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コイはパンの耳で釣れ!

先日、数年振りに川釣りをしました。

車で30分くらいのところに海があるので、子供が小さい頃は一緒にハゼ釣りに行っていましたが、この数年は忙しくて釣りどころではありませんでした。

還暦を過ぎ、個人事業を始めて半年。勤めとは一味違うストレスもたまり、めだかでも飼ってみようかと思い、ざるを持って川に行ったのですが、田んぼの横を流れる灌漑用の小川を見ても、ほとんど生き物の姿はありません。時折ザリガニが見える程度です。

めだかにしようと思ったのは、子供が小さい頃、フナや金魚を飼ったのですが、エサをやることはあっても、水をかえるなどの世話をする者がいなくて、結局私が面倒をみることになったので、今回は、水槽が小さくて済み、水のにごりも少なめの小さな魚、つまりめだかにしようと思ったのです。しかし、20年前に子供と一緒にめだかを取った小川=用水路には影も形もありませんでした。

そこで、車で10分程で行ける、近くの川に出掛けたのですが、幅30メートル程の川は、今度は大きすぎて、めだかを探すどころではありません。仕方なく、フナでも釣るか、と常時トランクに積んである釣り竿を取り出しました。何年も使っていないにもかかわらず、車を替えても、やっぱり1本はトランクに忍ばせているのです。釣りキチと呼ばれる所以でもあります。

ザルでめだかを取るつもりだったので、エサなど持ち合わせていません。車に積んでいるダストボックスの中を引っかきまわすと、前日食べたパンの残りがありました。

「これこれ」と針につけて投入するとすぐにウキが倒れてしまいます。「パンだから持ちが悪くて溶けてしまったか」と再度投入しても同じです。

何度目かにウキがすっと沈んで、また浮き上がり、倒れてしまいました。しかし今度はアタリがあったことが確認できたので、何かいる・・・?と、また、同じことを繰り返していると、何度目かにザバッという音とともに、着水したばかりのパンに大型の魚がジャンプするように食いつくのが見えました。鯉です!フナ用の小さな針は大きな口をかすりもしないで、パンだけが持って行かれていたのでした。こうなれば元釣りキチにとっては簡単なものです。釣り針を鯉用に替え、道糸・ハリスも太くして一投すると、パンが水面につくかどうかのタイミングで鯉が一気に飲み込みました。しばらくやり取りをして釣り上げたのは50センチ程のコイでした。しかし、もともと「家で飼える魚」を取るのが目的で来たのですから、コイは大きすぎます。そっとリリースしてやると、ゆうゆうと泳ぎ去りました。

ふと思い出しました「とかくこの世はままならぬ・・・」と。

「鯉こく」も好きですが、あまりきれいとは言えない川で釣ったものを食べる訳にいきません。ホントはメダカが欲しかった。しかし、何年か振りで竿を通して強烈な引きを味わえたので満足、ストレスも少し軽減、として手ぶらで帰宅したのでした。