| 日本国内の同業者はわずか3社 だけという、サーチライトの専門メーカー。 国内シェアーは70%というからすごい。 経営者というよりは、研究員という趣の川島 社長にお話を伺いました。 |
![]() |
|
| 代表取締役 川島 攻 |
先代社長は海軍出身
二代目社長は航空自衛隊出身
私が子供の頃に聞いた話では、海軍出身の父が事業を
起こして最初に作ったのは、ムシロを編む機会だったそう
で、あまり売れなかったようです。そんな時、東京の商社が
漁船のサーチライトを作る会社を探していて父に声が掛かり
ました。父は海軍の機関学校を出て技師をしておりましたの
で、作り方は知っていて、直ぐに生産が始まりました。
それが川島工機株式会社のスタートです。
若い頃、私自身には会社を継ぐ意志はなかったので、
高校を卒業してすぐに航空自衛隊に入隊しました。30歳
まで戦闘機に乗り、最後は教官を務めていましたが、ここ
は長男の悲しいところで、父も年をとり社内での様々な
ことを耳にするにつけ、そろそろ戻らなければいけないの
かなと考え跡を継いだわけです。
入社後2年間で、自社内の製造工程のすべてを歩き
徹底的に技術を学びました。ですから、今でも自信を
もって製造現場を受け持つことができます。
我が社の営業マンは製品そのもの
実は、私どもの会社には営業社員はおりません。造船
所に電気関係の資材を卸す問屋さんが、全国にありま
して、サーチライトもそこを経由して販売されます。
大変失礼な話ではありますが、父の代からの取引先で
も未だに顔を存じ上げない方もいらっしゃるんです。
電話一本の取引ということですから、逆に製品の信頼
性は絶対条件となります。
常に新しいものに挑戦
近年では、サーチライトの用途も多用となり、陸上で
の需要がずいぶんと増えてまいりました。例えば、イベ
ント会場の照明として、消防車用、セキュリティー関連
などです。また一昨年には道路公団からの依頼を受けて
高速道路の標識を路肩から照らすライトの開発を始め、
今年の4月から採用されています。
赤外線・紫外線への挑戦も始まりました。漁業も獲る
漁業から育てる漁業へと変貌し、今は密漁の監視船に
つける赤外線ランプの需要も伸びています。1キロ、2
キロ先から密漁船を正しく捕らえたいということですから
これは技術的にも大変難しく今後の改良も迫られてい
ます。
紫外線を活用したものとしては、室内のインテリアと
して「ブラックライト」を制作し、インターネットを利用
した直接販売も始めています。また、紫外線の新しい
分野としては、アメリカで既に実用化されている院内
感染防止のための殺菌ライトの構想を持っています。
多くの引出しを持つことが大事
私は元来新し物好きで、何にでもすぐに飛びつく性質
なのですが、中小企業としては、多くの引出しを持つ事
は非常に大切なことだと思います。我が社も世の中の
ニーズに引っ張られて、新しい製品を生み出してきた
わけですが、開発の依頼を受けたその時から研究を
始めるのでは、需要に追いつくことは出来ません。一見
無駄に思えるようなことでも常に興味を持ち、研究し、デ
ータを持っていれば、様々な要望にいち早く対応し製品化
することができるのです。我が社には、社是やモットー
といったものはありませんが、強いて言うならば、常に
新しいものを研究して行くその姿勢を受け継いでいって
ほしい、ということです。
今、興味を持っているもの
現在、地元の異業種交流のチームで、雇用促進事業団
の補助金を得て、災害時に集合場所や食料保管場所を
照らし出せるライトの開発を進めています。そこで必要に
なるのが電源です。ライフラインがすべて止まることを
想定すると当然に、自家発電が必要となります。
小型の風力発電機、また太陽光発電の研究も始めて
います。
異業種交流は、ただ酒を飲むだけで無駄な時間という
方もいらっしゃいますが、それは参加する側の姿勢の
問題だと思います。私自身は、参加するたびに異業種
の皆さんのちょっとした話の中に大きなヒントを得て、
研究につなげ、異業種交流をビジネスに役立てています。
生き残るためには、リスクを恐れずに様々な種を蒔い
て行かなければなりません。植えたもののうちの何が
大きく育つか分からないですから。何しろ、考えている
だけではダメです。行動に移すことが大事です。