読 書 室
 
 株式投資や企業研究、経営学の本を中心に読んだ本の内容をまとめています。読んだものはなんでも書いていくつもりですので、株式以外にも私の好きな旅行関係の本や英語関係の本も出てくるかもしれません。記した内容については短時間にまとめているため誤解や要約不備がある場合があり得ますので、ご了承ください。
 なお、@読みやすさ、Aカタカナ日本語の少なさ、B内容の頭への残り易さ、Cおすすめ度、を本の題名の後に3段階評価しています(3が優れていて1が劣っている。全くの私見。)。



50 「新版 中国株で1億円儲けた!」 (小泉鉄造 ダイヤモンド社 1400円 2003/12) @3A3B3C2
 題名の胡散臭さとは裏腹に、内容は至極まとも。著者は中国株を安いときに買う、ということを繰り返して中国株で一財産築いた。今までにどのような動きが中国市場(主に上海B株市場)で起こってきたのか、時系列でわかる。上海B株各銘柄の解説も参考になる。日本株でこの内容の本なら買わないが、情報の少ない中国株の基本としては役に立つ(2003.12.25)。


49 「中国上場企業ガイド」 (内藤証券中国部編 近代セールス社 1800円 2003/10) @3A3B2C3
 下の48と同様、会社四季報の中国株版。掲載株数はこちらの方が少ない(2003.12.25)。


48 「2003〜2004年版 中国企業情報」 (サーチナ 中経出版 2800円 2003/7) @3A3B2C3
 会社四季報の中国株版と言ったところ。SARS関連の銘柄特集もあり。中国株自体には情報が少ないので、中国株投資を行うのであれば、この手の本は最低1冊は必要であろう(2003.12.25)。


47 「中国株の基礎知識」 (邱永漢 東洋経済新報社 1400円 2003/11) @3A3B3C3
 中国人の生活や中国人投資家の性格などに言及しながら、中国株を買うときの心構えや各産業ごとのトピック、関連銘柄などがわかりやすく書いてある。中国株を買う際の初心者向け参考書としては最適ではないだろうか。著者のホームページ(http://www.9393.co.jp/)も内容豊富でおすすめ(2003.12.25)。


46 「中国のことを知ってから中国株をはじめましょ!」 (柏木理佳 かんき出版 1400円 2003/6) @3A3B3C2
 キャセイパシフィック航空のスチュワーデスであり、その後に北京に語学留学した著者が、中国の現状や中国文化を交えながら、中国株について解説。手軽に現在の中国の現状とトピック毎の関連銘柄がわかる。株式の解説自体に深みはない(2003.12.25)。


45 「TOEIC Test 「正解」が見える」 (キム・デギュン 講談社インターナショナル 1900円 2003/2) @3A2B3C3
 TOEICによく出る単語・熟語、リスニングテストのコツ、裏技等、内容豊富。今まで何冊かTOEIC対策本を読んだが、これはピカイチ。この本だけのおかげかはわからないが、この本を読む前の私の最高点850点、この本を読んだ直後の試験で910点、多少なりともこの本の恩恵である(2003.06.21)。


44 「一日一食断食減量道」 (加藤寛一郎 講談社プラスα新書 800円 2002/11) @3A3B3C3
 たくさん食べながらやせたい人に向けて、一日一食にしてその一食だけは思いっきり食べようと言う(一食だけ思いっきり食べてもせいぜい2食分しか食べられないから必ずやせる)。そして、この方法なら簡単にやせられるので、リバウンドしてもまたやせればよいとする。このような方法だと健康を害するのではないかという疑問に対しては、余分な脂肪が燃焼されるだけで人間の体はそんなに柔ではない、という。後書きでは、元東大医学部長がこの方法を支持している。そして、私はこの方法で、2ヶ月で7kgやせた(その後もペースをゆるめながらも体重は減少している)(2003.06.21)。 


43 「流通戦略の新発想」 (伊藤元重 PHP新書 720円 2003/3) @3A3B3C3
 雑誌連載記事をまとめたもの。森ビル、イトーヨーカ堂、イオン、しまむら、伊勢丹、丸井、ヤオコー、吉野家、赤福及び菱食を取り上げ、社長インタビューと企業戦略の考察を行いながら、「付加価値」「効率化」等をテーマとし、今後の流通業の方向性について書かれている。雑誌連載記事のためか、もう少し深く解説が欲しいところもあるが、伊藤先生の本は相変わらずわかりやすくかつ読みやすい(2003.03.23)。


