場史上最大のイタズラ。
自由に向かって逃げろ(33話) 明るいトム・ソーヤーの冒険の話の中でひときわ暗く重苦しい緊張感のあった話し。
マフ・ポッターの裁判(40話) トムに襲いかかるインジャンジョーの顔が怖すぎる。
インジャン・ジョーの最後(48話) 最もハラハラ・ドキドキさせられた話しです。何度見てもゾクゾクさせられます。本当にインジャンジョーは死んだのだろうか。

「トム・ソーヤーの冒険」総合評価

5段階評価です

不幸度 天真爛漫にやってましたから大きな不幸はなかったですね
ハラハラ度 ☆☆☆☆☆ インジャンジョーが出るたびにハラハラさせられました
貧乏度 ☆☆ 奴隷を雇ってたくらいだからそれなりに裕福ではないかな
地理お勉強度 ☆☆ 冒険といってもセントピーターズバーグ周辺に限られてましたから
おすすめ度 ☆☆☆☆☆ とにかく笑えます。

戻 る