フォレ ド シクルへようこそ! これから自転車に乗る先輩に贈る三十章  Foret de cycle

11、サイクリングの楽しみ その1


さて 大分自転車によるトレーニングも板についてきた頃と思われます 健康管理を目的に 極力体の故障の少ない運動をするという手段で自転車に乗るということ選ばれたわけですが サイクリングそれ自体が喜びの多いものであるということに気がつかれたことと思います

1、全身を使って運動をするので 体の一部だけに負担をかけない

1時間程度の走りでは倒れるほどの疲労を呼ぶことは 普通ありません それは自転車を運転するために
バランス感覚をにぶらせないように神経が無理な運動を抑制するためと思います 安全に対する配慮も絶えず働いていますからバテバテになるほど走る心配は少ないわけです

2、外を走ることによってストレス解消になる

家やオフィスで閉じこもりがちな人にはやはり外気や日の光を浴びることによる気分転換が精神に大変に
プラスに働くと思われます スピードもかなり出ますのでスリルを楽しむことによっても若々しい気持ちになることができます

3、一人でできるので場所 時を選ばない

スポーツでもチームでするものや相手のいる競技と違い あくまで一人で走ることができます ですから
その日の体調気分により 走り方を変えることができます ルート 距離 時間 使う筋肉の部位などテーマを決めておけば 自分の体と会話しながら走り トレーニングを楽しむことができるわけです
又 なんらかの理由で乗れない時期があっても再開するのが非常に容易です 体は走りをバランスで覚えていますので上質な走りは忘れることがないのです これなどは大変な利点ではないかと私は思います

さて今までは軽い自転車を週4日程度 1時間 20キロを目標に走ることにテーマを置きました
これは一般的に言ってロードレーサーによるトレーニングというサイクリングのカテゴリーに入ると思います

自転車によるスポーツをおおまかに大別してみます

1、競技(トラックを走る競輪 公道を走るロードレース タイムトライアル 輪球)

2、トレーニング(ロードレーサーやスポルティーフと呼ばれる快走車に乗ってのロードワーク)

3、ツーリング(ポタリングと呼ばれる軽い散歩からキャンプ道具を積んだサイクルキャンピングなど)

4、クロスカントリー(オフロードを走る)

上記のうちの4は最近できた種目です 自転車文化というものがヨーロッパに深く根付いたものであるのなら このクロスカントリーはアメリカで生まれた全く新しいタイプのスポーツです これは生産技術の進歩に軽い車体でも衝撃耐久に強い自転車が開発されたためであります

MTBブームの到来 そして大衆化により サイクリング人口は爆発的に増えました 今までのようにわが国においてはマイナーなスポーツではなくなったのです
これはこれで大変結構なことなのですが MTBというものは 本来オフロードを走るために作られたものでこれを街中 舗装道路の上で走っても本来の機能は果たしません

その分乗りやすくなっているのは わかりますが 残念ながら 大多数の人にとっては粗い走り方や乱れたフォームをそのまますりこんでいるようにも私には見えます
MTBだけを乗っている人には本当の自転車の流れるような繊細で美しい走りを知らないのではないだろうかと私は危惧します

なぜなら 自転車というものは大変な人の努力と知恵で磨き上げられた 世にもまれな素晴らしい道具なのだからです そしてそれを遥かに凌駕している機能は途方も無い進化の上に成し遂げられた人体機能です 自分の体に秘された無限の変速 無限の感受 無限の自律の潜在能力に触れるには無駄を極力排した道具が私たちをみちびいてくれます

素晴らしい道具 最高の道具はすなわちプロの使っていものということになります そういうものはムダがない けずりこんだ機能のものが多いものです 中々こちらのわがままは聞いてくれません 道具に自分の体を合わせると言うものは大変で 無駄の多い人生を送ってきた人には使いにくいものです それでも 初めからよい道具一流のものを使って学べといわれるように時間をかけて向き合っていけば 色々と感じさせてくれるものも多いわけです

そんな道筋を楽しむのもいいものだと私は思います 人生は長いですし底の浅いものばかりでは何をやっても飽きが来て 自分の中にある本当の素晴らしいものにふれることはできないと思います

12、サイクリングの楽しみ その2


自転車はその用途によって 色々の種類があるとお話申し上げました
我々普段健康の為にトレーニングに乗っておりますが これも又 一つの用途に過ぎず これしか知らない これ以外やったことないというのであれば これは又 大変もったいない話です

本来遠くへ行くための道具であった自転車の最大の魅力の一つはやはり 旅行(ツーリング)であると言えましょう
わが国の場合ですと 旅行車のことをランドナーと呼んでおりました フランス語だそうですが太いタイヤに分厚い皮のサドルをつけて チェーンホイールはトリプル 3枚目のギアは小さいので急勾配も登れます ダイナモやライトもおしゃれと言った感じでかつてはこれはこれで物凄いいうんちくが必要になったものです 多分マニアになりますと本場ヨーロッパの自転車好きの人もあきれるくらいじゃないかと思うほど 凄い凝りかたをする人も沢山いました