42 「国際人の英会話学習法」 (スティーブ・ソレイシィ 角川書店 667円 2003/3) @3A3B3C3
 どちらかというと内容は英会話の初心者向けだが、考え方は万人向け。英語での質問をなるべくワンパターンにしようという考えのもと、本書では応用性の高い May I have 〜を使用して英会話を行うべきとしている。例えば、「バターをと取っていただけますか?」で May I have the butter? 、「こちらに来てちょっと見ていただけますか?」で May I have some help over here? 等々。覚えが悪い人にはこういうワンパターン化が効果的。私も覚えが悪いので、何か欲しいときは常に Could you give me 〜を使っていたが、今後はそれ以外にも応用できそうな May I have 〜を多用することにするつもりである(2003.03.21)。


41 「よしもと革命宣言」 (吉本総合研究所編 幻冬舎 1500円 2002/11) @3A2B2C2
 吉本興業の方向性を、東京本社の立場(吉本興業は大阪本社と東京本社の二本社体制)からコンテンツ関連を中心に解説(なお「吉本総合研究所」=吉本興業)。今後のコンテンツ制作について、タレントマネージメント、コンテンツ制作、コンテンツ配信の垂直化を行い、いずれも吉本興業で行うという戦略が中心。また、音楽事業、テレビ番組制作事業、映画事業等について簡潔な解説があるので、それらの業界のビジネスモデルについても理解できる。ただし、時々、同じことを2度解説したりして、文章が変になる(たいしたことはないのだが)(2003.01.19)。


40 「吉本興業の秘密 会社編」 (大阪お笑い総合研究所 データハウス 971円 1994/4) @3A2B2C1
 当時はやった「○○の秘密」(「サザエさんの秘密」等)の一種。内容どうこうの前に、どの話が本当でどの話が嘘だかさっぱりわからない(2003.01.19)。


39 「吉本興業の研究」 (堀江誠二 朝日文庫 550円) @3A3B3C2
 吉本興業を中心に上方演芸史を解説。明治時代の吉本発祥から、多くの演芸場の買収による急成長、当時扱いが低かった漫才の重点化、松竹との企業戦争、戦後のテレビを睨んだ舞台作り、など、吉本が演芸に果たした役割をメインに詳述してある。ただ、戦後、映画館運営から再興した吉本が、なぜ現在650人ものタレントを擁するようになったかに触れられたおらず、また、吉本新喜劇についてもあまり触れられていないのが残念。巻頭に吉本興行の社訓が掲載されており、その中に「株主の信認に応えなければならない」とあるが、その割には、吉本興業のホームページにIR情報がなく、株主対応は遅れている(2003.01.17)。


38 「藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 上」 (藤巻健史 光文社 1500円) @3A2B2C3
 副題は「為替と金利はなぜ、いつ動くか」で、副題どおり、為替と金利(短期金利及び長期金利)についてわかりやすく解説している。私は、為替が1ドル100円から1ドル120円になるとどうして円安なのか、金利が1%から2%に上がるとどうして国債価格が下がるのか、ちょっと考えないとわからない程度の頭であるが、その程度の人間でもわかるように書いてある。また、日経新聞の金融先物欄や債券先物欄の読み方についても解説してあり、為替と金利の知識が豊富になった(2003.01.11)。


37 「2003年 この会社が勝つ」 (島野清志 エール出版 1700円) @3A3B3C2
 勝ち組企業にはどんな企業があるのか概観するにはよい。勝ち組企業の選択が主観的な感じがするが、ここに書いてある企業を参考に、興味を持てば、自分で調べてみればよいのではなかろうか。この本を読んで、今まで検討したことのなかった企業を投資対象に入れるために使用できた。なお、発行から3ヶ月程度経っているので、すでに古くなっている記事が多少ある(2003.01.10)。


36 「株式投資これだけはやってはいけない」(東保裕之 日本経済新聞社 1400円) @3A2B3C2
 個人投資家の心構えが書いてあるが、著者がトレーダー出身のため、どちらかというと短期的な投資家向きに書かれている。そのため、ロスカットは早めにとか、指し値はするなとか、薄商い銘柄は価値半減、とか、私とは相容れない内容も多い。しかし、トレーダーがどのように行動しているかが数多く書かれており、なかなか有益である。また今まで、SQというものがよく理解できなかったのだが、本書にその内容と影響が簡潔にわかりやすく解説してあり、非常に役立った(2003.0106)。


