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| 篆刻メルマガより |
| 篆刻メルマガ第67号より 初歩の方への篆刻アドバイス 印材磨き --------------------------------------------------------------------- 最近のブログ(上記参照)に「印材磨き=真鍮磨き材Amor購入」という ことで、真鍮磨き(金属研磨材)材Amor(アムール)を購入した話を掲載 したので、今回は「印材磨き」の話をしたい。 市販の印材は、巴林の彩凍石のように綺麗に磨いているものもあるが、青田 石のようにかなり粗い仕上げの印材も多い。別に練習用として使用するにはこ のままで結構なのだが、ちょっと見栄えを良くしようとか考える人もいるだろ う。また、古印材とまでは言えないが、少し古い印材を入手すると、その印材 の軟らかいという性質上、キズがついていたりして、それを何とかリサイクル したいと考えることもあるだろう。その方法の古くからの方法の一つを述べる。 まず、古い印材からーーーーー 1.耐水ペーパー240番でキズが消えるまで磨る。印面を磨ってしまう場合 も同様 2.耐水ペーパー360番でそのペーパーキズを取る 3.800番でさらに細かく磨く(印面の場合はこれで終わり) 4.1000番で軽く磨く 5.ペースト状のAmor(アムール)<又はPIKAL>を布に塗って磨く 性能的にはこのドイツ製のAmorが良い!!! 6.乾いた布でAmorを拭く 7.極微粒性研磨剤「青棒(酸化クロム)」を布に塗り50回程度磨る 8.上記を拭き取る 上記のようなプロセスとなる。まあ、経験則から7と8は不要とも思うが、 ものの本には上記のように書かれている。 新印材の場合も同様であるが、新材はロウが表面に塗られている場合がある ので、まずそれを耐水ペーパーで除去することが必要となる。 また、例えば銀材を磨くクロスとか、良い研磨の用具も東急ハンズなどで販 売しているので、試してみるのも良いだろう。最近、「これが中国福州の印材 工場で仕上げに使用しているものだ」という皮を友人からいただいたが、まあ、 仕上げについては上記「青棒」使用など、いろいろ「凝っている」方も多いよ うだ。 上記用具などのご案内は、こちらにあります |
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第54号 2005年10月9日 初歩の方への篆刻アドバイス 字書 その1(最初に揃えたい字書) --------------------------------------------------------------------- 字書に関しては、何回かこのコーナーで取り上げているが、試行錯誤するうちに考えも変わってきたので、再掲したい。前に言っていたことと、若干違っていることもあるかもしれないが、それはそういう事情なので勘弁願いたい。 字書は、教える側としては難しい問題があります。というのは、完璧にこれ1冊で何でもOKみたいな字書がないということです。それぞれ一長一短あり、かつ、お高いということがありますので、なかなか1冊を推薦するというわけには行きません。そういう事情もあり、何冊か揃える必要があります。 したがって、私のところでは、最初初歩の方には、無理に字書購入を勧めず、私のレジュメを使ってもらっています。段階に応じて揃える方向でよいでしょう。 そこで私は、やはり基本は小篆と考えます。したがって、小篆体を調べやすい字書がまず必要と考えます。これは角川書店刊「書道字典」<5800円程度>を勧めます。この字書の特徴は、原典がそのままコピーで掲載されていることです。小篆関係では、「説文篆文」「秦代小篆」「清代作家による篆書体」そして、金文もが出典名とともに、プラス甲骨文まで掲載されていますので、便利な字書です。これは編者が伏見冲敬先生ということもあるのでしょうか、充実しています。1339〜1344ページには、説文解字建首まで掲載されている一種「変わった」字書です。 実際の使用法としては、6ページから20ページまでに収蔵碑帖書人目録がありますので、これを参考にしましょう。例えば、6ページには秦代として、「泰山刻石」など3つの碑名が載っています。金文に関しても「金文器名」の一覧が18〜20ページに掲載されています。これと21ページ以降の「中国書道史約述」を読んでいただければ、概略的な書体変遷は理解できると思います。 上記の角川の「書道字典」があれば、小篆については充分と考えます。「秦代小篆」の直接的資料である「泰山刻石」などの字体が掲載されているのですから充分過ぎるものです。そして、金文も「金文器名」(出典名)とともに掲載されています。 では、印篆、漢篆をどうするかという問題が生じます。上記の角川の「書道字典」には印篆、漢篆は一切掲載されていません。したがって、第2段階として印篆の字書が必要です。それには、ポピュラーな字書としては西東書房刊の「朝陽字鑑精萃」をお勧めしたいのですが、この字書は、変わった字形(問題がある字形)なども多く、初心者が使うと「あらぬ」方向に行きやすいという字書ですので、要注意です。 そこでこの「印篆」用として、私は最近「常用漢字印章字林」を使わせています。これは、印判屋さんの使う字書なのですが、便利です。―――――――この「常用漢字印章字林」「朝陽字鑑精萃」については次号以降に解説したいと思います。 |
