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Vol.74-2へ   あ お し お  貧酸素水塊のこと --3 寺井 温められた水は、まわりの水よりも軽く(密度が低く)なるわけで   すから、加熱した位置より上にしか上がれないからです。そして、そ   れより冷たい水は、下にもぐりこんできます。こういう、水や空気の   流れを対流と言います。  この実験と同じことが、お風呂でも起こりますね。 風呂のお湯がちょうどよい温度だと思って入って みると下は水だった。という経験をしたことは ありませんか? 最近の給湯器では起こりにくいかもしれませんが。  このときの風呂の水は、上の方ほど 温度が高く、下の方へ行くほど温度が低い (つまり自然には対流が起こらない) こういう状態のことを「温度成層」            というわけです。 + 寺井 さあ、これまでのところをまとめてみましょう。 ○ 池でも、海でも、浅いところであれば、風によって水は表面から   底の方までかき混ぜられる。 ○ 急激に深くなるようなところでは、普通の風と波では、深さ1mくら   いまでしかかき混ぜられない。 ○ 夏場に、表面の水が温められ、温度が上がると、温度成層(深いところは   冷たくて重い(密度が高い)水に、上へ行くほど、温かくて軽い   (密度の低い)水)になり、対流が起こらなくなる。    弐、せいぶつかがくのこと 寺井 こんなふうに、池でも海でも急激に深い場所では、夏には温度成層が   できて、水がかき混ぜられなくなります。  せんせ。冬はどうなんですか? 寺井 冬には自然に対流が起こって、夏ほどひどいことにはなりません。  どうしてですか? 寺井 密度の話を思い出して下さい。冬は、冷たい空気で表面の水が冷やされて、下の   方の水より重く(密度が高く)なりますから、表面で空気に触れて、酸素を含んだ冷   たい水が、底の方にもぐっていきます。底の方からは、まだ冷えてない水が上ってき   ますから、温めたときとは逆に、対流が起こります。自然に、底の方に酸素が供給さ   れるのです。    次のページのグラフは、深見池の水温と、水に溶けている酸素の量(DO)、それ   に、無酸素水塊が発生したときに同時に出来てくる、硫化水素の量を、月ごとに調べ   たものです。
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