35 「私は金正日の極私警護官だった」(李英國 ブックマン社 1238円) @3A3B3C3
 つい先日韓国で発売されて日本でも話題になった本の日本語訳。著者は、金正日の親衛隊たる警護官を辞めた後、韓国への脱出をはかり失敗。政治犯強制収容所での生活を経て、韓国への脱出を再度挑戦し成功。これらの体験を通じて、金正日の生活、強制収容所の実態が詳しく書かれており興味深い。しかし、この本に出てくる著者の家族などはおそらく強制収容所送りかすでに殺されているのであろうから、やりきれない。なお、政治犯強制収容所については、「北朝鮮絶望収容所」(安 明哲 KKベストセラーズ 1600円)、「北朝鮮脱出」(姜 哲煥、安 赫 文春文庫)などでもその酷い実態が記述されている。


34 「金儲け哲学」(糸山英太郎 かんき出版 1600円) @3A3B3C1
 かつては仕手戦で活躍し、現在はJALの大株主である著者の投資方法や生い立ち、人生論。この人の投資方法は莫大な資金がないとできないもののため私には役立たないし、人生論も、不良少年が努力の他に後ろに手が回りそうなことまでやって這い上がっていく過程なので役に立たない。単に、著者の名前を見て、こういう人はどんな汚いことをやっているのだろうか、と興味を持ちながら読む程度か。


33 ビジネス版 悪魔の辞典(山田英夫 日経ビジネス人文庫 524円) @3A1B2C3
 アンブローズ・ビアス「悪魔の辞典」と同様の形式で、ビジネスに関する事項に関して、皮肉たっぷりに辞典風に解説。手軽に読めるのでおすすめ。
 いくつか抜粋すると、
 【グローバルスタンダード】 例外的な一国の標準を日本に導入しようとするときに頻繁に用いられる。
 【ベンチマーク】 英語にしただけで、堂々と他社の真似ができるようになったもの。
 【フランチャイザー】 鵜飼い。
 【株主総会】 まったく偶然に日程が重なる儀式。しかも毎年。
 【不正な処理】 パソコンで、何も悪い事をした覚えがないのに、パソコンからお叱りを戴くこと。


32 「在庫が減る!利益が上がる!会社が変わる!」(村上悟・石田忠由 中経出版 1300円) @3A3B2C2
 副題は、「会社たて直しの究極の改善手法TOC」。ということで、TOCの解説書。TOCは生産管理でよく使われるものだが、生産管理に携わる者でなくてもわかりやすいように書かれており、かつ、文章自体も読みやすい。1,2日で読める。個人的には、ザ・ゴール2の5つの道具の書き方、使い方がちょっとわかりづらかったので買ってみたが、簡潔に解説してあって、理解が進む。ザ・ゴールとザ・ゴール2の復習には適しているのではないか。


31 「ザ・ゴール2 思考プロセス」(エリヤフ・ゴールドラッド ダイヤモンド社 1600円) @3A3B2C3 
 ザ・ゴールの続編。TOC理論の一部分をなす思考プロセスに関して、ザ・ゴール同様に小説形式で紹介されているが、ザ・ゴールと違い、小説の流れがスムーズで、かつ、ザ・ゴールで展開された本題とはほとんど関係のない妻との離婚の危機などの話がない分、非常に読みやすい。具体的には、<現状問題構造ツリー>、<対立解消図(雲)>、<未来問題構造ツリー>、<前提条件ツリー>、<移行ツリー>の5つを使って、問題を解決していく手法がかかれている。特に、<対立解消図(雲)>については、問題の論点がどこにあるのかを、簡単に、かつ、明確に表現できるため、利用できそう。


30 「仕事は楽しいかね?」(デイル・ドーテン きこ書房 1300円) @2A2B2C2
 Amazon.com(日本版)で売上げ1位だったので買ってみた。主人公が足止めを食らったシカゴ空港でビジネスの天才に、一晩、ビジネスのヒントに関する講義を受ける。いろいろな成功者の例が出てくるのだが、アメリカ人の実例なのでまったく馴染みがなく親しみを感じられない。訳もあまり上手いとは言えないのではないか?まあ、次のような言葉は印象に残るものではあったが...
 「”明日は今日と違う自分になる”だよ」
 「(革新といって然るべきものを生み出した)十六の企業は、持つべき姿勢をしっかり育てて、それから画期的な成功を収めたんじゃない。画期的な成功を収めて、それから持つべき姿勢について、もっともらしい話をしたんだ」
 「小説を書くためのルールは三つある。残念ながら、どんなルールなのかは誰も知らない」
 「(白雪姫の製作に関して)MBAとウォルト・ディズニーがいま会話をしているとしたら、MBAはこうも言うかもしれないね。『ぼくたち一生懸命やってますけど、どうして七人のこびとが必要なんです?−六人じゃいけないんですか』」


