願いとはなかなか複雑なものである 占いが好きだったので当然人も占う 何を占うか、、、
恋人とうまくいくには 試験に合格するかなど 色々あるが結論から言えばほ
とんどの人には願いはなかった
相手と話しあっているとそれがよくわかった 結局あなたはどうしたいのです
か 何が望みですかなどとつめていくと明確に答えられる人がいないのである
金がほしい 楽をしたいなどと抽象的な事は誰でも言える しかしその後のその為にこういう事をしたいのだがという行為がないのである
以前Hという有名な占星術師のテレビを見た お願いしますと客が入ってくる
2,3言話すと彼女はあなたダメおかえりなさいと言ってインタホンで次の客を呼ぶ ほとんど全員叱られて帰るだけだった傲慢な態度に見えるかもしれないが私は彼女の気持ちもわかるような気がした
願いがかなうとは願わなければならない 寝てもさめてもそればかり考えてペ
ンを持つと無意識にその名を書いている位の熱心さが必要なのではないか 若い暴走族のアンちゃんだって食べる物をけずっていつの間にか高級車に乗っている
彼等は金がないけど寝ずに働いてでも自分の車を手に入れるのだ
それがなければ自分でなくなるから
本当に欲しいものは人間は手にするものだとむかしから言えるのは同感だ
人にはその力があると思う ただし衷心から願わなければならないのは言うまでもない
就職したての頃 一冊の本に出会った 無能唱元と言う人の「強くなる瞑想法
」という本だ
人々の願いは必ずかなう それは仏教界で言う意識界の最底辺のある場所に働
きかけることによって可能となる そんな内容の本だ
仕事で毎日つまらない生活を送っている人がハワイに行こうと思って一生懸命
ハワイに行くことを思い浮かべた 意外な程早く望みがかなった 今でも記憶している美しいエピソードだ
私は外国に行って見たかった 学生時代自転車で日本各地を旅したが飛行機すらも乗ったことがなかったし 当時外国と言えば新婚旅行に一度行く程度のもの
だった 金銭的に考えても遠い世界の話であることは間違いない レーガノミク
スの頃で一ドルは二百五十円だったのだ
それでも私はあっけらかんと毎日のようにその本に従い 強くなる瞑想をし
た
ろうそくの炎を見つめて気持ちを落ちつけ将来の理想の自分を思い描く
営業社員として金沢に一人でアパートを借りて駐在していた私には暇はいくらでもあった
でもその当時何ほどの効果もなかったと感じられたものだ 仕事のストレスを
解消できた気がして有り難かったが
東京に転勤になって学生の頃世話になった下宿に顔を出すと大勢の様々の国から来る国費留学生が住んでいた 留学生と言っても妻子のいる人は普通でそれぞ
れが国で博士号を持つような連中だ私は彼等から英語を学んだ 信じられない
位安い謝礼ですぐに彼等はそれもいらないと言いはじめた
外国人に友人ができるなど当時夢のように思えたものだ でもすぐに当たり前
になった 今思えばその後 新しい対象に距離感をすぐに持たなくなるという能力が「強くなる瞑想法」で得た大きなメリットだったように思える
望む状況に至る為の毎日の細かいチャンスを何気なく手にしていくことが願望
成就には必要なのかも知れない (もっともこれに関しては後々困ったことが多
いことも気づくようになる)
三年間彼等とつきあっておそらく私は大きく変わったに違いない とにかく外国の仕事がしたくなった結婚して会社を辞めた 無謀だった賭け それでもリスクを負うだけの覚悟はいつのまにか出来ていた あの何年か前の瞑想から始ま
って東京で英語で外人たちとのつながりを得た事
妻が輸入商社にいたことなど すべては見えないレールに乗っていると感じられたからだ
もちろん散々な失敗もいくらもあった 明日のことなど、全くわからない毎日がそれ以来十数年続いているのも事実だ
初めて輸入を思い立ってカナダのバンクーバーについた時私はかつて金沢で自分が思い描いていた光景を見た 大きなガラス窓に茶色のフレームが天井から下
りている人気のないターミナル
まさしくあの時思い描いていた光景のままだった 未来を私が予知したのか
あるいはどこにでもある空港の風景を映画か何かで憶えていただけか それは知
らない
でも私の心にはある種の感慨はあったものだ
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