しかし 当時私の若い頃でも映画やドラマで観る欧米の自転車旅行など圧倒的に泥除けのない 細いタイヤの自転車が多かったのも事実なのです まあサイクリング道 何段でござるみたいな堅苦しいところがわが国なら そんなこだわりもなく 誰でもそのへんにある軽い自転車に乗って楽しんだというそれだけのことなのかも知れません 道路もよかったのでしょうね あちらは

ともあれ 折角もっているこの一台で旅行に出ない手はないと思います ツーリングに出ることにより走行技術は飛躍的にアップするものです

1、1日100キロ程度を目標に走る

2、峠越えは一つか二つくらいにする

3、40分に10分程度の休憩を必ずとる

4、地図 雨具等必要なの装備は忘れない

二人以上ですと気楽かもしれませんが 一人も中々趣があってよいです でも 初めての峠越えは先達に教えてもらいながら乗るのが安心でしょう
決して無理をしないで息が切れない程度のスピードで慎重に登ってください コツがつかめるまではむやみやたらに疲れます 細かい休憩を何度もとってあせらないことです

日帰りに成功したら 着替えを持って一泊に挑戦します 宿泊はユースホステルがお勧めです
4000円程度で2食つき 体をやすめて眠るだけの設備ですがかえって 走りに集中できるように思います
装備は少なく 背中に荷物はかつがずに走るのがコツです 荷物は後ろよりも前に積んだ方が疲れません 簡単なキャリアをつけておけば便利です

いつも同じところを走るのと違い 坂あり下りありで地図の確認も必要と中々気も休まりません 思わぬアクシンデントやトラブルにも見舞われます 食事の場所が中々なくてベソをかきながら走るなんてしょっちゅうです 天候 体調の具合もあり中々真剣勝負です その分 達成感はちょっと味わえないほどあります 美しい風景や人の情けにも大きく心が洗われます
そして自分の持っている意外な一面を知ることもできます ちゃんと計画をたてて旅程どおりに走れるようになるには 中々年季がいるものですが奥が深くて決してあきることがありません

実際車ならすぐに行けるような距離の場所でも自分の足で走って坂を上り 景色を見ながら町の様子など観察しますと全く違った印象に驚かされます
私たちは身の回りのことで知らないこと 感じなければいけないことなどまだまだ沢山あるのではないか などと思ってしまいます


13、ギヤにつきまして


自転車はペダルを両足で踏むことによって BB(ボトムブラケット)内にあるクランクシャフトが回転します 車軸にはギアがついております これをチェーンホイールと申します この歯車が大きければ チェーンは沢山回りますのでスピードは出ます チェーンホイールはチェーンがかんでいて後輪(リアホイール)のハブの車軸についているフリーホイールを連動して回します
フリーホイールは5−8枚のギヤがついています 変速機をつかってお好みの歯車で走れますから フリーホイールと名前がついたのでしょう 今はスプロケットと言うのが一般的みたいです

ですからチェーンホイールは大きく フリーホイールのギヤはできるだけ小さくした方が自転車は速く走ります でもその分踏めば重たく疲れます

フリーの一番重いギアをトップといって かつてはこればかりを使って走っているのがえらい人(根性がある)という風潮が抜きがたくありまして 皆無理して重いギヤを踏んでいました ですからチェーンを換えるとトップばかりすりへっているので歯とびを起こして困ったものです
重いギヤが強い肉体を作るーこれは全くの間違いでありまして 本来一番重いものはダウンヒルなどのために使うべき一枚でしょう ですからこのトップでいいんだというのなら もう一枚重いものをつけなければなりません
今は多くの人が回転で走っています とてもいいことだと思います 自転車を降りてフラフラっと足がなるようですと筋肉のバランスを崩しています 全身のバランスにも心が行きません 足を鍛えすぎてズボンの足が入らなくなったなど言っても自慢にならないのです

競輪用語で言えば重いギヤで初めからスピードを出すのを地足に優れるなどと言ったようです 反対に回転を効かせて後半抜きに行くのを刺し足で制するなどと言いました 選手により筋肉の質がやはり違うのでしょう
でも 我々は試合に出るわけでもないし タイムトライアルをするわけでもない 趣味と健康維持のために乗っているランナーです 体に負担のかかるトレーニングは百害あって一利なしと考えた方がよいでしょう