29 「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラッド ダイヤモンド社 1600円) @2A2B2C2
 最近本屋に山積みになっているTOC(Theory Of Constraints 制約理論。工程上にあるボトルネックに基づいて生産量を決定し最終的なスループットを増やすとする理論。)の解説書。物語形式で読みやすくしているようだが、物語の構成がちょっとちゃち。訳もところどころわかりにくい。TOCを学ぶためならこの本を読む必要はないと思うが、この本の良いところは、困難にぶち当たっても何かに頼って答えを見つけるのではなく、自分たちで一つ一つ考え抜いて解決していくことに意義があるということを教えてくれるところ。
 ちなみに、「ザ・ゴール」の題名は、主人公の最終的な目標が何にあるかというところからTOCの物語が展開していくことによるのだが(主人公の場合、民間企業に勤めるのでお金を儲けること)、私のように公務員の場合は、国民の幸福であろうか?(私のまわりを見回しても、国民の幸福のために仕事をしていると考えている人はほとんどいないように見えるのは残念)それでは国民の幸福を達成するために必要なことは何であろうか?何が指標となるのか?ちょっと考え込んでしまう。


28 「図解雑学 統計」(今野紀雄 ナツメ社 1200円) @2A3B2C2
 25で紹介した本の統計学版。こちらの方が難しい。それでもおそらくわかりやすく書かれているのだと思う。ただ、もうすでにこのレベルで私には手に負えない部分もある。確率、相関、推定、検定の基礎が学べる。


27 「吉野家の経済学」(安部修仁・伊藤元重 日経ビジネス文庫 600円) @3A3B2C3
 26の伊藤教授の本がわかりやすかったので買ってみた。伊藤教授と吉野家の社長の対談集だが、吉野家の価格、もの、人、店舗、ブランドについて、その秘密が惜しげもなく披露されている感じ。特に、280円への価格改定に際して、組織、流通、マニュアル等々いろいろな変更があったことは興味深い。また、いろいろな外食産業が登場するので、外食関連文献の貴重な一つとなりうる。
 いくつか、印象に残ったところを引用すると、
 「(マニュアルを)なぜそういう仕組みになっているかという、メカニズムの原点を知った上で運用していないから。マニュアル化された上での仕事しか知らないと、それが全部外れたときに判断停止状態になってしまう。」(安部)
 「値段を変えるというのは、会社を変えることだ。」(安部)
 「経済が成熟化していくと、消費者は多様性を求めます。しかし、多様性は一つの総合的な店によって提供できるのではなく、個性の強い専門店の集積によって提供され得るものなのです。」(伊藤)
 最後の引用部分は、今後のファミレスの苦戦を予想させる。


26 「流通は進化する」(伊藤元重 中公新書 680円) @3A3B2C3
 経済学者が書いた流通の本。といっても、数学的思考は皆無で、非常に読みやすい(大学教授にもカタカナ日本語を使わずわかりやすく説明しようという人がいるということがわかった)。流通を、日本版GMS、商業集積の郊外化と都心回帰、問屋機能、技術革新、という4つの視点からわかりやすく解説。特に、日本における問屋機能の発達と今後についてはわかりやすかった。著者はテレビ東京系の夜の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」に解説者としてよく出てくる。WBSは最近あまり好きな解説者が出てこないが(特にどこかの大臣をやっている竹中平蔵なる二流学者の解説は聞く気もしない)、この人の話は今度からよく聞こうと思う。


25 「図解雑学 微分・積分」(佐藤健二監修 ナツメ社 1200円) @3A3B3C2
 私は高校のとき微分・積分がまったくわからなかったが(大学受験失敗も明らかに数学のおかげ)、この本は基礎的なことにしか触れていないのではあろうが、非常によく理解できた。見開きページの左側に文書で説明、右側に図解で説明というパターンで、ここまで基礎的なことを書かなくても、というくらい詳しく書いている。