| 第62号より 2006年6月5日 篆刻技法講座 陶印 --------------------------------------------------------------------- ブログにも書いたのだが、陶印は陶印としての面白さがある。知り合いにでも、焼いてもらえるチャンスがあれば試してみると良い。 下記「大吉」参照。ちょっと下にスクロールすると表示される。 「辺縁」とか「吉」の縦画が、火力による変形で「ゆらっと」歪んで、柔らかい風情も感じられる作品となっている。あと、益子なので土の荒さなども出ている。その偶然性などが陶印の魅力である。もちろん、これは篆刻というより、陶芸そのものになるが、鈕の形、釉薬による色、模様などの表現も可能である。 技法的には、さほど難しい事は無い。当然であるが「本焼き」後の硬い状態では、印刀で彫れない。一般的には「素焼き」(低温で焼いた状態)で彫ることになる。もちろん「素焼き」前の粘土の状態で彫る(というより引っかく形)こともある。多分、中川一政先生の陶印は、この粘土の状態で彫ったものだろう。 一番簡易な方法は、他のことはすべて陶芸家に任せ、彫りだけを行う方法だ。まず、「素焼き」印材を作ってもらう。これは鈕なども上手く作ってもらうと良い。それを彫るわけだ。彫り方は、石の印材とまったく同じで良い。しかし、石の印材とは異なり「もろい」ので、あまり複雑な字形は、当然適さない。とんでもない場所が欠けてしまう。また、印面に墨(炭素)が残るとやっかいなので「精密な字入れ」も出来ない、ということも頭にいれておいたほうが良い。適当に当たりをつけて彫るのだ。私は赤鉛筆でやっている。そして、彫りあがったものを、また陶芸家に渡し、釉薬をかけて、「本焼き」してもらう、というプロセスだ。もちろん、彫りだけではなく、その他のプロセスも自分で行うほうが楽しいだろうが、大変だ。 収縮するのはお分かりだろうが、留意すべきは、印面が膨らむ傾向があるということだ。当然、陶芸家は印面を若干凹ませて「素焼き」するので大丈夫だが、自分でやる場合は気をつけたい。あと、「本焼き」後の出来上がった印面も平面には出来ない。これはやすりでもかけて平面にしないと、押捺は難しい。 |
| 第56号より 篆刻徒然 上海西冷印社印泥の量り売り --------------------------------------------------------------------- 我々篆刻をやっている者に限らず、印泥といえば一番ポピュラーなのは上海西冷印社製の印泥であろう。スタンダードなもので、「光明」「美麗」「箭鏃」という三種類がある。「光明」と「箭鏃」は黄口といって明るい朱色、「美麗」は赤口といって赤みが強い朱色ということになる。私は赤口が好みで「美麗」を主に使用しているが、作品によっては「箭鏃」を使用することもある。なお、上記の日本における市販価格は大体「光明」→「美麗」→「箭鏃」とお高くなり、「光明」を1とすると、「美麗」はその2倍、「箭鏃」はそのまた2倍という関係になる。 その私が使用している「美麗」は、だいぶ前に訪中した際、上海西冷印社の売店で「量り売り」で購入したものをベースにしている。そのとき同時に買った印油を足したり、同じ「美麗」買い足して使用しているわけだ。 そこで今回は、上海西冷印社印泥売店の話。聞くところによると、私が買った時の場所から売店は移転したようだ。住所は、上海市河南中路279号、南京東路の近くで、この住所があれば探し出せるであろう。なお、南京東路には書道専門店の朶雲軒もある。印箋、印材などはこの朶雲軒で買うと良いだろう。上海西冷印社印泥売店でのお値段はというと「光明」1g0.7元、「美麗」1g1.3元、「箭鏃」が1g3.3元と聞く。30gが1両なので、「箭鏃」は1両99元、日本円で約1600円程度ということになる。もちろん容器代無しの印泥だけの値段である。容器も別売しているが、ビニールに包んでもらい、日本に帰って手持ちの容器(肉池)に入れて使ってもよい。上海に行く機会がある方は、量り売りのものを購入するのも楽しい。どういう訳か、この直売・量り売りのもののほうが、日本市販のものより質が良いと言う篆刻家もいる。 なお、PCの表記上「西冷印社」と表記しているが、正確には「冷」の字は「さんずい」に「令」である。念のため。 |