それにしても 5−7−8−10とフリーの枚数が増えるのはどうかなあと思ってしまいます そんなに必要なのでしょうか ブレーキについた変速レバーもそうです たしかに便利でしょう でもなんだか シフティングに頼りすぎて本来の走りから遠ざかっているようにも見えるのです 
いくら枚数が増えようが指先で選定できようが 機械が人体の精密さにかなうわけはありません 本来の自分と環境のコンディションを正確に感じ取ってすばやく反応するには自分の心身の感覚を鍛えていくのが一番なのです(こういう鍛錬はどんどんやるべきでしょう) 
機械に頼りすぎた走りに思えてしまうのは ただ自分が気楽な状態で足を回転させたいがためにカチャカチャと変速機を動かし続けるように見える人が多いせいかも知れません
なんだかTVゲームみたいで 自転車の持つ最大の魅力 機械と人間の最高の機能の合体から遠ざかっているように思うのです

ですから今 シングルギヤの自転車が若い人に支持を広げているのを見ると 彼らのその感性の鋭さに脱帽する思いです たしかに一枚じゃあ 坂を上るのも大変ですし トレーニングにも不便です でも
一番シンプルな形から自分の肉体に向き合い その中から必要な展開として機能を増やしていくというのは理想な自転車との出会いにつながるのではないかと思います
とことんそぎ落とした‘何か‘の積み重ねが自転車の歴史であり その中で生まれたアーティスティックな感性にほれ込む幸せは何物にも代えがたい喜びでもあるわけですから


多摩川サイクリングロード 大変なことになってますよ!

ここのところ毎日のようにトレーニングで走っていますが(二子ー府中) 人凄いですね かつてにくらべて走る人歩く人が数倍になっています サイクリング人口の爆発が一番 この多摩川のロードに出ているのではないかと思います

この道はでも本当に古く 道幅も狭い 一台がすれ違うのがやっとなところも多いのです 今 様々の車種様々の年代の人が以前では考えられないくらい 性能アップした自転車に乗って走っています
実際にランドナーで走っていますと ママチャリに抜かされます かつてなら 相手の疲れてくるのをみはからって すぐに抜き返しましたが スピードが落ちない ママチャリですら相当なスピードが出てしまうのです

当然私も今年に入ってあぶない現場にも何度も出くわしました 先月は自転車と歩行者と衝突して意識が戻らず 地区の緊急放送で身元を捜す騒ぎもありました(二子周辺)

自転車の側に責任があるようです 私の目から見てとにかく マナーが悪すぎます エゴイズムむき出しで走っている 非常に危険です ロードは歩行者優先になっていますから事故が起きた場合の責任補償は 自転車側に大きな負担がかかることを忘れてはなりません

サイクリングロードは狭いしお互い以前では考えられないほどのスピードが出ているのです ちょっと触っただけでも自転車は横のふれには極端に弱いものです 経験のない ここ数年のニワカ自転車乗りの人は全く危険さがわかっていないようです

1、追い越しの時は後方確認をする(軽く後ろをみるだけで十分できます)

2、追い越す時はベルをならす 声かけをする(女性 お年寄りなど自転車に乗っていても平気でいきなり横断をはじめます )

3、保険に入る(今の自動車保険に2000円増し程度で家族全員が無制限補償で簡単に入れます)

この三つのうちの一つでもやっていない人は 多摩川サイクリングロードの今の状況では近い将来 深刻なトラブルに見舞われる可能性が高いことでしょう

もし三つともやっていない 必要を感じていない人は おそらく 全くのド素人でしょう 来てはいけない 人気のない農道でも探すべきです
私の言っていることが大げさでないというのは走っている人ならわかっていただけるはずです 普段見ていてもヒヤヒヤの連続です まあ 大変なブームになったものです

長年の経験のあるサイクリストの諸氏は今こそ回りの人たちの啓蒙につとめるべきです 手信号を出しましょう 相手が近いのに無理な追い越しをしてすれ違う連中には注意をしましょう 徐行を守りましょう 降りて通る表示のところは自転車を降りましょう(私たちがやらなかったら誰もやりませんよ)

ロードは酔っ払って歩いている人も多い イヤホーンをして自転車をこいでいる人もいます どうしようもない人たちです 注意しても多分ムダでしょう でも接触して事故になれば責任はこちら側にくることを忘れてはならないでしょう

走ると誰でもスピードに酔ったようになります 歩く人など邪魔に思えたりもします それでも ここは冷静になるべきです それらしい格好をして 新しい自転車にまたがっても あなたは別の人格になったわけではないのです サイクリングは紳士的なスポーツです 世界がひろがり自分を深めるには無理があったり 他人に迷惑をかけるということがあったりしてはいけないと思うのです

少なくても専門のレーサーに乗っている人たちは 一般の人とは違い安全確認 走行の技術 救急手当てなど指導的な立場にいるとお考えください 

余裕ができれば又世界も広がります 人を愛して道を愛して 自分を愛してサイクリングです


HOME