24 「コトラーの戦略的マーケティング」(フィリップ・コトラー ダイヤモンド社 2200円) @3A2B3C3
 マーケティングの大家、コトラーによる実践的なマーケティング論。法律学では、いわゆる通説を最初に唱えた学者はもうこの世に存在しないことが多いが、経営学では、コトラーをはじめ、経営戦略のM.E..ポーターなど、まだバリバリの現役の人の本が読めるところは魅力的。内容は、マーケティングの戦略・戦術のたて方が一つ一つ丁寧に書かれていて、自分が経営者だったら役立つなぁ、と思う。例示も多く、当然アメリカの会社の例示となるが、比較的イメージしやすい会社のことが詳しめにかかれているので、わかりやすい。時々、あなたの会社ではどうしていますか、という感じの質問が出てくるが、私の役所ではほとんど時代遅れの方法しか採られていないのがよくわかる。そもそも役所にはマーケティング部門なんか存在しないし、全くの素人が市場調査や広告などマーケティングを証拠づくりとして、また、自己満足としてやっているにすぎず、本当に税金の無駄遣いが多いことを再認識した。


23 「現代広告論」(岸志津江ほか 有斐閣アルマ) @2A2B2C2
 マーケティングのうち広告に関する基本が書いてある。広告の基本を学ぶには十分と思われるが、3人の共著なので、時々理論展開や言葉の使い方がおかしくなる。個人的に広告を勉強しようと思っているのだが、広告の基本書はどうも少ないようだ。


22 「図解仕事人」(久恒啓一 光文社新書 680円) @3A3B3C2
 著者は宮城大学の教授。自分のJAL時代の勤務を踏まえながら、コミュニケーションのために図解をしようという本。「私たちの周りを流れる文章資料は、作成するための膨大な時間や労力にもかかわらず、ほとんど意図した通りに読まれていないのが実情でしょう。」という言葉には強く同感できる。特に官僚組織の特徴として、権限と責任の明確化と並んで挙げられる文書主義からは、役所内はこういう無駄な文書で満ちあふれている。
 読んだ本を図解すると理解が進むと著者は主張するが、私も本は図解したことはないが、勉強するときは高校の時からなるべく図解するようにしている。また、通勤時間は黄金の時間であり必ず座ってくるという点も私も中学校の時から実行していることで共感できる。まあ、いつものことだが、共感できるところが多ければ多いほど、今も実際やっているから、読む必要がなくなってくると言うことはあるのだが...


21 「経営用語の基礎知識」(野村総合研究所 ダイヤモンド社 1500円) @3A1B3B3
 最新の経営用語について、1項目1ページで記述。ナレッジ・マネジメント、ファブレス、サプライチェーンマネジメントといった最近よく聞く単語から、ネット調達、TLO(技術移転機関)、ブロードバンド、ブルートゥースといった最新の単語まで(ちょっと分類がおかしいかも知れないが)、わかりやすく解説してある。私は経営の専門家ではないから、用語を浅く広く知っていれば十分なので、この本は最適。


20 「演習経営学」(亀川雅人編 新世社 2100円) @2A2B2C2
 19があまりにひどい本なので、かわりに見つけた本。1冊で115題載っていて、索引も付き(19には索引無し)、日本語も19に比べれば、まだまし。まあ、どちらにしろ、もう少し日本語を勉強してから本を書いて欲しいとは思うが...


19 「戦略経営学演習100題 T競争力の経営学 U活力の経営管理」(中央経済社 各2000円) @1A2B1C1
 経営学の用語について、頭の整理をしようと思って買った本。計100問の演習問題が答えと共に載っているのだが、日本語がひどい。私は法令をはじめ文章をわかりやすく書かなければいけない場面が多いので、個人的には文章力はかなり鍛えられているので、日本語を見る眼は多少厳しくなるかも知れないが、それにしてもこの本の日本語の意味の通じないのには本当に辟易する。学者が書いている本だが、研究室の学生にでも書かせて、そのまま本にしたのではないか?この程度の日本語しか書けない学者だとしたら相当ひどい。というわけで、著者名はかわいそうなので上には載せない。


18 「勝手に会社案内デラックス」(インフォバーン 890円) @3A2B3C3
 この本は面白い。ちょっと怪しいと世間的に言われる会社(日本アムウエイ、アールビバン)や仕事がたいへんそうな会社(光通信、佐川急便)、最近発展を遂げている会社(ファーストリテイリング、カルチュア・コンビニエンス・クラブ)等々、いろいろな会社についていろいろな角度から分析(?)してある。アールビバンの展示会では何をやっているのか、この本を読んでばっちり。資生堂の対面販売体験記も。好きなところから軽く読み流していける。


17 「おじいさんは山へ金儲けに」(村上龍 NHK出版 1200円) @2A2B1C1
 「かちかち山」「桃太郎」などの昔話を改作して、絵本方式で投資をわかりやすく解説する意図らしいが、あまりに改作がお粗末。改作の意図していることがわかりにくいので、絵本部分の意味がない。内容的には、自分自身も資産と認識して投資対象とすること、一人一人がお金については違っていることなどが主題。絵本のあとに解説が出てくるのだが、そこだけ読めば十分。また、すべての昔話のあとにアナリストなどとの対談による解説があるのだが、どうもここもわかりにくい感じ。


