相田みつをの部屋 
     
                  

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雨の日には
雨の中を
風の日には
風の中を


いいですか
いくらのろくても
かまいませんよ
たいせつなことはね
いつでも前を
むいて自分の
足で自分の
道を歩く
ことですよ
いいですか
どんな大事な
ものでもね
荷物はみんな捨て
て下さいよ
自分のからだも
捨てるんです
からね

三途の川の番人の
ことばをかく



にんげんはねぇ
どんな人でも人それぞれに
悩みや苦しみを
いっぱい抱えて
生きているんだね
ほとけさまにもいえないような
悩みと苦しみをね



育てたように
子は育つ



ぐち

ぐちをこぼして
ゆくんだね
なみだをながして
ゆくんだね
だれにも気がねは
いらぬから
えんりょしなくて
いいんですよ
ぐちをこぼして
ゆくがいい
なみだをながして
ゆくがいい




外灯というのは
人のために
つけるんだよな
わたしはどれだけ

外灯をつけられる
だろうか




気が小さくて臆病で
人のこと気になって
三日もねむれぬ
こともある

おだてられれば
いい気になるし
わるくちいわれりゃ
腹立つわたし

物欲色欲名誉欲
人間はねえ
欲望の固まりだな
人間のわたし



にんげん
一番いやな
ことは
じぶんが

じぶんに
うそを
いうときだ


しんじつ
しんじつ
しんじつ
だけが




がまんをするんだよ
がまんをするんだよ
くやしいだろうがね
そこをがまんを
するんだよ
そうすれば
人のかなしみや
くるしみが
よくわかって
くるから



人生の的

ふたつあったら
まようよな
ひとつなら
まようことが
ない
人生の的は
ひとつがいい




いいですか
いくらのろくても
かまいませんよ
たいせつなことはねぇ
いつでも前を
むいて自分の
足で自分の
道を歩く




うまれかわり
死にかわり永遠の
過去のいのちを
受け継いで
いま自分の番を
生きている
それがあなたの
いのちです
それがわたしの
いのちです




自分の花


名もない草も
実をつける
いのちいっぱい
自分の花を
咲かせて




アノネ
仕事はなんでも
いい
ただひたすら
じぶんの仕事に
打ち込んでいる
姿はみんな
すばらしい


かねかね
かねと
金追いかけても
行きつく
ところは
一体どこ
なの?





道は自分で
つくる
道は自分で
ひらく
人のつくったものは
じぶんの道には
ならない



人間追いつめられて
はじめて本音を吐く
その時どんな本音を
吐くか それが大事



ある日自分へ

おまえさんな
いま一体何が
一番欲しい
あれもこれもじゃ
だめだよ
いのちがけで
ほしいものを
ただ一ツに的を
しぼって
いってみな



べんかい

あのねぇ
どんなに上手な
べんかいをしてもね
べんかいは
やっぱり
べんかいなんだよ
なあ



ひとの
批判は
かんたんだが
なあ



みんなほんもの

トマトがねえ
トマトのままでいれば
ほんものなんだよ
トモトをメロンに
みせようとするから
にせものに
なるんだよ
みんなそれぞれに
ほんものなのに
骨を折って
にせものに
なりたがる



飾り物

あのねえ
財産 肩書き 地位
名誉 その他
自分についている
誇り高き飾り物を
みんな落として
すっぱだかに
なってごらん
人間としての本当の
自分がわかるから



目にみえないを

わたしの住み家は道ばたの
アスファルトの小さな
割れ目の中 わたしは
人の足にふまれてばかりいる
栄養不足の名もない雑草です
名もない雑草ではあるけれど
人の足にふまれるたびに
涙をこらえて歯をくいしばり
土の中ふかく根を張るんです
いつかくる春の日に
いのちいっぱいの
自分の花を咲かせるために
いまは ただ
目に見えない
たくましい根を
育てるんです


やれなかった
やらなかった
どっちかな


慣れるななれるな
どんなことにも
慣れるな
慣れると
感動がなくなるから


ひとりでもいい

あなたにめぐり逢えて
ほんとうによかった
生きていてよかった
あなたにめぐり逢えたから

つまずいてもいい
ころんでもいい
これから先
どんなことがあってもいい
あなたにめぐり逢えたから


ひとりでもいい
こころから
そういって
くれる人が
あれば




むかしの人の詩にありました

君看よ、双眼の色
語らざれば、憂い無きに似たり

憂い・・・が無いのではありません
悲しみ・・・が無いのでもありません
語らない、だけなんです
語れないほど、深い憂い−だからです
語れないほど、重い悲しみ−だからです



うれい

なみだで
あらわれるたびに
まなこがふかくなり
うれいが
ふかくなる




歩くから
道になる
歩かなければ
草が生える


むりを
しないで
なまけない
わたしは
弱い人間だ
から


仕事

おなじやるならば
本腰入れて
やってごらん
そのほうが
つかれないで
たのしいから


夢は
でっかく
根は
ふかく


ちからを
いれてりき
まない
それがなかなか
できないわたし


運転手

あれもほしい
これもほしい
ああなりたい
こうなりたい
欲望いっぱいの
この自分
そういう自分の
運転手は自分


正直者は
ばかをみる
だからといって
うそばかりも
通らない
世の中
単純じゃねんだよ
なあ


どうでも
いいものは
どうでもいいんだよ
いちばん
大事なことは
一番大事な
いのちを
かけてゆくことだ



長い人生にはなあ
どんなに避けようとしても
どうしても通らなければ
ならぬ道というものが
あるんだな
そんなときはその道を
黙って歩くことだな
愚痴や弱音を
吐かないでな
黙って歩くんだよ
ただ黙って
なみだなんか見せちゃダメだぜ