| 第51号より 初歩の方への篆刻アドバイス 初歩の方への篆刻アドバイス 彫り ――細い線は浅く、太い線は深く―― --------------------------------------------------------------------- どうも最近の印材は「やたら硬い」ものがあるかと思えば、思わぬところで「欠けができる=というより印面が小さく剥離する」ものがある。もちろん最初から「割れ」が入っているものも多い。青田石がその代表だ。聞くところによると、採掘にダイナマイトを使っているので、割れが入ってしまうという話である。昔話で恐縮だが、35年前頃の青田石は彫りやすかった。ねずみ色で「さえない」磨いても全然光沢が出てこない印材だったが、稽古石としては現在の印材と比べると雲泥の差がある。同世代の篆刻家と話をすると、いつもこんな話になってしまう。K氏はその「粘り」が良かったと言っている。現在市販している印材で、その彫り味が似ているのは、巴林石の高い方だろう。 そこで本題だが、初歩の人を指導していると、朱文の印で、やたら線が「飛んで」しまっている人がいる。最初は「良い印材が無いので大変ですね」などと話をしていたのだが、よくよく見ると「彫りが深い」。朱文の印で「線と線が接近」しているところを、深く彫っては、朱文の線が土手崩れを起こして、「飛んで」無くなってしまう。これは理屈で考えれば当然のことだ。したがって、そういう場合は「浅く」彫ることだ。線と線が接近しているので、浅い彫りでも、押捺の際汚れることも無い。 白文でも細い線を彫るときは「浅く」、太い線を彫るときは「深く」彫る。これも上記の理屈通りの話だ。もちろん、印刀の傾き(右利きの人の場合は、右への傾き)も影響する。反対に、意識的に「欠け」を作る技法もこんなところがヒントだろう。ともかく、「刀法伝え難し」である。 |
| 第31号より 篆刻徒然 あとがきとして 吉永隆山 --------------------------------------------------------------------- 4月17日 谷中の自性院に師・古川悟の墓参りに出かける。ちょうど東京都美術館で開催「日彫展」出品、青柳昇氏作「望 S氏像」も拝見したかったので、上野から谷中に歩き、根津に至るという計画で出かけた。 「望 S氏像」のモデル鈴木氏は、古川先生のところで一緒に篆刻を勉強した同門の方である。氏の喜寿を記念しての制作と伺っている。最近お会いする機会も無いが、胸像を見る限りは「男前が上がった」ようだ。氏は、芸術・芸能関係の造詣が深く、そういった方面でのコレクターとしても知られた方である。確か、古川先生の「印材組み込み式」の篆刻作品、「描き印」作品をお持ちと記憶している。コレクターらしく、1点ものを手に入れられたようだ。 篆刻作品の場合、版画作品と異なり「印材そのもの」は作者の手元に現存する。その為「印影形式」のものはいくらでも生産できる。したがって、そういうマーケットがあるのかは知らないが、篆刻作品の購入では「印影」は付録で、「印材そのもの」購入いうことになるのが「美術作品としては正しい」姿であろう。 日彫展を拝見し、芸大横の道を通り谷中に向かう。緑がすがすがしい気分を感じさせる。この道は、私の古川社中入門にあたっての因縁の地で、ちょうど大学4年の冬この道を歩きながら、古川先生から「根津(先生のお宅)に習いに来なさい」と言われたことを思い出す。約2年間、神田「書学院・篆刻教室」で先生に篆刻を習い、謙慎書道展に2回目の出品をした直後だった。何せ4月から勤務するJTBは当時、4大卒は本社採用・全国運用社員だったので、大先生に「弟子に勧誘された」にもかかわらず、「東京に配属されたら、行きます」と学生気分で答えたという、思い出の場所である。 先生のお墓がある谷中・自性院は「愛染かつら」のモデルとして知られる名刹で、先代の住職が西川寧先生の弟子だった矢島大図先生ということになる。多分そういった縁で、お墓を立てられたのであろう。古川先生の新潟実家宗派は真言宗では無かったと記憶している。自性院は下記参照――― http://www.aurora.dti.ne.jp/~ssaton/meisyo/aizendou.html 墓石に「古川家墓」と篆書で刻まれた文字は、今では珍しい「手彫り」。浅い彫りで、そこが味わい深い。いかにも粋な古川悟の墓にふさわしい。最近の墓石の文字は、全部「機械彫り」で彫りが深く、えぐれた形(これはダイアモンド粉を水に混ぜ、その水圧で彫るので必然的にそうなるのだが)で風雅に欠ける。 |
| 第19号より 篆刻徒然 「子母印」掲載 吉永隆山 --------------------------------------------------------------------- 先般来から、二世中村蘭台の「子母印」16顆組(「母子印」とも言う)をお見せしすると言っていたのだが、のびのびになっていた。ご覧いただきたい。参考として、漢代の「母子印」の写真が手元にあったのでそれも掲載した。 当然のことながら、漢代のものは「銅印」、二世蘭台先生の作は「木印」ということになる。この木印の形では、蘭台系の作家は制作しているようで(もっともこんな数が多いものでは無いがーー)古川悟も自用印として8顆組、伺ったところによると中村淳先生も「どこかの神社」の印として6顆組程度のものを刻したという話である。 |
| 第7号より あとがきとして インターネットでこのようなことをしていると、いろいろ質問を受ける。篆刻 の技術的な事がらは、本当はお会いしてお教えするのが、当方も簡単、教わるほ うも簡単と言う話なのだが、まあ、そうも行かない。それで、文章で上手く「お 伝え」するように、参考書を見る事になる。「印章備正」「篆刻学」「篆刻指南 (治印雑説)」などだが、これが読み難い。まあ、この年で勉強させていただい ている。篆刻指南を除き、ほんの篆刻家のアクセサリーみたいなもので買った本 だが、ようやく役に立っている。 |