16 「経営論」(宮内義彦 東洋経済新報社 1300円) @3A3B3C3
 著者はオリックスの会長。先日、1日にこの本の書評を3つも読んだので、まあよくできているのだろうと購入。事例がオリックスのみと非常に少ないにもかかわらず、わかりやすい。株式会社は効率よく富を創造して社会に提供するべきであるという観点から、経営学の理論をわかりやすく、しかも下の15の本とは違いカタカナ専門用語を使わずに解説。
 特に今後の雇用制度の展開に関して、日本的雇用制度の長所を取り入れた著者独自の理論が展開されている。著者は、今後の雇用においては雇用の長期化は重要度を増し、長期雇用が前提のコア社員を中心とした情報の共有や新たな価値の創造が期待できるとし、コア社員の周縁に成功報酬型の専門知識を持った社員や、さらにその外辺にパートタイマーを配置することによって、より高度な知の創造が可能になるとする。
 また、著者は経営者として従業員より株主に重きをおくとしている。トヨタ自動車みたいに雇用は守るとし、従業員重視を言いながら、その実、全国の公共職業安定所までまきこんで大規模な人間カンバン方式を採り入れているような会社よりはるかにオリックスの方が信頼できる。


15 「勇気の出る経営学」(米倉誠一郎 ちくま新書 720円) @2A1(というか0)B2B2
 12の「最強の経営学」が経営学の総論とすると、この本は各論。著者は最近雑誌やテレビに比較的登場する一橋大学の教授だが、本の中身以前に、なんで一般人を相手に書いていると思われる新書本でこんなにカタカナ用語が多いのか?カタカナ用語を日本語でわかりやすく説明するのは学者の役割ではないのか?しかも、例えば企業家をアントルプルヌアなどというカタカナ表記にしているが、こんなカタカナ表記見たことがない。また、あとがきに出てくる「誰々に感謝する」という人物の多いこと(なんと49人!)。そのほとんどが自分の教え子。この本は著者の自己満足のために作った本なのか?
 本の内容は、ダライラマなどから見たリーダーシップ論や他の本ではあまり触れられないイノベーション論などなかなか面白いのだが、ちょっと読んでてうんざり。


14 「「会社」ってなあに?」(澤昭人 東洋経済新報社 1300円@3A3B3C2
 経営学の基礎の基礎の基礎が書いてある。「経済のニュースがニュースが面白いほどわかる本」(細野真宏 中経出版 1400円)の形態を意識して書かれているを思われる。入門書としては読みやすく、基礎的なことからポーターの競争戦略やSCM(サプライチェーンマネジメント)の話まで述べられている。ただ、個人的には下の12に書いた程度のレベルの本が適当。ということで、おすすめ度は2だが、私に経営学の基礎が全くなければおすすめ度は3。 


13 「この株・このハイリターン商品でお金持ちになる投資法(エスカルゴムック161)」(日本実業出版社 1400円)@2A3B2C1(半導体の基礎が知りたければ2)
 題名は嫌な感じだが、中身は長期投資の澤上篤人が登場するなどまあまあまとも。「半導体銘柄の研究」と題して、半導体の基礎が書いてあるので購入。それ以外は、全部読んだわけではないが、あまり役に立つようなものはなさそう。本当はあるのかもしれないが、こういう俗っぽい題名で偏見を持ってしまう。


12 「最強の経営学」(島田隆 講談社現代新書 660円)@3A1B3C3
 経営学の基礎が書いてある。はじめて経営学に足を踏み入れる人にも、私みたいに経営学の概略は知っているがあまり頭の中で体系付けられていない人にもおすすめ。具体的な企業をあげて説明がされているのでわかりやすく、特に、経験曲線(累計生産量が増えるほどコストは安くなる)、プロダクトライフサイクル(製品のライフサイクルを創造期・成長期・成熟期・創造期に分け、それぞれどのような戦略をとるべきかを探る)、BCG(ボストンコンサルタントグループ)のPPM(製品のポートフォリオでどの製品に力を入れるか)などが詳しく説明されている。


11 「よくわかる経営工学」(西村克己 日本実業出版社 1600円)@2A1(日本語の説明があるのでわかりにくいわけではない)B2C2
 個人的に、経営工学とは何か、ということを知る必要があったので読んだ本。経営工学とは、経営を工学的に、つまり、論理的、定量的に分析する学問であるが、その基礎的事項が見開き1ページ1項目でわかりやすく書いてある。特に、「マネジメント工学」「データベース経営と統計解析」「システム工学と情報工学」の各章は、経営学の本ではあまり触れられないVE、OR、CRM、DWHといった概念をわかりやすく説明している。ただ私は忘れっぽいので、この4つの意味を今すぐ言え、と言われても、全然わからないが...