  そしてなあ
      そのときなんだよ
    人間としての
    いのちの根が
     ふかくなるのは


生きてきて
楽しいと思う
ことの一つ
それは
人間が人間と
逢って人間に
ついて話をする
時です


うつくしいものを
美しいと思える
あなたの
こころが
うつくしい


アノネ
かんのんさまが
みていてくれるよ
なにもかも
みんな承知でね
かんのんさまが
みていてくれるよ
いいわけやべんかいなんか
しなくてもね
かんのんさまが
ちゃんと
みていてくれるよ


自分の番
 いのちのバトン

父と母で二人
父と母の両親で四人
そのまた両親で八人
こうしてかぞえてゆくと
十代前で千二十四人
二十代前は−?
なんと百万人を越すんです
過去無量の
いのちのバトンを受けついで
いま ここに
自分の番を生きてる
それが
あなたのいのちです
それがわたしの
いのちです


自分の番

うまれかわり
死にかわり永遠の
過去のいのちを
受けついで
いま自分の番を
生きている
それがあなたの
いのちです
それがわたしの
いのちです


あとでやろうと思っても
やれた試しがない
やるならいつでもいまだ


昨日までの自分を否定し
今日の自分に生きる
今日 新たに生まれ変わる


ただいるだけで

あなたがそこに
ただいるだけで
その場の空気が
あかるくなる
あなたがそこに
ただいるだけで
みんなのこころが
やすらぐ
   そんなあなたに
    わたしもなりたい


くるしいことだって
あるさ人間だもの
まようときだって
あるさ凡夫だもの
あやまちだってあるよ
おれだもの


ボロは初めに見せておけ
そうすれば いつでも
天下泰平だ


しあわせは
いつも
じぶんの
こころが
きめる


真理

生まれて
老いて
病んで死ぬ
だれにも避けられない
永遠の真理
真理の中に
生かされている
 わたしのいのち


わたしの坐右銘

あとでやろう
と思っても
やれた試し
がない
やるならば
いつでも
いまだ
青春浪人


琴の糸

張りすぎてもダメ
たるんでダメ
ちょうどいいあん
ばいのときに
ちょうどいいあん
ばいの音が
出る


相手がある
ことじゃけん
のう
こっちの思う
ようにはならん
のう


うそつき

あとあじわるき
みずからに
べんかいのうそ
さらにかさねつ


点数

にんげんはねえ
人から点数を
つけられるために
この世に生まれて
きたのでないんだよ
にんげんがさき
点数は後


肥料

あのとき
あの苦しみも
あのときの
あの悲しみも
みんな肥料に
なったんだなあ
じぶんが自分に
なるための


色即是空 空即是色
かねが人生のすべてでなないが
有れば便利 無いと不便です。
便利なほうがいいな−。


眼横鼻直

眼はヨコ
鼻はタテ
まっすぐなものは
まっすぐに
曲がったものは
曲がってみえる
 あたりまえのことを
 あたりまえに行う
道元禅師の教えです


子供へ一首

どのような
道を
どのように
歩くとも
いのちいっぱい
に生きてれば
いいぞ


あんなにして
やったのに
「のに」がつくと
ぐちがでる




強がりなんか
いうもとないよ
やせがまんなど
することないよ
だれにえんりょなんか
いるもんか
声をかぎりに
泣くがいい
ただひたすら
  なけばいい


つまづいたって
いいじゃないか
人間だもの


欠点まるがか
えで信ずる


遠くから
みている


そのままで
いいがな


自己顕示

「この花はおれが
 咲かせたんだ」
土の中の
肥料は
そんな自己顕示
をしない
 おれのような


人の為
と書いて
いつわり
と読むんだ
ねえ


おさい銭

百円玉一ツ
ぽんと投げて
手を合わす
おねがいことの
多いこと


おたがいに
なあ
不完全
欠点だらけの
にんげん
ですがね


家主

「あんなやつ
    死んじぇばいい」
わたしのこころの中の
鬼がさけぶ
「あのね人を恨んでね
ほんとうに傷つくのは
じぶんなんだよ」
鬼のうしろで
仏がそっとささやく 
 鬼心
    仏心同居の
  わが家
     家主はじぶん


うん

つらかったろうなあ
くるしかったろうなあ
 うん
 うん

だれにもわかって
もらえずにいるなあ
どんなにか
つらかったろう
   うん
   うん
泣くにも泣けず
つらかったろう
くるしかったろう
   うん
   うん


わかって
たまるか
人に踏まれて
ばかりいる
雑草の
くるしみが




いまはなんにも
いわないほうがいい
語らないほうがいい
つらいだろうが
黙っているほうがいい
いえばべんかいに
なるから


どうでも
いいものは
どうでもいいんだよ
いちばん
大事なことに
一番大事な
いのちを
かけてゆくことだ

"Nocturne 1126".mid♪雑音空間