10 「天下の廻りモノ オカネの正体」(島田紳助 幻冬社文庫 457円)@3A3B2C2
 昨年刊行された「知識ゼロからの金儲け」の文庫版。タレント本だけにどれだけ本人が書いているのかは疑問だが、株式、外貨預金、不動産など、資産運用に関する話題が盛りだくさん。まあ、この本で資産運用をはじめてしまったらたいへんだとは思うが、言っていることはまとも。投資信託には否定的だし、外貨預金も引き出し時に円高になっていたらそのまま引き出せば損はしない、などとわけのわからないことは言わず、手持ちの円をドルに替えたほうがよいと言っている。暇つぶしにはおすすめ。


9 「豪華列車はケープタウン行」(宮脇俊三 文春文庫 390円)@3A3B2C2
 私は旅行好きなのでこの人の本はかなり読んでいる。以前はあまりこの人の良さはわからず、鉄道マニアの権化みたいな種村直樹の本ばかり読んでいたが、最近はもっぱらこの人。文体は平易で観察は詳細にわたる。この本にはいくつかの短編旅行記が収められている。有名な南アフリカのブルートレインは車両の3分の2を占めるスイートでも7万6千円となかなかリーズナブル。ちょっと乗ってみたくなった。まあ、本書でも触れられているが、南アフリカは世界中でもっとも治安が悪くなかなか行けいないとは思うが...(2001.6.18)


8 「東証公式株式サポーター 株式取引編」(東京証券取引所株式総務室編 東京証券取引所 476円)@2A3B2C3
 東証が行う売買の仕組みの基礎がわかる。今までよくわからなかった板寄せ方式、特別気配についてははじめて理解した。値段も安いしおすすめ。(2001.6.11)


7 「『心機一転』の株式投資」(林田和夫 同友館 1800円)@3A3B2B2
 証券外務員が書いた本だが、どちらかというと長期投資を勧め、頻繁な売買を勧めない姿勢は共感できる。また、信用取引をしてはいけない、と主張しており、まともな外務員もいるのだなぁ、という感想を持った。ただ、「相場の達人が極意を語る」といって、自分が「相場の達人」であると言ってみたり、人生五訓なる色紙を2000円で売ろうとしたりするのは、ちょっと...という感じである。(2001.6.11)


6 「わたしはコンシェルジュ」(阿部佳 講談社 1600円)@3A3B3C−
 コンシェルジュとは、ホテルのロビーの片隅に置いてある小さなデスクに座っている人で、旅行・交通案内、交通手段の確保をはじめ、ありとあらゆる顧客の要望に応え、ホテルで心地よく過ごしてもらうためのサポートをしている。私は就職活動の時、コンシェルジュになりたくてホテルへの会社訪問はよくしていたので、興味があって購入。著者は横浜のインターコンチネンタルホテル勤務で、コンシェルジュ業務のやりがい、難しさなどはよくわかるし、なりたかった職業だけにどんなことをするのかは興味深く読めた。ただし、この本を読んで、自分に活かすことがあるかというと疑問。ということで、おすすめ度は個人的すぎて評価できない。 


5 「不況でも「上がる株」が見つかる」(大竹愼一・山田清一 フォレスト出版 1700円)@3A2B3C2
 鉄鋼、繊維、紙パ、セメントなどの素材株について、在庫循環の観点からの投資法を解説。私は素材株は弱いため役に立った。この大竹愼一という人、なんでも断定的に論じて人の意見を受け付けないという感じで、好き嫌いが分かれると思うが、言っていることはためになることが多い。それをすべて信じるかどうかは別だが...例えば、日本ではROEは役に立たない、ROAやCROAを使うべきだというが、これはその通りだと思う。この人の書いた本で「合理的株式投資の考え方」「投資の決断」もなかなかおもしろい。「投資の決断」では松本建工スパンクリートコーポレーションをとりあげるなど、おもしろい会社にも眼を付けている。


4 「バターはどこへ溶けた?」(ディーン・リップルウッド 道出版 838円)@3A3B3C3(ただし「チーズはどこへ消えた?」を読んだ後に読む必要あり)
 超ベストセラー「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン 扶桑社)の批判本かつパロディ本。「チーズはどこへ消えた?」は2匹のネズミと2匹の小人が、仕事、家庭、家族、財産、健康等を象徴するチーズを探し求める物語で、変化を予期し、すばやく適応し、楽しもう、ということを教示する物語。「バターはどこへ溶けた?」は、2匹のキツネと2匹のネコが財産、名誉、出世、権力等を象徴するバターを探し求める物語で、変化にとらわれず、現状をこころから楽しみ、現状をしっかり見つめて自分らしくあろう、ということを教示する物語(「なくなったものはしかたがない」という記述に象徴)。個人的には私は「バターはどこへ溶けた?」派。ちなみに私にはなぜ「チーズはどこへ消えた?」のような陳腐な物語がそんなにもてはやされるのかがわからなかったが、その点もこの本は十分皮肉っている。
 それにしてもこの出版社、どういう会社なのだろうか?アンケートはがきに「ニューヨークの街角であなたの宗教を聞かれたらなんと答えますか」「あなたは誰かに殺意を抱いたことがありますか。誰に?」なんていうものがある。(2001.5.26)


3 「証券会社にダマされるな!」(喜多弘樹 サンマーク出版 1300円)@3A3B2C1
 元証券マンが書いた証券会社の内部事情を書いた本。個人的には頭がつかれたときにはこういう本は大好き。ただし、著者は証券会社を批判しときながら、考え方は根っからの証券会社営業マンのような感じ。「所詮、株とは博打だ!」と言い、著者の株式セミナーでは「株は健全な投資ではありません。そう考えていおられる方はどうぞ退席していただいて結構です。株は間違いなく「博打」です。いさぎよい勝負です。」と言うそうである。一度この人の株式セミナーに行って退席してきたいと思っている。ただでさえ株は胡散臭いものと見られることが多いのに、株式関係者がこういうことを言っているようではいつまでたっても株式投資が胡散臭いものと見られることになってしまう。(2001.5.26)


2 「ホテルサバイバルマニュアル」(崎田茂樹 オータパブリケイションズ 2500円) @3A1B2C2
 ホテル経営学の入門書のような本。ただし、あまり経営学的な考察はしていない。マーケティングの視点から、ホテルマンはどのようなことができるのかを具体的に記述している。例えば「レベニューマネジメント(イールドマネジメント)」(=最大利益のための効率的販売方法)の考え方から、宿泊や料飲などの各部門の売り上げだけにこだわるだけでなく全社的かつ政策的に可能な限りの利益を追求する必要があるとして、そのための具体的方法について述べる。
 ホテル経営学はホスピタリティビジネスとして、通常の経営学とは多少異質なものとして扱われることが多いが、個人的には、どんな企業であっても(もちろん役所であっても)顧客に対するサービスは必要であり、ホテル経営学を他の経営学と異質なものとしてみるべきではないと思う。よってこの本はホテル経営学の入門書となるわけではなく、顧客に重点を置いたマーケティングの入門書としても役立つものだと思う。(2000.5.13)


1 「実学入門 なにが小売業をダメにした」(石原靖曠 日本経済新聞社 1600円) @3(読みやすい)A1(多い)B2(普通)C3(おすすめ)
 著者は日本の小売業はチェーンストア論の追求により(ダイエーのハイパーマートなど)、顧客志向が失われているとする。その後、日本の小売業はどうあるべきか、を示すためにアメリカの小売業の歴史・現状を考察している。
 アメリカの小売業は、スーパーマーケット・ドラッグストア・バラエティストアの3形態から出発して、顧客の要求に対応してこれらが分化・統合を繰り返し、ウォールマートのスーパーセンターやデスティネーションストア(定義がないようだがそのショップですべてが揃うようなところというような意味らしい)のホームデポなどが現在現れているとする。そして日本の小売業は顧客志向に薄くこのような変化をせずに来たため、現在の不振が見られるとする。例えば、現在のGMS(ダイエーをはじめとする総合スーパー)の不振は、食品+衣料という形態によるものであり、これは戦後復興期に「衣」「食」がまず必要とされた時代には意味があることであったが、現在は生活が豊かになっており、食品+雑貨の形態(企業でいえばオリンピックのような形態)にする必要であるとする。
 なお、この本の中には、東証2部のシチエが顧客主義の優れた企業として出てくるほか、超巨大型の優れたデスティネーションストアとしてジョイフル本田が、成長続くスーパーセンターとして店頭のみったが登場する。(2000.5.13)